概要
EC2インスタンスを初めて作成したので、簡単にではありますが、作成手順をまとめました。
少しでもご参考になれば幸いです。
目次
- EC2とは
- EC2インスタンスを作成する
- AMIの選択
- インスタンスタイプの選択
- キーペアの作成
- セキュリティグループの設定
- ストレージの選択
- タグの設定
- 注意点とおすすめ設定
- インスタンスの起動
EC2とは
EC2は、Amazon Elastic Compute Cloud の略で、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。
簡単にいうと、インターネット上で使えるレンタルサーバーを柔軟に提供してくれる仕組みです。
【特徴】
・Elastic(弾力性)
必要に応じてサーバーの台数や性能を自由に増減できます。
・Compute(計算能力)
Webアプリやデータ処理、機械学習などを動かす計算資源を提供します。
・Cloud(クラウド)
物理サーバーを購入・設置しなくても、インターネット経由で利用できます。
【料金】
・従量課金制(使った分だけ支払う)
・AWSアカウント作成後 12カ月間は無料利用枠 があります(対象は一部OSやインスタンスタイプのみ)。
・無料利用枠では t2.micro または t3.micro、30GBのEBSボリューム などが対象です。
EC2インスタンスとは
EC2インスタンスとは、EC2上で起動している仮想サーバーの1台分のことを指します。
EC2というサービス自体が「クラウド上で仮想サーバーを提供する仕組み」ですが、その中で実際に動く個々のサーバーが「インスタンス」です。
EC2インスタンスを作成する
まず、AWSにサインインします。
画面上部の検索バーで「EC2」と検索し、以下の画面が表示されたら、画面左側にある「インスタンス」をクリックします。
画面右上にあるオレンジ色の「インスタンスを起動」ボタンをクリックします。
AMIの選択
AMIはOSやミドルウェアがインストールされたサーバーのテンプレートです。
無料利用枠を使う場合は、 「無料利用枠対象」 と表示されたAMIを選びましょう。
よく使われるのは Amazon Linux 2023 または Ubuntu です。
インスタンスタイプの選択
サーバーの性能を決めるインスタンスタイプを選びます。
(無料利用枠対象:t2.micro または t3.micro)
それ以上の性能が必要な場合は有料プランを選択します。
インスタンスタイプの種類と特徴をまとめました。
カテゴリ | 主なインスタンスファミリー | 特徴 | 無料利用枠対象か |
---|---|---|---|
汎用 (General Purpose) | Mファミリー、Tファミリー、A、Mac | バランス型。Tはバースト性能+低コスト | 一部(t2.micro, t3.micro) |
演算最適化 (Compute Optimized) | Cファミリー | 高性能CPU向け、計算集約ワークロードに強い | なし |
メモリ最適化 (Memory Optimized) | Rファミリー、X1/X1e | 大規模メモリ処理向け | なし |
ストレージ最適化 (Storage Optimized) | D、H、I 系ファミリー | 大容量・高速ストレージ重視の用途向け | なし |
アクセラレーテッドコンピューティング | F、G、P、GPU/FPGA系ファミリー | GPU/FPGA等による高速処理(ML、メディアなど) | なし |
キーペアの作成
SSHで安全にログインするためにキーペアを作成します。
①「新しいキーペアの作成」を選択
②キーペア名 を入力(例:test_key)
③「PEM形式」を選択してダウンロード(Linux/Mac向け)
PPK形式 はWindowsのPuTTY用
※ダウンロードしたキーファイルは二度と取得できないので、大切に保管してください。
セキュリティグループの設定
セキュリティグループは、インスタンスへの通信を制御するファイアウォールです。
【例】
SSH (22):自分のIPアドレスからのみ許可(公開は危険)
HTTP (80), HTTPS (443):Webサーバーを公開する場合に追加
※ 0.0.0.0/0でSSHを許可するのはセキュリティ的にNG なので注意が必要です。
新たなセキュリティグループルールを作成する時は、右上の「編集」をクリックした後、「セキュリティグループルールを追加」をクリックします。
ストレージの選択
ストレージを選択します。
無料枠は、30GB以内のgp2/gp3 EBSボリュームを選択しましょう。
サーバーの用途に応じて後から容量を変更できます。
タグの設定
タグは、AWSリソースを管理しやすくするためのラベルです。
課金は発生しません。
【例】
キー:Key_Name
値:Server
※「Name」タグは、AWSコンソールでリソース名として表示されるため、つけておくと管理が楽です。
インスタンスの起動
オレンジ色の「インスタンスの起動」ボタンをクリックします。
以下のような画面が表示されたら、EC2インスタンスの作成に成功しています。
起動が完了したら、インスタンスIDをクリックして詳細を確認 できます。
注意点とおすすめ設定
・無料枠で使うなら請求アラートを設定すること
→ 750時間/月を超えると課金されます(インスタンスを起動しっぱなしだと課金されるので注意)。
・使わないときは必ずインスタンスを「停止」または「終了」する
・セキュリティグループは最小権限で設定すること
まとめ
・EC2は柔軟な仮想サーバーを提供するAWSの基本サービス
・無料枠を活用するなら AMIとインスタンスタイプに注意する
・セキュリティ設定(SSHの公開制限)と請求管理(アラート設定)は必須
次回は、EC2からWebアプリを公開する方法 についてまとめる予定です。
初めてEC2を利用する方の参考になれば幸いです。