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kintoneでFAX受信箱をつくろう(サーバーレス編)

Last updated at Posted at 2020-03-10

2023年5月1日を持ちまして、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズのTwilioリセール事業が終了したため、本記事に記載されている内容は正確ではないことを予めご了承ください。

kintoneでFAX受信箱をつくろう(サーバーレス編)

はじめに

みなさん、こんにちは。
KDDIウェブコミュニケーションズのTwilio事業部エバンジェリストの高橋です。

以前、以下のような記事を書いたのですが(2,000以上のViewがあってびっくり)、これだとpythonのプログラムを用意しなくてはいけなくて、ちょっとハードルが高いです。
kintoneでFAX受信箱をつくろう

そこで今回は、Twilioのサーバーレス環境であるTwilio Functionsを使って、別にサーバーなどを用意しなくてもTwilioとkintoneだけでFAX受信をするしくみを作りたいと思います。

スクリーンショット 2017-08-21 15.33.35.png

FAXには、Twilio FAXを利用します。Twilio FAXでは、050番号を使ったFAXの送受信をプログラムで制御可能なため、今回のように受信したFAXを自動的にkintoneに保存するようなソリューションでも活躍します。

準備

以下の環境が必要です。

  • Twilioアカウント(アカウントの作成方法→こちら
  • 着信用電話番号(Twilioで購入した050番号)
  • kintoneアカウント
  • Twilio CLI(インストール方法→こちら
  • Serverless Plugin(インストール方法→こちら

インストール

git clone https://github.com/mobilebiz/fax2kintone-function.git
cd fax2kintone-function
npm install
cp .env.sample .env
cp assets/twiml.sample.xml assets/twiml.xml

kintoneアプリの準備

assetsディレクトリの中に、FAX-APP.zipというテンプレートアプリがあるので、それをkintoneに読み込みます。
テンプレートアプリの読み込み方法については、こちらをご覧ください。

アプリが読み込めたら、次にAPIトークンを生成してください。今回使うAPIトークンでは、レコード閲覧の他に、レコード追加の権限が必要になりますので、チェックを入れておきます。
APIトークンの生成方法は、こちらを参考にしてください。なお、作成したAPIトークンはメモ帳などに保存しておいてください。

今回のアプリには以下の3つのフィールドが定義されています(フィールドコードは変更しないでください)。

フィールド名 フィールドコード 説明
受信日時 receivedDate FAXが格納された日時が自動的に設定されます
発信番号 from_ 発信者の電話番号がE.164形式で保存されます
添付ファイル pdf 受信したFAXデータがPDF形式で保存されます

.envファイルの編集

エディタで.envファイルを開き、以下の項目を編集します。
【注意】先頭の2行(ACCOUNT_SIDとAUTH_TOKEN)は編集しないようにしてください。

項目名 設定内容
MASTER_ACCOUNT_SID ACから始まるTwilioのAccountSid
KINTONE_DOMAIN ご自分のkintoneのサブドメイン名(xxxxx.cybozu.comのxxxxxの部分)
KINTONE_APP_ID 作成したkintoneのアプリID(アプリIDは、URLから判別可能です。https://(サブドメイン名).cybozu.com/k/(アプリのID)/)
KINTONE_API_TOKEN 先程控えておいたAPIトークン

ローカルテスト

以下のコマンドでローカル実行します。

npm start
(中略)
┌────────────────────────────────────────────────────────────────────────┐
│                                                                        │
│   Twilio functions available:                                          │
│   ├── [protected] /del-faxes | http://localhost:3000/del-faxes         │
│   └── [protected] /save2kintone | http://localhost:3000/save2kintone   │
│                                                                        │
│   Twilio assets available:                                             │
│   ├── /FAX-APP.zip | http://localhost:3000/FAX-APP.zip                 │
│   ├── /fax-sample.pdf | http://localhost:3000/fax-sample.pdf           │
│   ├── /twiml.sample.xml | http://localhost:3000/twiml.sample.xml       │
│   └── /twiml.xml | http://localhost:3000/twiml.xml                     │
│                                                                        │
└────────────────────────────────────────────────────────────────────────┘

上記のようにローカル起動が成功したら、以下のURLをブラウザで開きます。

http://localhost:3000/save2kintone?FaxStatus=received

画面上にOKと表示されて、kintoneアプリ側には1件データが登録されていれば成功です。
ローカル実行を終了するには、Ctrl-Cを押します。

サーバーにデプロイ

以下のコマンドでサーバーにデプロイします。

twilio serverless:deploy

(中略)

✔ Serverless project successfully deployed

Deployment Details
Domain: fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io
Service:
   fax2kintone-function (ZSxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx)
Environment:
   dev (ZExxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx) 
Build SID:
   ZBxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
View Live Logs:
   https://www.twilio.com/console/assets/api/ZSxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx/environment/ZExxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
Functions:
   [protected] https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/del-faxes
   [protected] https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/save2kintone
Assets:
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/FAX-APP.zip
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/fax-sample.pdf
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/twiml.sample.xml
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/twiml.xml

表示された結果の中の、Functions項目にあるsave2kintoneへのリンクURLをメモ帳に保存してください。

assets/twiml.xmlの編集

エディタでassets/twiml.xmlを開きます。

3行目に書かれているaction=で指定しているURLを上でメモしたリンクURLに書き換えます(シングルクォーテーションを削除しないように気をつけてください)。
編集が完了したら、上書き保存します。

再度デプロイ

twiml.xmlを編集したので、もう一度以下のコマンドでデプロイします。

twilio serverless:deploy

(中略)

Functions:
   [protected] https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/del-faxes
   [protected] https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/save2kintone
Assets:
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/FAX-APP.zip
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/fax-sample.pdf
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/twiml.sample.xml
   https://fax2kintone-function-XXXX-dev.twil.io/twiml.xml

デプロイが完了したら、最後に表示されたtwiml.xmlへのリンクURLをメモ帳に保存してください。

電話番号の設定

Twilioの管理コンソールにログインします。

  • スライドメニューからPhone Numbersを選択し、番号の管理 > アクティブな電話番号を選択します。
  • 購入済みの電話番号の一覧から、今回FAX着信に利用する電話番号を選択して設定画面を開きます(電話番号がリンクになっています)。
  • Voice & Faxセクションの中の、ACCESPT INCOMINGを、Faxesに変更します。
  • A FAX COMES INのプルダウンをWebhookにし、その右側の欄に先程メモしたtwiml.xmlのリンクURLを記載します。さらに右側のプルダウンからHTTP GETを選択します。
  • Saveボタンを押します。

テスト

以上ですべての設定が完了です。
設定した電話番号にFAXを送信してみて、kintoneに格納されることを確認してください。

補足

上記説明にはないのですが、FunctionsフォルダにはTwilio上のFAXリソースを削除するプログラム(del-faxes.protected.js)が入っています。Protectedなので、外部からは起動できませんが、ローカル実行時はhttp://localhost:3000/del-faxesで実行することができます。
特に使う必要はありませんが、使う場合は送信中のFAXを含めてTwilio上のFAXリソースがすべて削除されるので注意してください。

まとめ

Pythonプログラムが要らないとはいえ、CLIの準備とかそれなりにハードルが高かったかもしれませんね。
ただ、Twilio CLIとTwilio Functions(とくにServerless Plugin)は、開発に慣れている方であれば、ほとんどのことがコマンドベースで実行できるので、いっぱい触ってぜひ慣れてください。


Twilio(トゥイリオ)とは

https://cloudapi.kddi-web.com
Twilioは音声通話、メッセージング(SMS/チャット)、ビデオなどの 様々なコミュニケーション手段をアプリケーションやビジネスへ容易に組み込むことのできるクラウドAPIサービスです。初期費用不要な従量課金制で、各種開発言語に対応しているため、多くのハッカソンイベントやスタートアップなどにも、ご利用いただいております。

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