フリマアプリに出品する写真を撮った。部屋の隅に置いていた宛名ラベル付きの段ボールが写り込んでいる。とりあえずモザイクをかけて、投稿ボタンを押した。
——これで、本当に大丈夫なんだろうか。
スクショや写真に写り込んだ住所・顔・名前を隠すとき、多くの人がまず「モザイク」を選ぶ。写真編集アプリやスマホの標準機能に用意されていて、選ぶだけでかけられるからだ。ただ、かけ終わったあとに、ふとこの不安がよぎることがある。この記事では、「確実に隠したいなら何を選べばいいか」を、専門知識なしで判断できる形で書く。
実際に塗るなら、私が作った PureMark Annotate というツール(ブラウザ、ふだんネットを見るときに使っているアプリだけで使える)がある。自作ツールなので正直に書いておくと、画像はブラウザの中だけで処理して、外部のサーバーには送らない設計にしてある(隠したい写真を扱う道具なので、そこは最初からそう作った)。インストールも会員登録も不要で、無料。保存した画像には小さな透かしが入るが、メールを登録すれば無料で外せる。
モザイクは本当に安全なのか
モザイクや「ぼかし」は、手軽さが一番の魅力だ。範囲を選んで機能をタップするだけで、見た目には元の写真がぼやけて分からなくなる。
ただ、一般に、モザイクやぼかしはかけ方が弱いと、元の情報がある程度推測できてしまう場合があると言われている。強さのかけ具合や写真の状況によって差があるため、「モザイクをかけたから絶対に安全」とは言い切れない、というのが実情に近い。この話は今回はじめて出てきたものではなく、ニュースやセキュリティの注意喚起でこれまでも繰り返し取り上げられてきた。
実際に拡大してみたら、文字の形がうっすら残っていた
どの程度心配すべきものなのか、試しに、モザイクをかけた宛名ラベルの写真を目一杯拡大してみた。すると、文字そのものは読めないものの、文字の輪郭がうっすらと残っていて、「ここに何か書いてある」というのが分かる状態になっていた。
強さや写真の状況によって差はあるだろうが、少なくとも「モザイクをかければ、あとは何も残らない」わけではない、ということは実際に確かめられた。
顔はモザイクでいい。住所や名前は塗りつぶし一択
ここまでの話を踏まえると、隠したいものによって、必要な強さが違うことが見えてくる。
顔を隠す目的は、多くの場合「誰なのか特定されない」ことだ。輪郭がぼんやり分かる程度でも、目的は果たせる。一方、住所や氏名、番号のような文字情報は、1文字でも読めてしまえば、そこで情報が漏れる。「ぼんやり隠れていればいい」ものと、「完全に見えなくする必要がある」ものでは、求められる強さがまったく違う。
住所や氏名のように、1文字でも読めたら困る情報は、透けない色でしっかり塗りつぶすのが一番確実だ。 「ベタ塗り」とも呼ばれるこの塗り方は、隠したい部分を単色(多くは黒)で完全に覆ってしまうもので、モザイクのように強さの程度が問題にならない。一色で覆われているだけなので、そこに元の情報は残らない。
ただし、ここまでの話はすべて「写真に写っている中身」についての話だ。スマホで撮った写真には、写っている中身とは別に、いつどこで撮ったかという位置情報(Exifデータと呼ばれる、写真ファイルの中にこっそり記録される付属情報)が残っていることがある。宅配便の伝票が、荷物の中身とは別に配達先の住所を記録しているのに近いイメージだ。塗りつぶしで住所を隠しても、この位置情報までは消えない。心配なら、投稿前にスマホの共有設定で位置情報を含めないようにしておくと、より安心できる。
フリマの写真もSNSのスクショも、隠すべき場所は同じ
出品写真や投稿でよく写り込む「1文字でも読めたら困る」場所はだいたい決まっている。
- 宛名ラベル・郵便物・伝票(住所・氏名が読める)
- 玄関の表札
- 会員証・書類に印字された氏名や番号
- 車のナンバープレート
- SNSに載せるスクショ(トーク画面など、名前や住所が写り込むもの)
こういう文字情報は、モザイクで済ませずに塗りつぶしを選ぶ。一方、人の顔(家族・自分以外の第三者が写っている場合)や、部屋の雰囲気が少し分かる程度で困らない背景などは、モザイクでも十分なことが多い。
難しいソフトはいらない。「塗りつぶし」を選んでなぞるだけ
「文字は塗りつぶしで」と言われても、そのために新しいソフトの使い方を覚えるのは面倒に感じるかもしれない。PureMark Annotate の「塗りつぶし」ツールは、それを次の手順だけで終える。
スマホの場合
- ブラウザで
annotate.puremark.appを開く - 「画像を選ぶ」をタップし、写真アプリの中から出品する写真を1枚選ぶ
- ツールの中から「塗りつぶし」をタップする(色は自動で黒になる)
- 隠したい場所を指でなぞる
- ダウンロードして保存する
パソコンの場合
- ブラウザで
annotate.puremark.appを開く - 画像を貼り付ける(
Ctrl+V)、または「画像を選ぶ」からファイルを選ぶ - ツールの中から「塗りつぶし」を選ぶ(色は自動で黒になる)
- 隠したい場所をなぞる、またはドラッグで範囲を選ぶ
- ダウンロードして保存する
ツールを選んだ時点で、色はすでに黒になっている。あとは、隠したい場所をなぞるだけでいい。色を選んだり濃さを調整したりする手間はない。
PureMark Annotate を開いて実際に試してみると、「塗りつぶし」を選んでなぞった瞬間、透けない黒がその場に乗るのが分かるはずだ。宛名ラベルのような四角い対象はもちろん、輪郭が崩れている対象にも自由になぞって塗れる。
モザイクと塗りつぶし、使い分け早見表
| 項目 | モザイク・ぼかし | 塗りつぶし(ベタ塗り) |
|---|---|---|
| 向いている場面 | 顔など、輪郭がぼんやり分かれば十分なもの | 住所・氏名・番号など、1文字でも読めたら困るもの |
| 拡大したときの見え方 | 文字の輪郭がうっすら残ることがある(実機で確認) | 完全に覆われる。拡大しても透けない |
| Annotateでの手間 | ツールを選んでなぞるだけ | ツールを選ぶと自動で黒に。なぞるだけ |
手間はどちらもほとんど変わらない。違うのは、隠したい情報の種類によって選ぶべきツールが変わる、という点だけだ。
投稿ボタンを押す前に
宛名ラベルにモザイクをかけて投稿ボタンを押した、あの瞬間の話に戻る。今なら、その手を止めて、宛名の部分だけ透けない黒でしっかり覆ってから投稿する。手間はモザイクとほとんど変わらない。それなのに、あとから「これで大丈夫だったかな」と思い返す時間がなくなる。
次にフリマアプリへの出品やSNSへの投稿で、住所や名前が写り込んだら、PureMark Annotate の「塗りつぶし」をブラウザで開いて、なぞってから公開してみてほしい。
参考リンク
- PureMark Annotate — 本記事で紹介したブラウザ完結の画像加工ツール(塗りつぶし・モザイク・矢印・文字入れに対応)
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