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ECS LIVA Z (N4200) (OS無し) に Ubuntu MATE をインストールして SSH & VNC 接続するまで

Last updated at Posted at 2019-08-04

本稿の目的

急にわけもなく「ミニPC」が欲しくなり実施した、ECS LIVA Z (N4200) (OS無し) に Ubuntu MATE (ウブントゥ マテ) をインストールして SSH & VNC 接続するまでの記録です。このような情報のニーズは寡少かと思いますが、メモとして残します。

使用機材等

ミニPC ECS LIVA Z (N4200) (OS無し)

ECS LIVA Z (N4200) のアウトレット(メーカー再生品)を Amazon で入手しました。18,800円(税・送料込)でした。スペックは以下です。

  • SoC (CPU): インテル Pentium N4200
    • Apollo Lake
    • 4 コア (4 スレッド)
    • 1.1 GHz ~ 2.5 GHz
    • インテル HD グラフィックス 505
  • メモリ: SO-DIMM DDR3L 4 GB
  • ストレージ: eMMC 32 GB
  • OS: 無し
  • サイズ: 117 x 128 x 33 mm
  • 重量: 約 365g
  • 2017年1月~

IMG_0411.JPG

メモリ増設

4 GB のメモリを1枚増設して、8 GB にしました。1,812円でした。増設方法は取説に詳しく書いてあり、とても簡単です。増設は必須ではありませんが、気分の問題です。

シリコンパワー ノートPC用メモリ 1.35V (低電圧) DDR3L 1600 PC3L-12800 4GB

IMG_0410.JPG

SSD 増設

240 GB の SSD を1枚増設しました。3,899円でした。増設方法は取説に詳しく書いてあり、とても簡単です。増設は必須ではありませんが、気分の問題です。

TCSUNBOW SSD M.2 NGFF 2242内蔵ソリッドステートドライブ(N4 240GB)

IMG_0413.JPG

キーボード

以前からラズパイ遊びに使っていた以下のキーボード(2,680円)を使いました。「Bluetooth ではない」ほうです。

Ewin ミニ キーボード ワイヤレス 2.4GHz タッチパッド搭載 超小型

IMG_0433.JPG

起動イメージ(SD カード & USB アダプタ)

OS のイメージは Ubuntu MATE の 18.04.2 LTS (64bit) を使いました。

起動イメージ用のメディアには、自宅で余っていた 8 GB の microSD カードを、日経 Linux 2019年7月号の付録だった USB アダプタに挿して使いました。Windows の PC にて、これを SDメモリカードフォーマッター でフォーマットして、balena Etcher で iso を書き込みました。

IMG_0484.JPG

その他

  • テレビ(HDMI 接続できるもの)
  • HDMI ケーブル
  • LAN ケーブル
  • Windows10 の PC(イメージの準備と VNC 接続のための端末として)

起動確認

メモリと SSD を増設し、キーボードの USBドングルを挿した後、起動イメージを使わないで起動してみました。OS が入っていないので、当然ながら BIOS (UEFI) が起動するのみです。これの Boot タブで、Linux を指定して、起動ディスクの順序を適当に調整しました。

IMG_0414.JPG

ちなみに、OS インストール後に BIOS (UEFI) を表示させるには、起動開始直後に「F2」キーでした。

Ubuntu MATE のインストール

ブート

Ubuntu MATE の iso イメージを入れた USB ドングルを LIVA に挿し、起動すると、以下の選択肢が表示されます。上から2番目の「Install Ubuntu MATE」を選んで Enter します。

  • Try Ubuntu MATE without installing
  • Install Ubuntu MATE
  • OEM install (for manufacturers)
  • Check disk for defects

その後の流れ

その後は GUI で進みます。今回は以下のように進めました。

  • 「ようこそ」画面で「日本語」を選択
  • 「キーボードレイアウト」で「日本語」「日本語(かな)」を選択
  • 「アップデートの他のソフトウェア」では…
    • [o] 通常のインストール
    • Ubuntu MATE のインストール中にアップデートをダウンロードする
    • グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする
  • 「インストールの種類」では…
    • [o] ディスクを削除して Ubuntu MATE をインストール
  • 「ドライブの選択」では…
    • 「MMC/SDカード」を選択(つまり内蔵 eMMC)
  • 「どこに住んでいますか?」では…
    • Tokyo を選択(愛知県民ですが)
  • 「あなたの情報を入力してください」では…
    • 任意の「あなたの名前」
    • 任意の「コンピューターの名前」
    • 任意の「ユーザー名」
    • 任意の「パスワード」
    • [o] ログイン時にパスワードを要求する

設定は以上です。あとはインストールが終わるまでしばらく待ちます。しばらくといっても、10分もかかりません。
インストールが完了すると再起動を促されるので、「今すぐ再起動する」をクリックします。
再起動が始まると「Please remove the installation medium, then press ENTER:」と表示されます。その指示の通り、iso イメージの入った USB アダプタを抜いて、キーボードで Enter します。
すると、起動しました!

IMG_0445.jpg

この状態でログインして、普通のパソコンとして使えます。
これ以降は、SSH と VNC の設定をして、テレビやキーボードは使わず、リモート接続して使うように設定します。

Ubuntu MATE の初期設定

とりあえず更新

Linux を入れた後の定番、更新作業をしておきます。
ターミナル(MATE 端末)で以下を実行します。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo apt autoremove

SSH のインストール

リモートからコマンドで操作できるようにするために、SSH をインストールします。

$ sudo apt install ssh

ユーザフォルダ以下のフォルダ名を英語にする

OS を日本語でインストールした状態だと、ユーザフォルダ以下のフォルダ名が「デスクトップ」や「ドキュメント」のようなカタカナになっています。この状態だと、ターミナル等からコマンドで操作するのに向きません。そこで、これを英語表記(Desktop や Documents)に変えます。

$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

これを実行すると「Update standard folders to current language?」というダイアログが出ますから、[x] Don't ask me this again にチェックを入れて、「Update Names」ボタンをクリックします。

参考にした情報はこちら

IP アドレスを固定する

SSH や VNC で接続するため、IPアドレスを固定しておきます。

  • デスクトップの右上のネットワークアイコン(有線接続している場合は上下の矢印)をクリックすると出てくるメニューで、一番下の「接続を編集する...」をクリック
  • つなげているネットワーク(例えば「有線接続1」)をダブルクリック
  • 出てくるダイアログの「IPv4 設定」タブにて
    • 方式 (M):「手動」を選択
    • 「アドレス」欄の右側の「追加 (A)」ボタンをクリック
    • アドレス:所望の IP アドレスを指定(例:192.168.0.100)
    • ネットマスク:所望のサブネットマスクを指定(例:255.255.255.0)
    • ゲートウェイ:ルータのアドレスを指定(例:192.168.0.1)
    • DNSサーバー:所望の DNS のアドレスを指定(例:8.8.8.8,8.8.4.4)← Google の DNS の場合
  • 「保存」をクリック

最後にマシンを再起動して、固定 IP アドレスの設定を反映させます。

$ sudo reboot

これ以降の作業は全て SSH か VNC 経由で行うので、ここで HDMI ケーブルとキーボードは抜いてしまって構いません。

VNC サーバのインストールと諸設定

SSH で接続

SSH クライアントで LIVA (上述で固定した IP アドレス)に接続します。
私は RLogin を愛用しています。クライアントは何でも構いません。

vnc4server のインストールとスタートアップスクリプトの編集

VNC 接続するためのサービスをインストールします。これまで使ったことがある CentOS では「tigervnc-server」というのが定番ですが、Ubuntu では「vnc4server」というのが定番のようです。

$ sudo apt install vnc4server

いったん vncserver を開始します。

$ vncserver :1

VNC 接続用のパスワードを聞かれるので、任意のパスワードを決めて、2回入力します。
起動すると以下のように表示され、デフォルトのスタートアップスクリプトが生成されます。

Creating default startup script /home/{ユーザ名}/.vnc/xstartup
Starting applications specified in /home/{ユーザ名}/.vnc/xstartup

ここでいったん vncserver を終了させ、上記のスタートアップスクリプト(/home/{ユーザ名}/.vnc/xstartup)を編集します。以下では例えば nano エディタを使っています。

$ vncserver -kill :1
$ nano ~/.vnc/xstartup

このスタートアップスクリプトの設定には様々あるようですが、私は今回以下のようにしました。

~/.vnc/xstartup
#!/bin/sh

# Uncomment the following two lines for normal desktop:
unset SESSION_MANAGER
exec /etc/X11/xinit/xinitrc

[ -x /etc/vnc/xstartup ] && exec /etc/vnc/xstartup
[ -r $HOME/.Xresources ] && xrdb $HOME/.Xresources
xsetroot -solid grey
vncconfig -iconic &
x-terminal-emulator -geometry 80x24+10+10 -ls -title "$VNCDESKTOP Desktop" &
x-window-manager &

mate-session &

まず、上から4行目の「unset...」と5行目の「exec...」部分をコメントアウトしました。コメントに「普通のデスクトップを使う場合は以下の2行をコメントアウトせよ」と書いてあるので、その通りにしました。
あとは最後の1行「mate-session &」を追加しました。

VNC サーバの起動

最後に vncserver を起動します。

$ vncserver :1

なお、解像度を指定する方法は以下です。例えば 1280x1024 の場合です。無指定(デフォルト)だと 1024x768 のようです。

$ vncserver :1 -geometry 1280x1024

VNC クライアントで接続

あとは、好みの VNC クライアントで 5901 番ポートを指定して接続します。私は VNC Viewer を愛用しています。

ubuntuMATEs.png

ただしこのままだと通信は暗号化されないので、SSH クライアント経由でポートフォワードして接続すると良いでしょう。

その他の Tips

VNC 経由での VSCode のトラブル

VNC 接続経由だと、「Software Boutique」で Visual Studio Code のインストールができませんでした。また、「Software Boutique」を使わない他の方法ではインストールできますが、起動しません。どうも GPU 絡みでうまく動かないということのようですが、詳しくは理解できていません。以下の1行を実行すると、VSCode が動作するようになりました。

$ sudo sed -i 's/BIG-REQUESTS/_IG-REQUESTS/' /usr/lib/x86_64-linux-gnu/libxcb.so.1

参考にした情報源はこちらこちら

無線 LAN も問題なし

2.4 GHz / 5 GHz ともに問題なく接続できました。ですから、電源さえあれば LIVA 本体はどこにでも置けます。

プリンタドライバが自動で入っていた

OS インストールの際に特に何も指定していませんが、自宅 LAN 内のプリンタ(ブラザー MFC-J837DN)を認識して、ドライバも自動で入っており、ちゃんと印刷できました。
(スキャナとしては認識してくれなかったようですが)

su したい時

Ubuntu は初期状態では root のパスワードが設定されていないそうです。よって初期状態では su で root になることができません。特に su しなくても、毎回 sudo と書けば済みますが、以下のようにすると root になれます。

$ sudo su -

こうすれば毎回 sudo と打つ必要がなくなります。
さらに root になった状態で以下を実行して root のパスワードを設定すれば su できるようになります。

# passwd

所感

思いつきで始めた遊びでしたが、個人的にけっこう楽しめました。とはいえこのPC、現状、明確な用途がないので、それを探すのが今後の課題です(笑)。

なお、実は Ubuntu MATE の前に、本家の Ubuntu 19.04 や 18.04 もインストールしました。しかしデフォルトでは VNC がうまくできずにハマりました。標準機能の「デスクトップ共有」だと動作がとても重たく、かつコンソールでログインしている必要がありますし…。デスクトップを Xfce にしたらうまく VNC で動きましたが、見た目がちょっと寂しい印象でした。そんな時に 日経 Linux の記事でみかけた Ubuntu MATE を試してみたら、いろいろと「すんなり」できて、動作も軽快でした。
Ubuntu MATE は Raspberry Pi でも動くようなので、それもそのうち試してみたいところです。

※ 本稿は筆者の思いつきで随時更新します。

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