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Berry(yarn v2) + TypeScript + PnP + Workspace でプロジェクトを作ってみた感想

Last updated at Posted at 2020-02-18

berry(yarn v2) がそろそろリリースということで、使い込んでみた。その感想や yak-shaving などについて。

このリポジトリ https://github.com/mizchi/berry-typescript-project

日本語での網羅的な解説はこちらの記事がくわしい https://qiita.com/dojineko/items/6f65fde3c47aed8b6318

本記事は pnp の仕組みと webpack, jest, typescript を設定する泥臭い話がメイン。

使ってみた感想

  • npm とは完全に別系統に進化しつつある。互換があんまりない。
  • 今対応するのは時期尚早でアーリーアダプターだけでよい
  • berry 自体が typescript で書かれているので、typescript 連携は揃っている。ただし @arcanis 氏の手が届く範囲で。
  • pnp 対応でエコシステム全部見直す必要があり大変
  • workspaces 対応は素晴らしいので使っていきたい

pnp とは

node_modules にすべてのファイルを展開するのではなく、 .yarn/cache に zip ファイルを置く。なんやかんやあって hot cache で最大70% 速くなると↑ の記事には書いてある。その結果、 node_modules 内のパスで色々やる系のライブラリは色々と変更を迫られている。この記事もほぼ pnp 対応に費やされた。

大胆な変更だが、 npm 側にも tink というプロジェクトがあり、ほぼ同じような設計なので、npm でも似たような変更が予定されていた。ので、これ自体は yarn が勝手にやってるという感じでもない。

初期化

mkdir newprj
cd newprj
yarn set berry
yarn init

typescript + pnpify

vscode はデフォルトでは node_modules/@types/ の型を探索してしまうため、型定義ファイルが見つからない。これを pnpify で解決する。

yarn add @yarnpkg/pnpify
yarn pnpify --sdk # .vscode を書き換えられるので、コミットする必要がある

vscode で ts 拡張子のファイルを開き、右下の TypeScript のバージョン選択から、  Use workspace version: 3.7.5-pnpify を選択

これで VSCode 内で実行可能になった。

参考: https://yarnpkg.com/advanced/editor-sdks

jest

jest-pnp-resolver を使う

yarn add jest-pnp-resolver -D

module.exports = {
  resolver: require.resolve("jest-pnp-resolver"),
  transform: {
    "^.+\\.tsx?$": "ts-jest"
  },
  testRegex: "(/__tests__/.*)\\.test\\.tsx?$",
  moduleFileExtensions: ["ts", "tsx", "js", "jsx", "json", "node", "wasm"]
};

pnp + webpack

pnp-webpack-plugin を使えば webpack も使える。

// webpack.config.js
const path = require("path");
const PnpWebpackPlugin = require(`pnp-webpack-plugin`);
module.exports = {
  resolve: {
    extensions: [".js", "json", ".ts", ".tsx", ".wasm"],
    plugins: [PnpWebpackPlugin]
  },
  resolveLoader: {
    plugins: [PnpWebpackPlugin.moduleLoader(module)]
  },
  entry: {
    main: path.join(__dirname, "packages/webapp/src/index")
  },
  output: {
    filename: "[name].js",
    path: path.join(__dirname, "dist")
  },
  module: {
    rules: [
      {
        test: /\.tsx?/,
        use: [
          {
            loader: "ts-loader",
            options: {
              transpileOnly: true
            }
          }
        ]
      }
    ]
  }
};

しかし一つ問題が発生した。packages/webapp を掘って、その下で yarn add webpack webpack-cli -D を行ったが、このディレクトリからの yarn webpack 実行時には webpack-cli が見つからず、 webpack の実行ができなかった。

おとなしくルートディレクトリにインストールした。

.gitignore

ゼロインストールが目玉機能だが、普通のプロジェクトでやると git object が現実的なサイズに収まる気がしないので、とりあえずゼロインストールじゃない版の .gitignore を採用

.yarn/*
!.yarn/releases
!.yarn/plugins
.pnp.*
dist
node_modules

node_modules は発生しない…はずなのだが、webpack を使うと terser-webpack-pluginnode_modules/.cache を生成していた。これは単に無視していいと思う

workspaces

これに関しては yarn v1 よりはるかに素晴らしい。yarn v1 の workspaces はどの位置で yarn install を発行したかで頻繁に整合性が崩れていたが、 node_modules が生えずにルートディレクトリの.yarn/cache にちゃんとエイリアスが集約された。

packages/
  foo
  bar
  nested/
    nested-a
    package.json # "workspaces": ["packages/*"]
package.json # "workspaces": ["packages/*"]

この状態で foo から nested-a が import できた。(もとからできていたが、挙動が怪しかった)

ライブラリ作者の考えること

相対パスから node_modules を探索する系の処理を自前で書いてしまうと、基本的に berry では動かなくなる。

いつ使うか

現状、手数が多すぎる。それもほとんどが pnp 周りで発生したもので、エコシステムがどれぐらい yarn v2 に配慮するか、というところに、使い物になるかの分岐点がありそう。yarn v2 側が折れて node_modules のフォールバックをすることも考えられうる。

余談だが、 npm 社は経営不安で大規模なレイオフを敢行するなどしており、tink は開発が止まっている。もはや npm tink を実装するエンジニアリソースがないのではないかと、個人的に疑っている。github package registry の一般公開も済んだので、個人的には npm 社のインフラやリソースに依存したくない気持ちがある。npm/npm の issue も放置されがち。

経営不安な運営元のソフトウェアは、例えばこういうことが起きるので…

Opera Softwareが最大876%の暴利ローンアプリで不正に荒稼ぎしてたことが判明、摘発されればOperaブラウザ終了の可能性も - GIGAZINE

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