🥕 Python非同期処理（async/await）入門：料理を例に順序と並行の違いを理解する（自分用）

はじめに

Python には非同期処理を行うための async / await という強力な構文がある。
しかし、自分自身「難しい！」「何が起きてるのか分からない！」と感じているため、頭の整理も兼ねて料理の手順を例にして 「順番に処理する」 ことと 「並列に処理する」 の違いをまとめてみる。

なぜ非同期処理は難しく感じるのか？

通常のPythonコードは「上から順番に処理される」ため、あまり意識しなくても動作を予想できる。
しかし、非同期処理では 「どこで処理が止まり、どの処理が並列で動くか」 を考える必要があり、これが非同期処理を難しく感じる原因であると考えられる。

📌 まずは通常の順番処理（同期処理）

以下は、料理の手順を順番に実行する例です。

example.py

def cook():
    print("①野菜を切る")
    print("②煮る")
    print("③味付けする")
    print("④完成！")

cook()

出力

①野菜を切る
②煮る
③味付けする
④完成！

これは非常に分かりやすい「一本道」の処理となります（上から順番に処理される）

🌀 非同期処理で並行して動かす

ここからが本題。
以下のように async def で定義した関数を使い、await asyncio.gather(...) を使って並行処理を実施。

example.py

import asyncio

async def carrot():
    print("ニンジンを切っています")
    await asyncio.sleep(2)
    print("ニンジン切れました")

async def potato():
    print("ジャガイモを切っています")
    await asyncio.sleep(1)
    print("ジャガイモ切れました")

async def seasoning(name):
    print(f"{name}を加えています")

async def cook_all(menu, seasoning_name, **kwargs):
    print(f"{menu}を作ります")

    # 並列で処理
    await asyncio.gather(*[func() for func in kwargs.values()])

    await seasoning(seasoning_name)
    print(f"{menu}が完成しました！")

if __name__ == "__main__":
    asyncio.run(
        cook_all(
            menu="野菜スープ",
            seasoning_name="塩",
            step1=carrot,
            step2=potato
        )
    )

出力

野菜スープを作ります
ニンジンを切っています
ジャガイモを切っています
ジャガイモ切れました
ニンジン切れました
塩を加えています
野菜スープが完成しました！

注目ポイント
ジャガイモ が1秒、ニンジン が2秒 → ジャガイモの処理が先に終わる！
gather() によって同時に処理が開始されるため、処理の順番が入れ替わる可能性がある

🔁 順番に処理したい場合はどうする？

非同期関数でも順番を守って実行したい場合は、以下のように for ループで awaitする。

example.py

for step in kwargs.values():
    await step()

出力

ニンジンを切っています
ニンジン切れました
ジャガイモを切っています
ジャガイモ切れました

のように順番通りに実行されます。

🧠 非同期処理の理解ポイントまとめ

async def で定義された関数は「非同期関数」になり、await を使って「止まってもいい」処理。
asyncio.gather(...) を使うと、複数の処理を並列に実行できる。
実行タイミングや待ち時間 (await asyncio.sleep(...)) によって処理の完了順が変わるので、順番が保証されない点に注意が必要。
「順番を守りたいならループ＋await」で処理。

📝 おわりに

非同期処理は、最初はとっつきにくいですが、「料理の工程のように、同時に動かすものと順番にやるものがある」と考えると、少しずつ理解が進むようになります。