はじめに
この記事では、インストール不要のポータブル版 VS Code をネットが使えない環境で使用するまでの手順を説明します。
ネット接続不可のサクラエディタでコーディングする現場で「どうにか VS Code を使えないか」と調べ始めたのがこの記事を書くきっかけです。
制限環境で困られている人の参考になれば幸いです。
目次
- オフライン環境に Visual Studio Code を入れる
- SSH 接続
- リモートサーバーへの拡張機能のインストール
オフライン環境に Visual Studio code を入れる
ポータブル版の VS Code と拡張機能のダウンロードからインストールまでを説明します。
初めに必要なファイルをダウンロードしておき、オフライン環境に移動してセットアップします。
拡張機能をインストールするには VSIX ファイルを使用します。 VSIX ファイルをダウンロードするには VS Code が必要です。
全体の流れ
- VS Code ポータブル版をダウンロードする
- VSIX ファイル(拡張機能)をダウンロードする
- ファイルをオフライン環境に移動する
- VS Code に拡張機能をインストールする
VS Code ポータブル版のダウンロード
VS Code のホームページの Download をクリックします。
Download ページの .zip をクリックします。
VSIX ファイルのダウンロード
VSIX ファイルは VS Code の拡張機能のページからダウンロードします。
拡張機能の項目を右クリックし「 VSIX のダウンロード」をクリックします。
VSIX ファイルのダウンロード URL
VSIX ファイルのダウンロード URL が必要な場合は、拡張機能のバージョン情報を取得して URL を作成します。(Visual Studio Code Marketplace から VSIX ファイルのダウンロードはできなくなりました。)
バージョン情報の取得
VS Code の拡張機能の項目を右クリックし「コピーする」をクリックするとバージョン情報が取得できます。
バージョン情報
名前: Japanese Language Pack for Visual Studio Code
ID: MS-CEINTL.vscode-language-pack-ja
説明: Language pack extension for Japanese
バージョン: 1.108.2026021109
パブリッシャー: Microsoft
VS Marketplace リンク: https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=MS-CEINTL.vscode-language-pack-ja
URL の作成
取得した バージョン情報 から URL を作ります。
URL の形式
https://marketplace.visualstudio.com/_apis/public/gallery/publishers/{出版社名}/vsextensions/{拡張機能名}/{バージョン}/vspackage
例)Japanese Language Pack for Visual Studio Code
https://marketplace.visualstudio.com/_apis/public/gallery/publishers/MS-CEINTL/vsextensions/vscode-language-pack-ja/1.108.2026021109/vspackage
URL を作るのが面倒な場合は参考サイトのツールを使用しましょう。
使用にはPythonのインストールが必要です。
参考サイト
ファイルをオフライン環境に移動する
各職場のルールに従って移動して下さい。
ファイルを展開してdataフォルダを作成する
ポータブル版の VS Code を正しく動作させるためには、展開したフォルダの直下に data フォルダを作成する必要があります。
VS Code は data フォルダに設定・拡張機能・キャッシュなどを保存します。
data フォルダが無い場合は、インストール版の設定や拡張機能を読み込んだり意図しない動作をします。
フォルダ構成
VSCode-win32-x64-1.109.2\
├─ Code.exe
├─ bin\
...
└─ data\ ← これを作成する
拡張機能のインストール
VS Code の拡張機能画面の「...」をクリックし「VSIX からインストール...」をクリックします。
CUI を使用したインストール
VS Code には CLI が用意されており、拡張機能の管理や設定の確認などをコマンドから実行できます。
VS Code 1.109.2 の場合、コマンドプログラムは VSCode-win32-x64-1.109.2\bin に格納されています。
# バージョン情報の確認
code --version
# 拡張機能の一覧表示
code --list-extensions
# 拡張機能のインストール(VSIX ファイル)
code --install-extension <ファイル名.vsix>
# 拡張機能の削除
code --uninstall-extension <拡張機能ID>
CLI を使用する際の注意
インストール版とポータブル版の VS Code を両方利用している場合、何も指定せずに code コマンドを実行すると、ポータブル版ではなく インストール版の VS Code(およびその拡張機能) が参照されます。
そのため、ポータブル版の拡張機能一覧や設定を扱いたい場合は、ポータブル版の code プログラムを明示的に指定する必要があります。
例)ディレクトリを指定して実行
C:\VSCode-win32-x64-1.109.2\bin\code.cmd --list-extensions
例)PATHを設定
$env:PATH="C:\VSCode-win32-x64-1.109.2\bin;$env:PATH"
code --list-extensions
参考サイト
SSH 接続
ポータブル版の VS Code で Linux サーバーに SSH 接続する方法を説明します。
SSH 接続には VS Code の CommitID に対応した vscode_cli_alpine と vscode-server という2つのモジュールをサーバに格納する必要があります。モジュールをダウンロードするには URL を自分で作る必要があります。
モジュールのダウンロード方法
モジュールをダウンロードするには、VS Code の CommitID を調べて URL を作りダウンロードします。(ダウンロードリンクはありません。)
VS Code の CommitID を調べる
VS Code のヘルプのバージョン情報をクリックします。
コピーするをクリックすると CommitID が取得できます。
バージョン情報
バージョン: 1.109.2
コミット: 591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31
日付: 2026-02-10T20:18:23.520Z
Electron: 39.3.0
ElectronBuildId: 13168319
Chromium: 142.0.7444.265
Node.js: 22.21.1
V8: 14.2.231.22-electron.0
OS: Windows_NT x64 10.0.26200
URL を作る
取得した CommitID から URL を作ります。
vscode_cli_alpine のダウンロード
URL の書式
https://update.code.visualstudio.com/commit:"CommitID"/cli-alpine-x64/stable
例) CommitID: 591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31
https://update.code.visualstudio.com/commit:591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31/cli-alpine-x64/stable
作成した URL をブラウザに入力すると vscode_cli_alpine_x64_cli.tar.gz がダウンロードされます。
vscode-server のダウンロード
URL の書式
https://update.code.visualstudio.com/commit:"CommitID"/server-linux-x64/stable
例) CommitID: 591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31
https://update.code.visualstudio.com/commit:591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31/server-linux-x64/stable
作成した URL をブラウザに入力すると vscode-server-linux-x64.tar.gz がダウンロードされます。
サーバーにモジュールを格納する手順
ダウンロードしたファイルはC:\tmpに格納しています。
サーバのIPアドレスは192.168.56.102、ユーザーはuser1です。
(1)SCP コマンドでファイルをサーバーに転送する
scp C:\tmp\vscode_cli_alpine_x64_cli.tar.gz user1@192.168.56.102:/home/user1/
scp C:\tmp\vscode-server-linux-x64.tar.gz user1@192.168.56.102:/home/user1/
(2)ssh接続する
ssh user1@192.168.56.102
(3)ファイルを展開する
# Commit ID を変数に代入(ご使用の VS Code の Commit ID に書き換えてください)
COMMITID="591199df409fbf59b4b52d5ad4ee0470152a9b31"
# 格納用フォルダを作成
mkdir -p ~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"
# vscode_cli_alpine_x64_cli.tar.gzの展開
tar zxvf ~/vscode_cli_alpine_x64_cli.tar.gz -C ~/.vscode-server --no-same-owner
# ファイル名の変更
mv ~/.vscode-server/code ~/.vscode-server/code-"${COMMITID}"
# vscode-server-linux-x64.tar.gzの展開
tar zxvf ~/vscode-server-linux-x64.tar.gz -C ~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}" --no-same-owner
# ファイル名の変更
mv ~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/vscode-server-linux-x64 ~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server
参考サイト
リモートサーバーに接続
JavaScript Debugger Companion Extension
接続時に VS Code の拡張機能の欄に JavaScript Debugger Companion Extension が出て接続が出来ない場合は拡張機能を サーバーにインストールします。
インストール手順
(1)JavaScript Debugger Companion Extension の拡張機能をダウンロードする。
https://marketplace.visualstudio.com/_apis/public/gallery/publishers/ms-vscode/vsextensions/js-debug-companion/1.1.3/vspackage
(2)vsixディレクトリの作成
mkdir -p ~/.vscode-server/vsix
(3)SCP コマンドでファイルをサーバーに転送する
scp D:\soft\vscode\vsix\ms-vscode.js-debug-companion-1.1.3.vsix user1@192.168.56.103:/home/user1/.vscode-server/vsix
(4)インストール
~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server/bin/code-server --install-extension ~/.vscode-server/vsix/ms-vscode.js-debug-companion-1.1.3.vsix
リモートサーバーへの拡張機能のインストール
SSH 接続をしてサーバーでコーディングなどの作業をする場合には、サーバーに VS Code の拡張機能をインストールする必要があります。
ここでは、拡張機能の Perl Navigatorをサーバーにインストールする方法を説明します。
サーバーへのインストール
・Perl Navigator のファイルは bscan.perlnavigator-0.8.19.vsi です。
・ファイルはC:\tmpに格納しています
・サーバのIPアドレスは192.168.56.102、ユーザーはuser1です
・Linuxの VS Code CLI は 「 ~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server/bin 」に格納されています。
(1)VSIX ファイルを格納するディレクトリ作成する
.vscode-serverディレクトリにvsixフォルダを作成します。
mkdir /home/user1/.vscode-server/vsix
(2)SCP コマンドでファイルをサーバーに転送する
scp C:\tmp\bscan.perlnavigator-0.8.19.vsix user1@192.168.56.102:/home/user1/.vscode-server/vsix
(3)拡張機能のインストール
~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server/bin/code-server --install-extension ~/.vscode-server/vsix/bscan.perlnavigator-0.8.19.vsix
(4)拡張機能の一覧表示
~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server/bin/code-server --list-extensions
(5)拡張機能の削除
~/.vscode-server/cli/servers/Stable-"${COMMITID}"/server/bin/code-server --uninstall-extension <拡張機能ID>
参考サイト






