ニーズ
いまのところ、GAウェブテストでは異なる2つのURLに対して簡単なABテストを行えるものだと思います。
この記事では、例えば、あるボタンの文言を「資料請求」と「無料で資料請求」で比較するという、
コンテンツレベルのABテストのやり方を記載します。
概要
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GAウェブテストは chooseVariation という 0, 1 のランダム値を渡すことのためだけに使っています。
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GTMでは、カスタムHTMLでコンテンツ出し分けを行い、標準のイベント機能で View と Click のカウントを行います。
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GTMの変数を使って、イベントのラベルなどを動的に変更することで、ABパターンを判別する。
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取得したパターンABそれぞれの、View と Click 数をイベントとして取得することで、それぞれのCVRが分かるというストーリーです。
ちょっと、サンプルコードと文言は異なりますが、できあがりイメージは以下のようになります。(GoogleAnalyticsのイベント画面)
(なので、正直あまりGAウェブテストの機能はつかってません)
..以下ステップ by ステップで見ていきましょう。
レシピ
- ウェブテスト設定
- カスタムHTMLで、コンテンツ出し分け部分を書く
- トリガーを [Dom Ready] で設定する
- 変数を設定しておく
- Click イベントを設定
- View イベントを設定
- トリガーを [ウィンドウ読み込み] で設定する
コンテンツ出し分けのタイミングと、Viewイベントのタイミング(トリガー)が、微妙に異なるのがミソです。
トリガーは以下の順番で発動するので
- ページビュー
- DOM Ready
- ウィンドウ読み込み
Viewイベントを送るタイミングを、カスタムHTMLのコンテンツ出し分けの後にします。
Step1: GAウェブテストの設定
これは適当です。 適当に目標を選択したり、適当に対象サイトのURLを2つ入れたりしてステップをすすめてください。以下のテストIDだけを取得できれば大丈夫です。テストも実施中にしちゃってください。
Step2: カスタムHTMLでコンテンツ出し分け
ココから後は、すべてGTMで行います。まずは、新規タグ作成で、カスタムHTMLを選択します。そして、以下のような内容を記載します。
<script src="//www.google-analytics.com/cx/api.js?experiment=ここにテストID"></script>
<script>
var chosenVariation = cxApi.chooseVariation();
var pageVariations = [
function() {
$('.target_btn').html('資料請求'); // ここはデフォルトで文言設定されている場合は、この1行は無しで構わない。分かりやすさのため記載してます。
},
function() {
$('.target_btn').html('無料で資料請求する');
}
];
$(document).ready(
pageVariations[chosenVariation]
);
</script>
これだけです。これで、ターゲットのボタン内の文言が変更するカスタムHTMLができました。もちろん、DOM操作をして、デザインを変えたりとかもできます。
カスタムHTMLのトリガーを用意する
(本当は、カスタムHTMLを書く前にトリガーを用意しておいたほうが楽な気がしますが、説明のしやすさのため.)
トリガー新規作成から進んで、以下のようにしてください。囲んであるので、わかると思いますが、[DOM Ready] にしておくのがポイントです。名前とか他項目は適当に適切にお願いします。
この「カスタムHTML用のトリガー」を上のカスタムHTMLタグのトリガーとして設定してください。これで、コンテンツ出し分け用カスタムHTMLタグの作成は完了です。
Step3: 変数を設定する
上で、カスタムHTMLが出来たので、あとはViewイベントとClickイベントを作成すれば済むのですが、そのイベントに仕込む変数を用意します。
変数の新規作成から進んで、ずばり以下のようにすればおわりです。CSSセレクタのサンプルとしては、
- クラス名が btn で、
- href が /request に先頭一致する
- a タグ
となる要素(ターゲットのボタン要素がこれのことです)を取得しています。これを変数として用意しておきます。
Step4: Clickイベントの作成
ポイントは、ラベルに上で用意した変数を使います。 {{contents_of_button}} これを使うことで、クリックイベントのラベルが、クリック時の文言に応じて
- 資料請求
- 無料で資料請求する
と切り替わってくれるので、幸せになります。
トリガーとかは適当に設定してください。
Step5: Viewイベントの作成
これで終わりになります。
まず、Viewイベント用のトリガーを以下のように作成します。こちらは、「ウィンドウ読み込み」にしておきます。
上のトリガーを用いて、Viewイベントようのタグを以下のように作成すれば、完了です。
以上で、すべてのステップが完了しました。
お疲れ様でした。
これで、ソースに手をいれることなく、GTMとGAを使うことでコンテンツレベルのABテストができました。個人的にはGAウェブテスト機能は特に使ってないので、それも使わずにやる方法を模索したいなぁと思っています。ありがとうございました!