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Amazon ElastiCache for Redis のサービス更新時の接続断時間(ダウンタイム)を確認する

Last updated at Posted at 2023-04-13

1. 目的

  • ElastiCache for Redis のサービス更新通知が来た。AWS社(公式)の説明によると、サービス更新実施時の影響は数秒程度の断とのこと。本当にそうなのか?と心配なため、検証環境にて実際の接続断時間(ダウンタイム)を確認する。

2. 予習

  • AWS社(公式)による説明はこちら。接続断時間に関する記載部分を引用。

お客様または Amazon ElastiCache により 1 つ以上の Redis クラスターにサービス更新が適用されると、選択したすべてのクラスターが更新されるまで、一度に 1 つのノードの更新をそれぞれのシャード内で適用します。ノードの更新には数秒のダウンタイムが発生しますが、それ以外の Redis クラスターは引き続きトラフィックを処理します。

3. ElastiCache for Redisの環境

  • 今回アップデートを適用する環境は以下の通り。
    • モード: Redis
    • エンジンバージョン: 5.0.6
    • ノード数: 2
    • ノードタイプ: cache.r5.large
    • クラスターモード: 無効
    • 適用する「サービスの更新」(パッチみたいなもの): elasticache-20230315-001
  • ノード数1のシングル構成だったり、クラスターモードが有効になっていたりすると、また挙動が違うかもしれない。

4. 接続断時間確認の方法

  • ElastiCache for Redisと同一VPC内に、Redisクライアント(redis-cli)をインストールしたインスタンスを用意する。
  • アップデート作業中、ElastiCache for Redis のプライマリエンドポイントに対し、1秒間隔でキー(mykey1)の値のインクリメント、および読み出しアクセスを行うスクリプトを実行する。(実際には、キー名だけ変えたスクリプトを念のため計3本並行で実施)
check.sh
#!/bin/bash

mykey="mykey1"
host="XXXXXXXXXXXXXXXXXX.apne1.cache.amazonaws.com"   # プライマリエンドポイント

redis-cli -h ${host} set ${mykey} "1"

for i in $(seq 1 3600); do
        date
        redis-cli -h ${host} incr ${mykey}
        redis-cli -h ${host} get ${mykey}
        sleep 1
done
  • 平常時のスクリプト実行ログは以下のようになる。アップデート適用中に接続断が発生した場合、redis-cliコマンドが応答待ちになり、1秒間隔での実行ができなくなる。スクリプトの出力する時刻の値が1秒以上に開くことで接続断時間を検出できる。
スクリプトの出力結果.txt
Wed Apr 12 12:37:51 JST 2023
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Wed Apr 12 12:37:52 JST 2023
126
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Wed Apr 12 12:37:53 JST 2023
127
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Wed Apr 12 12:37:54 JST 2023
128
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  • Redis Clientと、ElastiCache for Redisの構成のイメージは以下となる。
    redis10.png

5. アップデート動作と接続断時間の確認

5.1 アップデート動作(概要)

  • アップデート動作の流れは大まかには以下の通り(今回は1~4まで所要約30分)。
    1. 対象のクラスター、及び適用するサービスの更新(今回は「elasticache-20230315-001」)を選択し、「今すぐ適用」を実行すると、アップデートが開始される。
    2. まずreplica側のノードがアップデートされる。
    3. replicaとprimaryが切り替わる。(作業前にreplicaだったノードがprimaryになる)
    4. 新しくreplicaになったノードがアップデートされ、作業完了。

5.2 接続断時間の確認

  • アップデート適用中にスクリプトをずっと流していたが、今回は接続断は検出されなかった(スクリプト内のredis-cliコマンドの応答が遅延することはなかった)。そのため、1秒以上の接続断は発生していなかったと判断する。
  • 旧replicaノードがprimaryに昇格するタイミングで接続先ノードが切り替わるため、その際の接続断を想定していたが、今回の確認方法(1秒間隔でのチェック)では接続断は検出されなかった。

5.3 アップデート動作(詳細)

  • アップデート実施時、動作の流れの把握のため随時画面キャプチャを行った。

  • 今回作業対象となるクラスターはこちら。
    redis01a.png

  • クラスターに2台ノードがあり、ノード001がprimary、ノード002がreplicaの状態。
    redis02b.png

  • このクラスターに適用可能なサービスの更新の一覧が表示される。2021/6頃に出たものは適用済。今回は「elasticache-20230315-001」を適用する。

redis03a.png

  • 該当の「elasticache-20230315-001」を選択すると、未適用のクラスター一覧が表示される。今回作業対象のクラスターを選択し、「今すぐ適用」を実行する。ここからは全て自動でアップデート処理が実行される。

redis04a.png

  • 作業対象のクラスターの更新ステータスが、「Waiting-to-start」⇒「In-progress」と推移する。

redis05a.png

redis06a.png

  • ノードのステータスが「Available」⇒「Modifying」に推移したのち、primaryとreplicaが入れ替わる。(元々002がreplicaだったが、primaryに昇格)

redis07b.png

redis08a.png

  • primaryとreplicaの入れ替わり後、引き続き新replica(ノード001)の更新が行われている(と思われる)。

redis09a.png

  • 適用が完了すると、該当クラスターの「サービスの更新」(elasticache-20230315-001)のステータスが「In-progress」から「Complete」に変化する。

redis11.png

  • また、 クラスターの更新ステータスの画面にて、ノードが2台とも更新完了(2/2)と表示される。

redis12.png

6. 所感

  • 今回の構成においては、接続断時間が無し、もしくは非常に短い(1秒未満)であることが確認できた。作業実施の判断のため、作業影響を事前把握することは重要なため、なるべく正確な確認ができるよう心掛けていきたい。
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