はじめに
こんにちは!今回はエンジニアリングマネージャー(以下、EM)のスキル評価基準について、私の経験を基にした分析を共有します。この基準を使うことで、自分のスキルを整理したり、チームの成長をサポートする指針に役立てられると思います。さらに、自分自身を評価した実例も載せていますので、ぜひ参考にしてください!
なぜEMのスキル評価が重要か?
EMは、技術と人材管理を統合する重要な役割を担っています。そのため、以下の観点でスキル評価が重要です:
- 自己成長の道筋を明確にする
- チームや組織への貢献度を把握する
- 成長ポイントを特定し、次の行動を計画する
そこで私は、以下の5つのカテゴリでスキルを評価する基準を作成しました。
5つの評価カテゴリにした理由
スキル評価を5つのカテゴリに分けた理由は、次の通りです:
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バランスの取れた評価を実現するため
- 技術、チーム管理、組織への貢献など、多様なスキルを総合的に評価する必要があります。
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シンプルで分かりやすい分類
- カテゴリが多すぎると管理が煩雑になり、逆に少なすぎると評価が曖昧になります。5つは適度な数です。
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成長の方向性が明確になるため
- 各カテゴリで強みと課題を把握しやすく、具体的なアクションに繋げやすい構成になっています。
各カテゴリの説明
1. チームマネジメント
- 概要: チームメンバーのパフォーマンスや成長を管理し、効果的にサポートするスキル。
- 重要性: チーム全体の成果を最大化するための基盤となります。
- 具体例: 1on1の実施、目標設定、フィードバック。
2. 技術的リーダーシップ
- 概要: 技術選定や品質管理、チームの技術力向上を主導するスキル。
- 重要性: プロダクトの技術的成功に直接影響します。
- 具体例: コードレビューの改善、トレーニングの提供、技術的意思決定。
3. プロジェクト管理
- 概要: スケジュールやリソースの管理、プロジェクトの進捗を円滑に進めるスキル。
- 重要性: 遅延やリスクを最小限に抑え、目標を達成するために必要です。
- 具体例: スケジュール調整、リスク分析、リスケジュール。
4. 組織貢献
- 概要: 組織全体の成長や文化の醸成に寄与するスキル。
- 重要性: チームや組織全体の活力を高める役割を果たします。
- 具体例: 採用活動への参加、部門間連携の改善、イベント企画。
5. 戦略的視野
- 概要: 中長期的な計画を策定し、組織のビジョンに貢献するスキル。
- 重要性: 組織の持続的成長を支えるために必要です。
- 具体例: ロードマップの作成、チーム拡大計画、課題解決の主導。
5つの評価カテゴリと質問例
1. チームマネジメント
- 現在のチームメンバー数は? 例: 8人
- 1on1の実施頻度は? 例: 週1回
- パフォーマンス改善計画を作成した経験は? 例: はい / いいえ
2. 技術的リーダーシップ
- 技術選定をリードした経験は? 例: はい / いいえ
- コードレビューのプロセス整備は? 例: はい / いいえ
- 技術格差を埋めるためのトレーニング実施経験は? 例: はい / いいえ
3. プロジェクト管理
- 同時に管理しているプロジェクト数は? 例: 2件
- 遅延時のリスケジュール経験は? 例: はい / いいえ
- リスク分析シートの利用は? 例: はい / いいえ / 部分的に
4. 組織貢献
- 採用面接に参加した経験は? 例: はい / いいえ
- 部門間の連携改善取り組みは? 例: はい / いいえ
- チーム文化醸成の企画運営経験は? 例: はい / いいえ
5. 戦略的視野
- 3か月以上のロードマップ策定経験は? 例: はい / いいえ
- チーム拡大計画の立案経験は? 例: はい / いいえ
- 組織スケールに伴う課題解決を主導した経験は? 例: はい / いいえ
評価ロジック
評価をつける際には、以下のロジックに従ってスコアリングを行います。
1. スコアリング方法
- 各質問に対して「はい / いいえ」で回答します。
- はい: 1ポイント
- いいえ: 0ポイント
- 各カテゴリの質問に回答した後、カテゴリごとの合計スコアを計算します。
2. 総合評価の計算
- 各カテゴリのスコアを合計し、総合スコアを算出します。
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評価基準例:
- 15~20ポイント: エキスパートレベル
- 10~14ポイント: 中級者レベル
- 5~9ポイント: 初心者レベル
- 0~4ポイント: 要改善
3. 各カテゴリの比重調整
- すべてのカテゴリを同等の比重で扱うことも可能ですが、組織の優先事項に応じて比重を調整します。
- 例: 戦略的視野に重点を置きたい場合、このカテゴリのスコアを2倍にする。
4. フィードバックの提供
- 評価結果に基づき、以下の2点をフィードバックとして提供します。
- 強み:スコアが高いカテゴリとその具体例。
- 改善点:スコアが低いカテゴリと次に挑戦すべき行動。
私のスキル評価結果(サンプル)
以下は私自身の回答例です。
1. チームマネジメント
- メンバー数:8人
- 1on1頻度:週1回
- 改善計画作成経験:はい
2. 技術的リーダーシップ
- 技術選定:はい
- コードレビュー整備:はい
- トレーニング実施:はい
3. プロジェクト管理
- 管理プロジェクト数:2件
- リスケジュール経験:はい
- リスク分析シート利用:いいえ
4. 組織貢献
- 採用面接:はい
- 部門間連携改善:はい
- 文化醸成:はい
5. 戦略的視野
- ロードマップ策定:いいえ
- チーム拡大計画:いいえ
- 組織課題解決:はい
自己評価
- 現在のレベル:3(中級者)
- 一番自信がある分野:チームマネジメント
- 課題を感じている分野:戦略的視野
次のステップ
改善ポイント
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リスク管理プロセスの整備
- リスク分析シートやチェックリストを導入し、リスクを可視化する。
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戦略的視野の強化
- 6か月~1年単位のロードマップを試しに作成。
- チームスケール計画や、ビジネス目標との連携を強化する。
具体的アクションプラン
- プロジェクト管理のフレームワーク(PMBOKなど)を学ぶ。
- 戦略策定について、先輩マネージャーにアドバイスを求める。
まとめ
この記事では、エンジニアリングマネージャーのスキル評価基準を紹介し、評価ロジックや私自身の評価結果もサンプルとして共有しました。評価を通じて、自分の強みや課題を明確にし、次のステップを考えることで、マネージャーとしての成長を加速させることができます。
皆さんもぜひ、自分のスキル評価に挑戦してみてください!感想や質問があればコメントで教えてください。
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