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Google Mapでハザードマップを表示するまで1 - 国土数値情報、東京都オープンデータカタログのデータを調べる

Last updated at Posted at 2023-03-02

『Google Mapでハザードマップを表示するまで』の第1回の記事です

第2回はこちら
第3回はこちら

ハザードマップを見たいときに困ること

  • 自治体ごとに情報が分散している
  • pdf
  • 自宅や、これから住もうとしている家がどこなのか分かりづらい

結局、見慣れた地図であるGoogle Mapで、日本全国のデータが見られるのが一番良い

  • 地名で検索できる
  • なんとなく見たいエリアをスクロールできる

ということで、開発することにしました

表示するデータセット

ひとまず洪水の情報を表示できるようにします
国と東京都が、それぞれ浸水深のデータを提供しているので、この2つのデータを表示することにしました

データセットの概要

東京度の よくある質問(浸水予想区域図) を読むと、2つのデータセットの概要や関係性が、なんとなく分かります

簡単に説明すると、国が都道府県と連携して「洪水浸水想定区域」のデータ(日本全国版)を提供しており、東京都だけは独自に「洪水浸水想定区域」より調査範囲を広げた「浸水予想区域図」というデータを提供しているという感じです(想定とか予想とか、微妙に名前変わってて紛らわしい)

洪水浸水想定区域

「洪水浸水想定区域(国)」については、想定する降雨の基準やデータフォーマットが過去何度か更改されていて、そのたびにデータセットを作成しているので平成24年度版と、令和元年〜3年度(2019年〜2021年)版の2つがあるようです

後者はなぜ3年分かというと河川の管理者ごとに分担して調査しており、流域面積の広い河川は複数年度に分けて調査したり、年度ごとに河川の整備状況などを考慮してデータを更新したりしているようです

想定最大規模と計画規模

洪水ハザードマップを作成する際に、どの程度の降雨を想定するかについては2つの基準があります(これも国が定めているようです)

  • 1.想定最大規模
    1000年に1度の確率で発生する降雨規模
  • 2.計画規模
    10〜100年に1度の確率で発生する降雨規模

「洪水浸水想定区域(国)」では、河川の管理者ごとに、どちらを想定したデータが作成されているか異なり(両方のデータが提供されていることもあります)、「浸水予想区域図(東京都)」では、基本的には 想定最大規模 を想定してデータを作成しているようです

データ表示の方針

  • 河川ごとの最新のデータは何年度版に含まれているか
  • 想定最大規模と計画規模で重複しているデータ(定義からいって不自然ですが、重複していないデータもありました)は、どう扱うべきか
  • 別の河川と重複しているデータは、どちらを優先すべきか

上記のようにデータが重複しているような場合、データ表示の優先度をどうすべきか、よく分からなかったのでデータの提供元に問い合わせを何度かして、表示の優先度についての方針を、以下のように決めました

  • 1.浸水予想区域図(東京都)のデータを最優先
    • 1-1.データが重複する場合は、浸水深がより大きい方を優先
  • 2.洪水浸水想定区域図(国)のデータは、年度の新しいものを優先
    • 2-1.年度が同じ場合は、想定最大規模を計画規模より優先
    • 2-2.年度も規模も同じ場合は、浸水深がより大きい方を優先

災害を想定するものなので、なるべく想定される被害を大きく見積もるようにしています

おわりに

表示するデータについて、ある程度まで理解できたので、次はデータを表示する要素技術について書こうと思います

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