この記事はこんな人に向けています:
- Copilot Studio Lite でエージェント作ったけど精度がイマイチ…
- ITは苦手だけど、「ちゃんと答えてくれるエージェント」を作りたい!
背景:
非IT部門を中心にQA対応を行う中で「エージェントの精度が悪い」という相談が多かったから。
この記事では、実際の現場で効果があった改善方法を「エージェント作成初心者でも真似できる形」でまとめます。
ゴール:
Copilot Studio Liteで作成したエージェントが「思った通りに答えてくれない」とき、何から改善すべきかが分かる
1. Copilot Studio Liteでできること・出来ないこと
そもそも、生成AIの回答は100%正解ではない。
また、Copilot Studio Liteで作成したエージェントにも得意・不得意がある。
この2点を理解すると想定外の挙動が激減する。
下記に、Copilot Studio Liteで作成したエージェントが得意なこと・苦手なことを記載する。
✅ 得意なこと
- SharePoint上の社内情報を使って Q&A する
- 手順説明やルール案内をする
- FAQ 的な「1問1答」形式の対応
❌ 苦手なこと
- 外部API連携が必要な複雑処理
- 画像中心のPDFを読むこと
- あまりに曖昧な質問への推測回答
2. エージェントの精度が出ないときのチェックリスト(抜粋)
精度が悪いときは、下記の観点を見直してみましょう。
-
エージェントの基本設定の確認
- ナレッジの接続先は正しいか
- エージェントの指示欄が正しく記載されているか
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ナレッジ接続設定の確認
- 必要な資料が接続されているか
- 逆に、不要な資料が接続されていないか
- 資料は「最新版だけ」接続されているか
- ファイルのアクセス権がエージェントを操作するユーザーに一致しているか
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ファイル構造の品質確認
- PDFは画像だけではないか
- ファイル名が意味のある名前になっているか(例:住宅手当申請手順_v202501.docx)
- ファイル内の見出しが整っているか
- 長すぎる資料は章ごとに分割しているか
- 同じ内容の資料が複数存在しないか
- 重複ページを削除しているか
- 文書の改行・段落崩れ、表崩れがないか
-
ナレッジ内容の整理
- 専門用語は最初に定義が書かれているか
- 言い回しが統一されているか(例:申請/届出)
- 手順は番号付き・箇条書きで整理されているか
- 不要な余白、画像、表が削除されているか
- 文章量が適切か(長すぎない)
-
プロンプトの確認
- 目的(何のための回答か)が明記されているか
- 読者・対象ユーザーが指定されているか
- 出力形式(例:箇条書き)が指定されているか
- 制約(語尾、禁止事項)が書かれているか
- 良い例・悪い例が添えてあるか
- 曖昧な場合の「確認質問」を強制しているか
3. よくあるNGプロンプト集
情報が足りなさすぎる(曖昧な問いかけ)
Copilot は 「どこで・何を・どうしたいか」が分からないため、推測回答になり精度が落ちる。
🙅♀️ 悪い例
- 「これ直して」
- 「うまく動かないんだけど?」
- 「なんかおかしい」
🙆♀️ 良い例
「PowerPoint で資料を開いたら、Copilot ボタンが灰色のまま。直前にテンプレ変更をしています。原因の可能性と対処を教えて。」
ゴールが曖昧(Copilot が迷子になる)
「いい感じ」は人によって違うため、Copilot が方向性を決められない。
🙅♀️ 悪い例
- 「なんかいい感じにまとめて」
- 「分かりやすくして」
🙆♀️ 良い例
「この議事録を、5行以内で決定事項・課題・次のアクションに分けてまとめて。」
情報源を指定しない(正しくない情報を拾うリスク)
Web情報や一般論を混ぜてしまう可能性がある。
🙅♀️ 悪い例
「社内の旅費ルール教えて」(情報源の指定なし)
🙆♀️ 良い例
「SharePoint の『総務ポータル>旅費規程』を参照して、出張旅費の精算期限を教えて。」
指示を一文に詰め込みすぎ(解釈がぶれる)
タスクが多すぎて、Copilotが優先順位を決められない。
🙅♀️ 悪い例
「この企画書を改善して営業向けに分かりやすくて読みやすくて図も入れてロジックも直して...」
🙆♀️ 良い例
「まずはこの企画書の“論理の流れ” だけ改善して。次に図解化を頼みます。」
禁則・制約を伝えない(危険な推測を招く)
誤った情報を勝手に足されるリスクがある。
🙅♀️ 悪い例
「このメール、良い感じに書き換えて」
🙆♀️ 良い例
「このメールを、内容を変えずに丁寧なビジネス文に書き換えて。事実を追加したり省略しないこと。」
「Yes/No」 だけ訊く(Copilot の力を活かせない)
Yes/No だけ返すと判断材料が分からない。
🙅♀️ 悪い例
- 「これって大丈夫?」
- 「合ってる?」
🙆♀️ 良い例
「この稟議案の内容に矛盾がないか、論点を3つ抽出して説明して。」
Copilot を検索エンジン扱い(特に社内情報)
どのサイト?どのフォルダ?何を求めているかが分からない。
🙅♀️ 悪い例
「〇〇部の最新資料出して」
🙆♀️ 良い例
「『企画G>AI チーム>2025』フォルダで、最新更新日の資料を3つリストにして。」
文脈を渡さない(直前の会話だけで判断してほしい時)
文脈を誤って推測する可能性がある。
🙅♀️ 悪い例
「続きをやって」
🙆♀️ 良い例
「さっき作成した5行要約の“課題”部分だけ、深掘りして整理して。」
Copilot に答えを丸投げする(目的がズレる)
Copilot の推測で 存在しない課題を出す可能性がある。
🙅♀️ 悪い例
「この企画にどんな課題がある?」
🙆♀️ 良い例
「この企画書の内容から、リスクとして明記されている点だけ抽出して。」
4. 改善ループを回してエージェントの精度を上げる
何となく作ってみたエージェント、何となく入力したプロンプトで「Copilot Studio Liteで作成したエージェントは精度が悪いな…」と思っていても、少し設定変更をしたり、少し聞き方を変えてみると、良い相棒になるかもしれません。
🙋♀️初心者でもできる改善ループ
- 失敗例を集める
-
原因を分類する
- 設定に過不足がある?
- 設定したナレッジが不足していないか?
- Copilotへの聞き方が不親切?
- 改善は1回に1点だけ直して、前後比較してみる
まとめ
Copilot Studio Liteは、非ITユーザーでもお手軽にエージェントを作成することが出来ます。
何となく作ってみたエージェント、何となく入力したプロンプトで「Copilot Studio Liteで作成したエージェントは精度が悪いな…」と思っていても、少し設定変更をしたり、少し聞き方を変えてみると、良い相棒になるかもしれません。