はじめに
Exadata Fleet UpdateはOCI上の複数DBをまとめて更新できる運用向け機能です。
これまでは主にExadata Database Service on Dedicated Infrastructure(ExaDB-D)向けの機能でしたが、今回Exadata Database Service on Exascale Infrastructure(ExaDB-XS)にも対応しました。
今回は実際にExaDB-XS環境を用意して、RU適用を試してみたいと思います。
本記事ではコレクションの作成からメンテナンス・サイクルを利用したRU適用まで、一連の流れを確認していきます。
今回はRUが混在した複数DB Homeを対象に、Exadata Fleet Updateで一括更新を実施しています。
- Exadata Fleet Updateの概要はこちら
Exadata Fleet Update
- 今回試す新機能の詳細はこちら
Exadataフリート更新の新機能「ExaDB-XSに対する Grid Infrastructure (GI)およびDatabase Software Fleet Updateのサポート」
検証環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| インフラ | ExaDB-XS |
| VM Clusters数 | 1 |
| 更新するDB Home数 | 3 |
| DBバージョン | 26ai |
| 既存RU | 23.9.0.25.7 / 23.26.0.0.0 |
| 適用RU | 23.26.2.0.0 |
| 適用方式 | Exadata Fleet Update |
OCIのコンソールから見るとこんな構成です。
では、環境準備が整ったので、検証に入っていきたいと思います。
Exadata Fleet Updateでできること
Exadata Fleet UpdateはOCI上の複数DBをまとめて更新できる無償ツールです。Exadata Fleet Updateを利用すると以下のようなことができます。
- DBやGIの更新を、まとめて実行・管理
- 更新前チェックや適用作業を段階的に実施
- メンテナンスサイクルを使って定期的な更新実行
- 複数のDBやVM Clusterをまとめて管理
コレクション作成
最初にコレクションを作成します。コレクションは、まとめて更新対象にするDBをグループ化するための機能です。
複数DBを1つのグループとして指定し、適用方法やスケジュールを事前定義していきます。
新規コレクションを作成するにはExadata Fleet Update>Collectionsから「コレクションの作成」をクリックします。

「コレクションの作成」ウィンドウで必要項目を入力していきます。今回の検証環境ではOracle AI Databaseに対して更新をかけていきたいので「データベースソフトウェアの更新」を選択しました。
入力項目の「クラウド・サービス」のドロップダウン・メニューを確認すると、Exadata Fleet Updateで更新できるデータベース・サービスの一覧が表示されます。
今回のアップデートで、ここにExaDB-XSが追加されたのが新機能になります。
その他、具体的な入力項目は以下です。
- コレクション名(任意)
- コンパートメント(任意)
- コレクションタイプ:どのコンポーネントの更新を実施するか(今回はデータベースソフトウェア)
- クラウド・サービス:どのデータベース・サービスの更新を実施するか(今回はExaDB-XS)
- 現在のメジャー・バージョン:Oracle AI Databaseのバージョン(今回は26ai)
- 検索条件:上記の情報をもとに更新を適用できるOracle AI Databaseが自動検索、表示されるので、更新したいDBを複数選択します(今回はCDB1/CDB2/CDB3)
- アクティブなメンテナンス・サイクル:利用可能なメンテナンス・サイクルが自動検索・表示されるので、利用したいメンテナンス・サイクルを指定します。(今回は新規作成)
コレクションが正常に作成され、ターゲットとしてDBが登録されるとこの状態になります。
メンテナンス・サイクルの作成
続いて、メンテナンス・サイクルの作成をします。メンテナンス・サイクルは、RU適用時の実行計画をまとめて管理するための設定です。
メンテナンス・サイクルを新規作成するにはコレクションの「メンテナンス・サイクル」タブを開き、「メンテナンス・サイクルの作成」から実施します。
「メンテナンス・サイクルの作成」ウィンドウで必要項目を入力していきます。
具体的な入力項目は以下です。
- メンテナンス・サイクル名(任意)
- ターゲット・データベース・イメージ:適用するデータベース・バージョンを指定(今回は23.26.2.0.0)
- データベース・ホーム:DB Homeを新規作成するか、既存のDB Homeを利用するか、選択します(今回は新規作成)
- データベース・ホームの表示名接頭辞:任意でDB Homeの表示名に対して接頭辞をつけることができます(今回はdbhome_newと入力)
- メンテナンス方法:ローリング、ステージングの開始時間、更新開始時間を指定
- インシデント・ログとトレース収集:メンテナンスに関するログ収集方針を指定
- データベースの起動/停止オプション:要件に応じてドレインタイムを指定
- ソフトウェア更新オプション:更新時の挙動についての指定
今回は主要な項目以外、全てデフォルトのままでの設定で実施しています。
事前チェック
ここまでで事前準備は整ったので、実際に適用していきたいと思います。Exadata Fleet Updateは環境条件の事前チェックから本番適用まで全てコンソール上から操作できます。
事前チェックを実施するにはメンテナンスサイクル > アクション > 事前チェックから実施します。
処理の進捗やエラーメッセージはジョブや作業リクエストから随時確認できます。
事前チェックが正常に完了すると再びステータスが「アクティブ」に戻ります。
ステージング
続いてステージングを実施していきます。ステージングでは、更新用のDB Home作成やソフトウェア配置が実施されます。
ステージングを実施するにはメンテナンスサイクル > アクション > ステージングから実施できます
事前チェックと同様、処理の進捗やエラーメッセージはジョブや作業リクエストから随時確認できます。
ステージングが正常に完了すると再びステータスが「アクティブ」に戻ります。
更新の適用
続いて更新の適用を実施していきます。本番のRU適用が実施されます。
更新の適用を実施するにはメンテナンスサイクル > アクション > 更新の適用から実施できます
更新の適用が正常に完了すると再びステータスが「アクティブ」に戻ります。
最終確認
適用が完了すると全てのジョブが「成功」と表示されます
ExaDB-XSの管理画面を見に行くと指定した全てのデータベースが23.26.2.00になっていることが確認できます。
さらに、更新によりDB HomeがExadata Fleet Updateにより新規作成され、更新対象であった全てのDBが新規DB Homeに移動されていることがわかります。
まとめ
Exadata Fleet Updateを使うことで、ExaDB-XS環境でも複数DBのRU適用を一括管理できることを確認できました。
特に個人的な感想としては、
- UIベースで操作できるため、複数DBの更新管理がかなり楽
- 事前チェック / ステージ / 本番適用 を分けられるので、メンテ時間の調整もしやすそう
- ジョブや作業リクエストから進捗やエラーを確認しやすい
- DB Homeを新規作成して比較的安全に切り替えできる
という点で、複数DBを運用する環境ではかなり便利そうに感じました。
ExaDB-XSでもFleet Updateが利用できるようになったことで、今後はExascale環境でもより統一的にRU運用を行いやすくなりそうです。
参考
- Exadata Fleet Update技術ドキュメント
- チュートリアル「Exadata Fleet Updateを使用したExascaleインフラストラクチャ・フリート上のExadata Database ServiceのGrid Infrastructure (GI)およびデータベース・ソフトウェアの更新」
- オラクル通信ブログ「Exadata Database Service on Exascale InfrastructureでExadata Fleet Updateのサポートを発表」











