はじめに
HRTをチーム内に浸透させることでコードレビューがうまく回るようになった、実体験に基づくお話しです。
背景
少人数かつベンチャーだったこともあり、コードレビューの文化がありませんでした。
人によってコードがバラバラで、知識の共有もできていませんでした。
そこでコードレビューを提案し、導入することにしました。
ただ、これまでのバックグラウンドの違いもあり、議論が終わらなかったり、命令口調だったりで以下のような問題が起きました😭
💔 チーム内の雰囲気が悪くなってしまった
💔 レビューが終わらずタスクの進捗が悪くなってしまった
そこで導入したのがHRTとラベルです。
今回はHRTについてお伝えします🤗
ラベルについては以下の記事を見ていただけると嬉しいです。
コードレビューを単純に導入するだけでは問題が起きた話 - ラベルバッチをつけよう!
HRT(ハート)とは?
HRTの原則は以下の3つです。
1. 謙虚(Humility)
2. 尊敬(Respect)
3. 信頼(Trust)
詳しく見ていきます。
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謙虚(Humility)
世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。 -
尊敬(Respect)
一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を一人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。 -
信頼(Trust)
自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば、仕事を任せることができる。
この3つの精神が欠けていると人間関係の衝突が生まれます。
『Team Geek』では下記のように言い切っています。
あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ
以下、レビューでの具体的なやりとりが書かれていて面白かったです。
🗒アンチパターンから学ぶHRTなコードレビュー
なぜHRTなレビューが必要なのか?
全てはのチームの心理的安全性を確保するためです。
心理的安全性とは
「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え」
のことで、Googleの調査でハイパフォーマンスなチームにとって心理的安全性は極めて重要だと言うことが証明されています。
🗒「効果的なチームとは何か」を知る
HRTの精神が根付いているチームは心理的安全性の高いチームと言って良いでしょう。
どうやってチームに浸透させたか
すごく普通のことですが、以下のことを行いました。
- チームでHRTについて話す場を設ける
- 自分から率先してHRTの精神で相手に接する
- 不定期で自分の反省をチームのチャンネルに投稿する
実際にどう変わったのか
コードレビュー時もそうですが、チームのチャンネルでも技術的な会話が増え、お互いのことを知るようになりました。
そうすることで相手を尊重しながらコードを良くしていこうという流れができてきました。
結果として、人間関係が改善し、レビューにかける時間も減って、うまく回るようになりました。
相手を批判するのではなく、どうしたらシステムを良くしていけるか、という意識で会話できるようになって、心理的安全性の高いチームになったと思います。
感想
HRTは自分にとってもチームにとっても大事な要素です。
チームとして生産性を上げていきたいのであれば必ず必要な考え方だと実感しました。
参考
以下の記事を参考させていただきました。
とても参考になる情報をありがとうございました😃
📕『Team Geek』