はじめに
基本設計は、システム開発プロジェクトにおいて重要な役割を果たします。要件定義を具体化し、開発フェーズにスムーズに移行するための「設計図」を作成するプロセスです。本記事では、基本設計の詳細な内容や具体例を紹介し、実践的なスキルを身につけるためのヒントを提供します。
基本設計とは何か?
基本設計は、要件定義書を基に以下を具体化します。
-
機能要件の具体化
- どのような機能が必要か。
- 各機能の詳細な動作仕様。
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非機能要件の落とし込み
- パフォーマンス要件(応答時間、同時接続数など)。
- セキュリティ要件(暗号化、認証方式など)。
- 運用要件(障害対応、ログ管理など)。
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設計の各種観点
- 画面設計: UI/UXの詳細設計。
- データ設計: データベース構造やデータフロー。
- 業務フロー設計: 業務プロセスを考慮した機能連携。
- インターフェース設計: 他システムとのデータ連携やAPI仕様。
これらを文書化することで、開発チームと関係者間の認識を合わせ、品質向上とリスク軽減を図ります。
基本設計の主なドキュメントと内容
以下は、基本設計で作成される主なドキュメントの詳細です。
1. 機能一覧表
機能一覧表では、システムで実現すべき機能を一覧化し、優先順位や関連情報を整理します。
| 機能ID | 機能名 | 概要 | 優先度 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| F001 | ユーザー登録 | 新規ユーザーの登録機能 | 高 | 必須 |
| F002 | ログイン機能 | ユーザー認証機能 | 高 | セキュリティ重視 |
| F003 | タスク追加 | ToDoのタスクを追加する機能 | 中 | データベース必要 |
2. 画面設計書
画面設計書では、各画面のレイアウトや画面遷移を定義します。
ログイン画面例
- 目的: ユーザー認証を行う画面。
-
レイアウト:
- 入力フィールド:
- メールアドレス(テキストフィールド)
- パスワード(パスワードフィールド)
- ボタン: ログイン、パスワードを忘れた方はこちら。
- 入力フィールド:
-
エラー表示:
- 未入力時: 「メールアドレスを入力してください」
- 認証失敗時: 「メールアドレスまたはパスワードが正しくありません」
3. データ設計書
データ設計書は、データベースの構造やデータ間の関係性を定義します。
ユーザーテーブル例
| カラム名 | 型 | 制約 | 備考 |
|---|---|---|---|
| user_id | INT | PRIMARY KEY | ユーザーID |
| VARCHAR(255) | UNIQUE | メールアドレス | |
| password_hash | VARCHAR(255) | NOT NULL | ハッシュ化されたパスワード |
| created_at | DATETIME | DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP | 作成日時 |
ER図
ユーザーとタスクの関係を以下のように設計します。
- ユーザーは複数のタスクを持つ(一対多)。
4. 業務フロー図
業務プロセスを図解して、システムの流れを整理します。
タスク管理フロー
- ユーザーがログイン。
- タスクを追加、編集、削除。
- 完了したタスクは「完了済み」として表示。
- 必要に応じてタスクをアーカイブ。
5. インターフェース設計書
外部システムとの連携に必要なAPIやプロトコルを定義します。
例: タスク取得API
-
エンドポイント:
/api/tasks -
メソッド:
GET -
リクエスト例:
{ "user_id": 12345 } -
レスポンス例:
{ "tasks": [ { "id": 1, "title": "買い物", "status": "未完了" }, { "id": 2, "title": "会議資料作成", "status": "完了" } ] }
基本設計での注意点
-
関係者との認識合わせ
- 仕様の曖昧さを防ぐため、定期的にレビューを行う。
-
セキュリティ要件を忘れない
- 特にログインやデータ連携時のセキュリティ対策を徹底。
-
将来の拡張性を考慮
- 機能追加や仕様変更に柔軟に対応できる設計を目指す。
-
ドキュメントの一貫性
- 同じ用語やフォーマットを使用し、読みやすさを確保。
おわりに
基本設計はシステム開発の「基礎工事」に例えられる重要な作業です。この記事を参考に、自分のプロジェクトに合わせた基本設計を作成し、プロジェクトを成功に導きましょう。
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