IBM Match 360では、レコードに対してマッチングを実行することで個人
のマスター・データ・エンティティー(以下、エンティティー)を作成できますが、世帯
のエンティティーを作成することもできます。
IBM Match 360は複数アルゴリズムをサポートしているため、個人エンティティー
以外にも例えば世帯エンティティー
のような任意のエンティティーを作成することができます。また、複数のエンティティーを同時に持つことができ、タブを切り替えるだけでそれらを簡単に切り替えて表示できます。つまり、ひとつのデータ(レコード群)から、個人エンティティーと世帯エンティティーのような複数のエンティティーを作成し、それらを必要に応じて使い分けることができるのです。この記事では世帯エンティティーの作成手順をご紹介します。
1. 空の新規エンティティー・タイプを作成
参考: レコード・タイプへの属性タイプまたはエンティティ―・タイプの追加
新しいエンティティー・タイプは、 アイデンティティー・エンティティーまたは アソシエーション・エンティティーのいずれかです。 アイデンティティー・エンティティーは、同一人物、同一組織、または同一オブジェクトを表すレコードをリンクします。 アソシエーション・エンティティーは、別の人物・組織・オブジェクトであるものの (世帯や雇用者の共有などで)関連付ける必要があるレコードをリンクします。 詳しくは、IBM Match 360 with Watson のデータの概念を参照してください。
世帯エンティティー・タイプ
をPersonレコード・タイプ
に追加します。
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データ・セットアップ画面で、 「モデリング」 タブに移動します。
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「編集」ペインで、「新規エンティティータイプ +」をクリックして、属性タイプおよびエンティティー・タイプの作成と新規レコード・タイプへの関連付けを開始します。
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新規属性タイプまたはエンティティー・タイプの詳細を定義します。世帯エンティティーの場合は、「アソシエーション」エンティティー・タイプを選択し、「エンティティー・タイプ・ラベル」と「エンティティー・タイプ名」に任意の名前を入力します。「作成」をクリックして、新しいエンティティー・タイプを作成します。
2. 世帯エンティティー・タイプのマッチング属性の選択
新規で作成したエンティティー・タイプには、マッチング属性が設定されていません。世帯のマッチングに、どの属性を使用すべきかを検討し、世帯エンティティーのマッチング属性として選択します。
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マッチング・セットアップ画面で、 「マッチング設定」 タブに移動します。右上のドロップダウンから前のステップで作成したエンティティー(今回の例では、Setai entity)を選択します。
「属性の編集」をクリックします。
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世帯のマッチングに使用したい属性を選択します。ここではひとつの例として、住所と電話番号が一致している個人を同一世帯とみなすとした場合の属性を選択します。選択が完了したら「保存」をクリックします。
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マッチング・セットアップ画面で、 「マッチング結果」 タブに移動します。右上のエンティティに正しいもの(今回の例では、Setai entity)を選択されていることを確認し、「マッチングの実行」を選択します。
マッチング結果サマリー
次が個人エンティティー
と世帯エンティティー
のマッチング結果例です。
テストデータ:
注)使用データは、すべてテスト用の架空のデータです。
マッチング属性:
エンティティー | マッチング属性 |
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個人 (Person) |
- Address - Primary residence (マッチング・フィールドとしてAddress line 1のみを選択) - Birth date - Person name |
世帯 (Setai) |
- Address - Primary residence (マッチング・フィールドとしてAddress line 1のみを選択) - Telephone - Home telephone |
マッチング結果: