プログラミングを教えていると、生徒から次のような言葉を聞くことがあります。
「この本、自分には合わない気がします....」
「もっと分かりやすい教材があるかも....」
教材が原因で進まないことはある
私自身が本を書くようになってから強く感じるようになりましたが、本には著者の考え方や人間性が想像以上に表れています。
ニュートラルで、どちらかといえば無味無臭と思われている「教科書」というものにも、かなり色濃く書き手のパーソナリティが出ているのです。
人には相性があります。
教材にも相性があります。
同じ内容でも、「すごく分かりやすい」と感じる人もいれば、「何を言いたいのか分からない」と感じる人がいるのはこのためです。
もし解説が頭に入ってこないのなら、教材を変えるのは悪いことではありません。
むしろ変えた方がいい場面も多いと思います。
しかし教材を変え続ける人もいます。
教材を変えることが目的になってしまっているような人もいるのです。
学習とは、知らないことを理解することです。
頭に負荷がかかる作業です。
しかしその負荷を、「教材が悪いのではないか」と考えてしまう。
そして別の本。
次は別の動画。
さらに別の教材。
こうして気がつけば、何冊も買っているのに最後まで終わった教材が一つもない。
こういう人は意外と少なくありません。
教材を変えるほど満足感は下がる
私はこれを、テレビのチャンネルを何度も変えることに似ていると思っています。
あるいは、YouTubeをブラウザのタブで何本も開いて、次々と切り替えて見ること。
「もっと良いものがあるかもしれない」
そう思って切り替えます。
しかし振り返ってみると、何を見たのかも曖昧で印象に残っていない。
勉強も同じです。
教材を切り替えるたびに、頭の中も切り替わります。
集中が途切れます。
理解も浅くなります。
その結果、「勉強しているのに前へ進んでいる気がしない」という状態になってしまうのです。
一つ決めたら最後までやる
上にも書いたように、教材には作り手の性格や人間性が強く出ています。
なので、自分に合わない教材は必ずあります。
その場合はすぐに教材を変えましょう。
しかし、教材を変えることがあまりにも頻繁なら、一度立ち止まりましょう。
「分からない」という負荷は、教材からではなく、「知らないことを知ろうとしている」ということ自体から来ているかもしれません。
教科書なら1冊。
動画なら1本。
目の前にあるひとつを、まずは最後までやり切ってみる。
そして「いい」と思ったら、最初のページに戻り、繰り返してみてください。
教材をすぐに変えたり、次々と違う教材に手を出すよりも、ひとつの教材にじっくり向き合う方が、学びが深くなることは多いのです。
「もっと良いものがあるかもしれない........いや絶対にある。見つけ出そう!」という気持ちは、情報と選択肢が爆発的に増えた現在では、より一般化、あるいは深刻化しています。
しかし、こと教材に限っていえば、一つの教材を味わい尽くした経験や最後までやり切った達成感は、その後の人生でも必ず役に立ちます。
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