11
9

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Reactをビギナーに教える前に知っておきたかった「技術より大切なこと」

11
Last updated at Posted at 2026-06-16

「どこから始めればいい?」という問いの前に

私はReactやNext.jsといったフロントエンド開発をビギナーに教えています。

React学習ガイド、学習ロードマップ、React研修など、monotein.com/blogで詳しく紹介しているので、興味のある方は目を通してみてください。

さて、私が以前教えていた生徒の中には、シニアやテックリードのポジションにいる人もいます。

新年度には、新卒エンジニアへのReact研修にアサインされる方もいるようです。

そういう方たちからよく聞く言葉、それは....

どこから始めて、何を教えればいいのか、よく分からない....

Reactを自分で使えていても、それを教えるのは別の能力です。

「Reactをあまり知らないのに研修担当になってしまった」というケースも珍しくありません。

本記事では、React研修を始める前に担当者が知っておきたいことを紹介します。

「JSXを最初に教えて、次はイベント処理」といった技術的な順番の話ではなく、それよりも根本的で重要な話です。

「まずJavaScriptから」は正しいか

まず知っておいてほしいこと。

それは、次のような言葉を真に受けないことです。


ReactはJavaScriptのフレームワークだから、まずJavaScriptをマスターしないといけない


確かにReactはJavaScriptベースなので、JavaScriptの知識は必要です。

世に出ているReact本や動画教材の大半も、「ある程度のJavaScriptの知識」を前提知識として求めています。

しかし、Reactを始めようとしているビギナーに一番必要なのは「ある程度のJavaScriptの知識」ではありません。


新しいことを始めるとき、人はみな不安です。

ビギナーの不安を和らげるものは何でしょうか。

それは「これなら自分にもできそうだ!」「もしかしたらできるかもしれない!」という前向きな気持ちです。

そしてそれを得る一番確実な方法は、「小さな成功体験を早く作る」です。

「自分には無理だろう」と感じながら進める学習には、多くのエネルギーが必要です。

一方、「自分にもできるかも」という光を感じられれば、自分で前に進んでいけます。


ビギナーにはなるべく早く成功体験を味わってもらいましょう。

そうすれば、手取り足取り指示を出さなくても、自分で学習を進められるようになります。

成功体験は気持ちがいいからです。

「もっと味わいたい!」という気持ちが、自分で自分を進める推進力になるのです。

ビギナーの固定観念を溶かすアプローチ

ではどうすれば、ビギナーに早く成功体験を味わってもらえるのでしょうか。

Reactについていうと、Reactのreturnの中は、HTMLと同じように書けます。

CSSを当てる時も、classの代わりにclassNameと書くだけです。

新しいことを覚えないとReactは使えない」という角度からではなく、「あなたがすでに知っていることでReactは使えるよ」というアプローチです。

つまり....

【 HTML・CSSの延長線上にReactはあり、すでに知っていること(HTML・CSS)を活かせばReactを使える 】

こういうことをできるだけ早く伝えてあげましょう。

そうすれば、多くのビギナーが持っている次のような固定観念;


あれ、HTML・CSSとReactの間にはJavaScriptが横たわっていて、それを乗り越えないとReactは使えないと思っていた....


を溶かしてあげることができます。

そして「もしかしてReactって意外に簡単かも」と感じる人が大勢出てきます。

これまでReactを教えてきて、私はこういう場面を何度も目にしてきました。


研修の受講生に到達してもらいたいのは「Reactができる」というレベルです。

「JavaScriptができる」ではありません。

ゴールはReactなのだから、早くReactに触れてもらいましょう。

自分が登ろうとしている山が、実はそれほど高くないことに気づいてもらえます。

さらに、自分に足りないものを自覚してJavaScriptを学習する必要性も感じてくれます。

小さくていいから、完成まで体験させる

既知のこと(HTML/CSS)でReactが少しは使える、という理解と同じくらいビギナーにとって大事なこと。

それは「動くものを作る」です。

Reactを学ぶのはアプリを作るためです。

サイズは小さくていいので、できるだけ早くアプリ制作の一連の流れを、最初から最後まで体験させてあげましょう。

細々とした文法を教えたり、例外事項などにいちいち言及するのは止めます。

こういったことは往々にして、教える側の自己満足や不安感に由来するものです。

ビギナーにとっては不要であるばかりではなく、退屈を生み混乱を招きます。

「100%理解してから次に進む」という完璧主義の態度も、この段階では不要だと教えてあげましょう。

分からないことが多少はあっても先へと進み、できるだけ短い時間でアプリを完成してもらいます。

そうすれば達成感を味わえます。

それが次のステップへと進む最大のモチベーションになります。

そしてビギナーといっても盲目ではありません。

「アプリを作れた!だからもうこれでReactはマスターした!」と考える人は、私の経験ではほとんどいません。


アプリはとにかく一応作れた。でも自分には理解できていないことや、知らないことがまだたくさんある


このように大半のビギナーは考えます。

こういう、いわば謙虚な姿勢を持ってもらえたら研修は成功です。

あとは彼ら彼女らが自分で学習を進めていきます。

自分には足りないものがあることを自覚できたからです。

自分で埋めていく楽しさを覚えたからです。

研修の本当のゴールは「希望」を渡すこと

最後に、研修の目的とは何かを考えてみましょう。

Reactの研修なら「Reactを使えるようになる」が目的です。

しかし、どんな学びも一冊の本や一度の研修で終わるものではありません。

ずっと続いていくものです。

そして「学ぶ」というのは楽しいことです。

【 昨日はできなかったことが、今日はできている 】

これは人間の根本的な喜びのひとつでしょう。

前に進んでいる感覚を与えてくれるからです。

自分は進歩していると実感させてくれるからです。


研修や講座は、あるスキルをマスターしてもらうことを名目に掲げています。

そしてそれは大事なことです。

しかしそれよりも大事なことは、受講生に何か明るいもの、前向きな気持ち、いわば「希望」といったものを感じてもらうことでしょう。

「自分にもできるかも」という、自分に対する期待と希望の気持ちです。

そういう前向きな気持ちさえ持ってもらえれば、あとは自分で進んでいけます。

研修担当者の役割は、スキルを「教える」ことではなく、受講生が自分で進めていくための「きっかけを作る」ことかもしれません。

関連記事

React研修や学習については、下記の記事も参考にしてください。

▼ React学習ロードマップ【2026年版】


▼ React + Vite完全スタートガイド【2026年版】


▼ TypeScriptはいつ学ぶべきか、TypeScript入門完全ガイド【2026年版】


Reactを教える側になったけれど、何から始めればいいか迷う....

そんな方向けに、React学習でつまずきやすいポイントや学習の進め方をまとめたガイド記事を公開しています。

▼ Reactが難しいと言われる理由と、その乗り越え方【2026年版】

11
9
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
11
9

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?