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MCP根本理解のロードマップ【やってみた系からの脱却】

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はじめに

MCP(Model Context Protocol)に関する記事やチュートリアルは数多く存在しますが、「とりあえず動かしてみた」系の記事が多く、MCPの本質的な理解や将来性について体系的に学べる情報は皆無な気がしていたので、まとめてみました。開発環境としてのMCPならばローカルでもいいですが、サービスとして外部に出していくならばリモート前提になると思うので、認証認可付きのリモートMCP実装なども紹介していきます。

MCPのロードマップから見た未来感・リモートMCPが広がった未来感等を踏まえて、理解のためのロードマップの一例になればと思います。

対象読者

  • MCPの基本的な実装は試したことがあるが、より深く理解したい方
  • MCPの将来性や市場への影響を理解したい開発者・エンジニア
  • 「やってみた」レベルから脱却して、実践的にMCPを活用したい方

MCPの前置き

MCPは何がうれしいのか

MCPの価値は単純な工数削減にとどまりません。以下の3つの観点から整理できます。

1. 開発者体験の向上

  • 統一されたプロトコルによる学習コストの削減
  • 既存ツールの再利用性向上
  • 複数のLLMプラットフォーム間での互換性

2. エコシステムの拡大

  • 標準化によるツール開発の促進
  • サードパーティ製品との連携強化
  • 企業間でのMCPツール共有

3. 将来の拡張性

  • 動的ツール発見・接続の基盤
  • AIエージェント間の協調動作
  • レジストリベースのツール管理

ユースケースは何か?

現在のMCPユースケースから将来的な可能性まで、段階的に整理します。

現在のユースケース

  • 開発環境でのツール統合(IDE、エディター)
  • 社内システムとの連携(データベース、API)
  • ワークフロー自動化

将来のユースケース

  • 動的ツール発見による自動化
  • エージェント間協調
  • マルチモーダル対応

リモートMCPが普及するとどういう世界観になるのか

リモートMCPの普及により、以下のような世界観が実現されると考えられます。

1. ツールのクラウド化

  • ローカル環境に依存しないツール利用
  • セキュアなリモートアクセス
  • スケーラブルなツール提供

2. エコシステムの形成

  • MCPレジストリによるツール発見
  • 企業間でのツール共有
  • サービス化されたMCPツール

3. 新しいビジネスモデル

  • MCP-as-a-Service
  • ツールのサブスクリプション化
  • 利用量ベースの課金モデル

本題のロードマップ

公式ドキュメントによる体系的学習

とにもかくにも、まずは公式ドキュメント。全体感と今後の市場の動きを見るための基礎知識になるので、苦行ですが読めると面白いです。

Explore MCPで構成要素を一つずつ、ソースコード単位で見ていけるとよりいいかと思います。

image.png

最新プロトコル仕様

3/26更新のMCPプロトコル詳細:

image.png

最新の仕様を把握することで、今後の開発方向性を理解できます。

MCPの将来図の把握

image.png

Anthropicの公式ロードマップから、MCPの将来性を把握できます。

MCPサーバー実装例:

readmeなんかを見ていくと、それぞれの実装が見れます。
ただ、ほぼほぼローカルでしか動かないので、似たりけったりですが、初めにトレースするならおすすめです!
image.png

技術解説動画

MCPの技術解説と今後の動きの解説:

公式による詳細な技術解説で、より深い理解が得られます。後半にはMCPが見据える公式レジストリやComputer UseはMCPの補完であるというような重要なメッセージがちらほらあります。
image.png

Cloudflare基盤のリモートMCP

cloudflare基盤のリモートMCPや認証について:

プロトコルの先行実装をしているのがCloudflareで、簡単に実装したいなら、Cloudflareのフレームに乗せるのがおすすめです。

Cloudflareのフレームに乗せることで簡単にMCPサーバーをデプロイして、リモートMCPを実現できます。一番最初にリモートMCP対応したPayPalなんかも、Cloudflareの基盤ぽいです。認証も簡単につけられ、実装例も多いので現状リモートMCPはCloudflare一択だと思っています。

Azure Remote MCP

Azure remote MCP(APIキー認証):

azure functionsがMCPサーバーとしてワンコマンドで立ち上がるため、一瞬でリモートMCPが実現できる。認証についてはAPIキーで制御。ただ、ローカルでテストしてもデプロイするとなぜかツールとして検知されない、記法が独特すぎるというので、かなり使い勝手は悪いです。

Azure remote MCP(APIゲートウェイ認証):

APIM(AzureでのAPIゲートウェイ)が自動で立って、MCPサーバー側の手前の段階でのEntra認証を実施することができます。Entra以外の認証を設定するのは苦行です。カスタマイズ性が低いので、認証をEntra以外でつけるのなら、Cloudflareをお勧めします。

まとめ

リモートMCPは今後サービスの競争原理になっていくと考えているので、ホスティング環境の使い勝手を見つつ、認証認可の実装方法も学んでいけるといいと思っています。なぜリモートMCPが競争原理になるのか?については、以下で書いております。

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