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韓国の地震速報・地震情報について

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この記事は 防災アプリ開発 Advent Calendar 2025の23日目の投稿です。

はじめに

はじめまして。
今回初めて防災アプリ開発カレンダーに参加しました。
韓国出身のため、日本語が少し不自然なところがあるかもしれません。よろしくお願いします。

韓国の地震速報と地震情報の体系について書きたいと思います。もし、韓国の地震にも関心があったら読んでください。

韓国での地震発生推移

韓国は日本と違って、プレートの境界と離れているため、日本に比べると地震の頻度や規模は低いです。しかし、年々観測される地震の数が増加しているとみられます。

image.png
この図は1978年以降の地震発生回数をグラフで示したものです。マグニチュード2.0以上の地震に限られています。
緑色はマグニチュード3.0以上の地震発生回数を、赤色は体に感じた地震回数を、紫はマグニチュード2.0以上の発生回数を示しています。

アナログで地震を観測した1978年~1988年まではマグニチュード2.0以上の地震が年平均19.1回発生しました。
デジタル観測に切り替えられた1999年以降には平均72.2回発生しています。2016年と2017年には慶州地震と浦項地震で地震発生回数が平均を大きく上回っている状況です。
グラフを見ると、地震の発生数が増加傾向にあることがわかります。

この増加は、地震活動そのものの活発化というよりも、観測点の増設やデジタル化による検知能力の向上が主な要因だと考えられています。

image.png
1978年~2024年の間発生した地震の震央をプロットした図です。

地震速報

分析

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2025年1月現在、韓国には合計371点の地震計が設置されています。
韓国には日本のような震度計は存在せず、地震計で観測されたPGA(最大加速度)をもとに、USGSのShakeMapアルゴリズムを活用して震度情報が算出・発表されています。

基本的な考え方は日本の緊急地震速報と共通しており、P波を用いてS波到達前に震源位置やマグニチュードを推定します。ただし、詳細な計算手法は公開されていないため正確な仕組みは不明であり、日本のIPF法のように確率論的な手法を用いているわけではないと考えられます。

また近年では、PLUM法に近い考え方を取り入れた速報体系の試験運用が行われていることが、韓国気象庁から発表されています。これは「現場警報」と呼ばれているようですが、公開情報が限られているため、詳細については別の機会に改めて整理したいと思います。

種類

日本の緊急地震速報(警報)や緊急地震速報(予報)のように韓国にも地震速報に二つの種類があります。
「地震速報」と「地震早期警報」です。それぞれ「緊急地震速報(予報)」、「緊急地震速報(警報)」に相当すると考えればいいと思います。

「地震速報」 は二つの基準のうち、いずれかに該当すると発表されます。

  • 韓国の陸地でマグニチュード3.5~4.9の地震が発生したと推定される場合
  • 韓国周辺海域または韓国周辺の陸地(韓国を除く)でマグニチュード4.0~4.9の地震が発生したと推定される場合

「地震早期警報」 は以下の基準に達すると発表されます

  • マグニチュード5.0以上の地震が発生したと推定される場合

通知

地震速報が発表されるといろんな方法で通知されます。

エリアメール

日本は緊急地震速報(警報)でのみ対象地域に緊急速報メールが送信されますが、韓国は違います。
まず、韓国には3種類の緊急速報メールがあります。「公共安全警報」・「緊急速報」・「プレジデンシャルアラート」に分かれ、後者になるほど緊急性が高くなります。また公共安全警報と緊急速報は受信拒否ができますが、プレジデンシャルアラートは強制的に受信されます。

それぞれの配信基準は以下の通りです。いずれかを満足すると配信されます。

  • 公共安全警報
    • 韓国の陸地での地震
      • マグニチュード3.5~4.9かつ最大予想震度IV以下
      • マグニチュード2.0~3.4かつ最大震度III以上
    • 韓国の海域での地震
      • マグニチュード4.0~4.9かつ最大予想震度IV以下
      • マグニチュード2.0~3.9かつ最大震度III以上
  • 緊急速報
    • 韓国での地震
      • マグニチュード5.0~5.9の地震が発生
      • 陸地でマグニチュード3.5~4.9かつ最大予想震度V以上
      • 海域でマグニチュード4.0~4.9かつ最大予想震度V以上
    • 北朝鮮・外国での地震
      • マグニチュード5.0~5.9の地震が発生
      • マグニチュード4.0~4.9かつ最大予想震度V以上
    • 津波
      • 津波警報・津波注意報発表時
  • プレジデンシャルアラート
    • マグニチュード6.0以上の地震が発生

緊急速報メールの発信基準にマグニチュードと震度が混合されており、複雑だという意見も多くあります。個人的には、改善の余地がある仕組みだと感じています。

その他

その他にもテレビやNAVERなどで地震情報が表示されます。

地震情報

地震情報はマグニチュード2.0以上の地震が韓国で発生した時に発表されます。その他にも、海外でマグニチュード6.0以上の地震が発生した時に「国外地震情報」(日本の「遠地地震に関する情報」に相当)が発表されます。

情報の取得

韓国気象庁は日本の気象庁のように民間企業やサービス提供者にAPIを分かりやすく提供していません。公式文書も多少わかりにくく、開発に親和的ではないと思います。(実質的には、自ら情報をパースする必要があります。)
ここでは、気象庁が提供している公式な情報取得方法ともう一つの方法を紹介します。

公式な方法

公式方法は二つに分かれます。
一つ目は政府が運用している公共データポータルというのを使用する方法で、二つ目は韓国気象庁が運用している気象庁 API hubを利用するのです。
しかしながら、公共データポータルを利用するには韓国の携帯が必要であるため、ここでは API hubの利用方法だけを紹介させていただきます。

「気象庁 API hub」を使用

まずは、上のリンクでサイトに接続してください。
image.png
そしてこのボタンを押して、image.png
次に左のボタンを押して、サイトに登録する必要があります。
asdf.png
メールアドレスを記入し、上からボタンを押してください。asdfasdf.png
写真のように入力してください。所属先は「Personal」で問題ありません。
入力後には一番下のチェックボックスをクリック、次に青色のボタンをクリックしてください。そうすると加入が完了されます。

上部バーの右から3番目のボタンからログインできます。
ログインされたら、上のバーには4つのボタンがあるはずです。右から3番目のボタンを押して、APIキー(인증키)を確認できます。
image.png
左のバーで「지진/화산」をクリックし、「1」番項目の右にある青いボタンをクリックしてください。
ポップアップウィンドウで、最後の項目「방재」をクリック、そして2番目の「제조/개발/상품서비스」をクリック、下のボックスに「지진 정보 앱 개발을 위한 정보 취득」をコピーペーストしてください。そして、下の青いボタンを押すと、準備完了です。

https://apihub.kma.go.kr/api/typ01/url/eqk_now.php?disp=0&help=1&authKey=${API key}
このアドレスに接続すると最近の地震情報を取得できます。

各パラメーターの意味は以下の表を参照してください。

パラメーター 意味
TP 2: 国外地震情報
3: 地震情報
TM_FC 発表時刻
SEQ 発表シリアル番号
TM_EQK 発生時刻(秒まで)(YYYYMMDDHHMMSS)
MSC 発生時刻(秒未満)
MT マグニチュード
LAT 震央の緯度
LON 震央の経度
LOC 震央位置(韓国語文字列)
INT 韓国語文字列(최대진도 ${Int})
(空白: 震度情報なし)
REM 参考情報
COR 修正されたこと

直接取得する方法

https://www.weather.go.kr/w/wnuri-eqk-vol/rest/eqk/list.do
このURLに接続します。このサイトでは地震情報のリストを確認できます。
各パラメーターの意味は以下の表を参照してください。

パラメーター 意味
tp 2: 国外地震情報
3: 地震情報
5: 地震情報(再通報)
11: 国内 地震早期警報
12: 国外 地震早期警報
13: 早期警報精密分析
14: 地震速報
kind tpの韓国語表現
tmFc 発表時刻
tmSeq 発表シリアル番号
data 詳細情報へのURL
tmFcText tmFcの文字列表現
tpText (未確認)
titleText 情報HeadLine

https://www.weather.go.kr/w/wnuri-eqk-vol/eqk/report.do?eqk=${data}
で詳細情報を取得できます。

おわりに

簡単にまとめると、韓国の地震速報システムには以下の特徴があります。

  • 震度計が存在せず、PGAをもとに震度を推定している
  • 無感地震が通知されることが多い
  • 緊急速報メールの配信条件が複雑で、震度とマグニチュードが混在している
  • APIや公式データが開発者向けに十分整理されていない
  • 防災アプリを開発する立場から見ると、韓国の地震情報は「取得はできるが扱いにくい」

韓国の地震速報・地震情報の仕組みは、日本と似ている部分もあれば、制度や運用面で大きく異なる点もあります。

本記事が、日本の防災開発者の方にとって、「韓国ではこうなっているのか」と知るきっかけになれば幸いです。

ご不明な点や誤りなどがあれば、コメントでご指摘いただけると助かります。
ご読みいただき、ありがとうございました。

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