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PLAIDAdvent Calendar 2017

Day 14

エンジニアが知っておくとちょっと幸せになれるかもしれないビジネスモデルの話

Last updated at Posted at 2017-12-14

@mkataigi です。PLAID Advent Calendarの14日目は先日に引き続きコードが出てこないお話です。いいサービスは利用者の課題を解決できるサービスですが、あなたはどのくらい利用者のことを知ってますか?

弊社のKARTEはB2BのSaaSサービスになります。そのため、KARTEを利用してくださっている企業がどのようなビジネスをしているかを理解することがとても大事になってきます。ビジネスモデルはそれこそ会社の数と同じだけあるのですが、今回は大雑把に分けて「耐久財」モデルと「消費財」モデルで考えて見たいと思います。

耐久財モデル

耐久財というのは、「1度購入したら長期間所持し続ける製品」です。家とか車とかがその代表になります。PCや家電なども入りますね。耐久財には以下のような特徴があります。

  • 長期間所持し続けるため、買うタイミングは数年から数十年に一回
  • 基本的には値段が高い

例えば自分で冷蔵庫を買った時を思い出してください。買うまでにどんな行動をしました?一般的には次のような行動をすると言われています。

  1. 欲しくなってから情報を調べ始める
  2. まずは大雑把にどんな種類の冷蔵庫があるかを調べる
  3. 主なメーカーと製品を調べる。またその製品について比較サイトやレビューサイトを読んでざっくりと情報を集める
  4. 2〜3の製品に絞り込む
  5. 絞り込んだ製品をより詳細に調べて、購入するものを決める(ここは家電量販店に行く人も多い)

ちなみに、よくAISASと呼ばれるモデルになります。ここでのポイントは、ユーザーは比較的長期間しっかり製品の検討をする、という点です。この検討期間にいかに「他社の検討をさせないか」が大事です。耐久財のビジネス戦略は大きく次の、「購入」モデルと「アフターケア」モデルになります。

購入モデル

これは特に説明不要かと思いますが、製品を買ってもらって売り上げをあげるモデルです。このモデルで重要になってくるのは、「製品の買い替え」タイミングです。

検討期間が長く金額も高く、ユーザーがちゃんと検討するため、別のブランドの製品を買う可能性が(次に説明する消費財モデルに比べると)高くなるので、いかにユーザーをつなぎとめておくか、が重要になってきます。N年縛りとか、古い製品を下取り、などはこのつなぎとめ戦略の一つですね。

アフターケアモデル

もう一つが製品自体は安価に買ってもらった後にアフターケアで稼ぐモデルになります。多くの場合は「補完財」と言われる、別製品を高く売ることによって長期的に稼いで行くモデルになります。

  • コーヒーメーカーは格安で提供してコーヒーポーションを継続的に売る
  • スマートスピーカーを格安で提供して自社サービスを使ってもらう
  • OSを格安で提供して、アプリケーションソフトウェアを売る

このモデルの場合、製品とその補完財はセットで提供されることになるので、製品の市場シェアを高めることが非常に重要になってきます。タダみたいな値段で製品を提供しているのはこの市場シェアを奪いに行く戦略になります。

消費財モデル

消費財というのは、食料品とか消耗品のような「定期的に購入し続ける」商品のことを言います。洗剤やノートなどがその代表になります。消費財には次のような特徴があります。

  • 定期的に買う
  • 基本的には値段は安い

例えば、洗剤を買った時を思い出してください。買うまでにどんなことを考えましたか?

  1. 洗剤が切れたのでスーパーに行く
  2. 商品の陳列を見る
  3. 一番お気に入りの洗剤は定価だが、二番目によく使う洗剤は割引中だった
  4. 二番目によく使う洗剤を買った

自分の行動を考えてもらえれば、消費財の場合はほぼ検討をしないで買っている、ということが思い出せるかと思います。実際、既に知っている商品を継続して買いやすい、という特徴があります。そのため、消費財の場合のポイントは、「いかにユーザーに刷り込んでおくか」が大事です。消費財のビジネス戦略は大きく次の「棚割」モデルと「サンプル」モデルになります。

棚割モデル

ユーザーが検討しないで買うのであれば、重要になるタッチポイントは次の2点になります。一つ目はまず「ユーザーが知っている商品リスト」に入ること。知らない商品は手に取ってくれません。2つ目が買う直前、つまり商品を「棚からとる瞬間」になります。いかに棚割で良い場所、目立つ場所を使えるかが大きな意味を持ちます。

ところでこの棚割がどのように決められるかですが、商店側も売れるものを売りたい、という希望があります。では売れる商品とは何かというと、棚割以外で考えると結局「ユーザーが知っている商品」というのがよく売れる、ことになります。つまり棚割を抑える上でも結局はこの「ユーザーに知ってもらう」ことを考えていくことになります。一昔前だと、みのさんが取り上げたら商品がバカ売れする、というのはみのさんが紹介すると売れるので商店も積極的に棚を割くため、知名度と棚割の相乗効果で売り上げが上がっていたようです。インフルエンサーの強みが活かされる部分ですね。

サンプルモデル

消費財のもう一つの戦略が「サンプル」モデルです。テレビCMなどで知名度をあげるのも重要なのですが、ユーザーの知っている商品リストに入る上でもっとも重要なのは実は「その商品を使ったことがあるか」だったりします。このモデルでは、タダもしくは低価格で一度使ってもらうことで、ユーザーの知っている商品リストに入ってしまおう、という戦略です。タダだったら多少怪しくても使ってみようかな、って人多いんじゃないでしょうか。

  • 最初の1つは割引で売るテレビショッピング
  • 店頭で商品サンプルを配る洗剤
  • スーパーのソーセージの試食

棚割モデルではどうしても既存の知名度の影響が大きいため、新商品の場合はこのサンプルモデルから試してみることが多いようです。(流通量を制御しやすいということもあるかと思います)

まとめ

いくつかのビジネスモデルについて見て見ました。我々が提供しているようなSaaSでは、この中の「どの部分をサポートしてあげられるか」を考えていくのが、プロダクトのビジネスモデルになってきます。

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