私はReactやNext.jsといったフロントエンド開発を教えています。
その中で気が付くのは、多くの学習者がハマる「ある罠」です。
この「ある罠」は実は海外ではよく知られおり、名前もしっかりあります。
「Tutorial Hell(チュートリアル・ヘル)」です。
「Hell」とは「地獄」のことですが、「チュートリアル地獄」とは一体どういう罠なのでしょうか。
手段の目的化
プログラミングを勉強する人の多くは、次のような目標を持っています。
「キャリアチェンジをしたい」
「エンジニアとして就職したい」
「仕事につなげたい」
私の生徒も、ほとんどがこうした目標を持っています。
つまり「プログラミング学習」とは、そのための手段なのです。
ところがこの「手段」であるはずの勉強が、いつの間にか「目的」になってしまうことがあります。
私も経験があります。
プログラミングだけではなく、それ以前の受験勉強や英語の勉強でも、気がつくと目標を忘れて、「勉強すること」自体が目的になっている時がありました。
この「手段の目的化」。
実はこれこそが「チュートリアル・ヘル」なのです。
教材の無限ループ
記事を読む。
本を一冊読み終える。
動画を最後まで見る.....
すると、私たちは快感を覚えます。
「知らなかったことを知る喜び」です。
「前に進んでいる感覚」です。
「自分が変わっている」という感覚です。
そしてこれらはすべてとても大切なことです。
しかし、本来の目的は就職や仕事獲得だったはず。
ところが、教材というものはいくらでも見つかります。
• ブログ記事
• 動画
• YouTube
• 新しい本
• SNS
そしていまでは、ここにAIも加わっています。
次から次へと現れるのです。
この結果、
「これも見ておこう」
「あれも勉強しておこう」
と繰り返しているうちに、教材の無限ループに入ってしまう。
これが「チュートリアル・ヘル」です。
チュートリアル・ヘルは悪いことではない
さて、ここまで読むと、チュートリアル・ヘルはネガティブな話に聞こえるかもしれません。
しかし私は、「そういう時期もあるよね」と思っています。
私自身、何度もそれを経験したからです。
ご飯を食べるのも忘れて、友達と遊ぶのも忘れて、夢中になって勉強する。
振り返ると、ある意味とても充実した時間でした。
「無我夢中で勉強すること」と「チュートリアル・ヘル」は、紙一重なのだと思います。
忘れてはいけないこと
「勉強が楽しい!」
これは素晴らしいことです。
しかし「大人の勉強」において時間は有限です。
「何のために勉強しているのか」というゴールは心の片隅に常に置いておくようにしましょう。
チュートリアル・ヘルに陥らないためには、ゴールと順番を明確にすることが大切です。
下記の関係記事も参考にしてください。
▼ 【情報過多】プログラミング初心者が挫折する原因
▼ AI時代のプログラミング学習で加速する「断片学習」とは?
▼ 「理解してから進む」が遠回りになる理由
▼ 筆者の自己紹介