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Cloudflare Zero Trustのユーザ認証をSAMLで

Last updated at Posted at 2023-08-06

はじめに

Cloudflare Zero Trust(以降Cloudflareという)は手軽にZTNAを展開できるサービスで無料から使えます。

Webサービスであれば、リダイレクトでユーザ認証画面を表示して外部からでもセキュアにアクセスできます。

Cloudflareで用意しているユーザ認証方法は大きく以下3種類に分かれています。

  • ワンタイムPIN認証(メールアドレスのみの認証)
  • SAML認証
  • OIDC認証

Cloudflare単独だとワンタイムPIN認証しか利用できませんが、IDaaSと組み合わせることでSAML認証、OIDC認証が利用できます。
これにより、二要素認証やリスクベース認証などの高度な認証を取り入れることができます。

今回は、同じく手軽に使えるJumpCloudというIDaaSを使って、
CloudflareのWebアクセスをSAML認証でJumpCloudに飛ばしてそちらで認証できるかを検証しました。
また、SAML認証でグループ情報も渡して特定のグループにいるユーザのみがアクセスできるかも合わせて試してみます。

構成

構成は以下の通りです。

Cloudflare.png

外部からオンプレWebサーバ(web.example.com)へのアクセスをCloudflare Tunnel経由でアクセスするように設定。
さらに、アクセス時にJumpCloudの認証が必要と設定します。

こうすることでCloudflareがSAML SPとして動作し、IdP(JumpCloud)へ認証するようにリダイレクトしてくれます。
認証完了すれば再度CloudflareにリダイレクトされてオンプレWebサーバにアクセスできるようになります。

オンプレWebサーバとCloudflare Tunnelの構築については割愛しますが、公式ドキュメントにある通り、簡単に作成できます。

設定

設定の流れは以下の通り

  1. CloudflareのSPメタデータを取得
  2. JumpCloudでSAML IdP設定してIdPメタデータ取得
  3. CloudflareでSAML SP設定
  4. Cloudflareでアプリケーションの認証ポリシーを設定

ちなみに事前に以下設定はされている状態としておきます。

  • JumpCloud
    • アクセス許可したいグループ作成
    • ユーザを作成して、アクセス許可したいグループに割り当て
  • Cloudflare
    • アクセス対象アプリケーション作成
    • Cloudflareトンネル経由で上記アプリケーションまでのアクセスができている

1. CloudflareのSPメタデータを取得

SPメタデータは以下URLから取得できるため、事前にアクセスして出力されるXMLファイルを保存しておく。

https://<your-team-name>.cloudflareaccess.com/cdn-cgi/access/saml-metadata

2. JumpCloudでSAML IdP設定してIdPメタデータ取得

JumpCloudダッシュボードより、SAML設定を行います。

SSO -> Add New Applicationより、Cloudflareのテンプレートがあるので以下内容にて作成する。

項目 設定内容
Service Provider Metadata 先ほどダウンロードしたSPメタデータ
IdP Entry ID <your-team-name>.cloudflareaccess.com
SP Entity ID https://<your-team-name>.cloudflareaccess.com/cdn-cgi/access/callback
Group Attribute include group attributeenableにしてmemberOfを指定

作成後、作成した設定のSSOタブより、Export MetadataよりIdPメタデータをダウンロードしておく。

3. CloudflareでSAML SP設定

Cloudflareダッシュボードより、IdPメタデータのインポートおよびSPの設定を行います。

Settings -> Authentication -> Login methods -> Add Newより、SAMLを選択します。

IdPメタデータを選択できる場所があるので、そこに先ほど取得したIdPメタデータをアップロードすると諸々のパラメータが自動入力されます。

SAML attributesは自分で入力しないといけないので以下項目を追加します。

  • email
  • username
  • name
  • firstname
  • lastname
  • memberOf

この状態でCloudflareからテストを行うことができ、以下のような出力が出れば成功です。

image.png

4. Cloudflareでアプリケーションの認証ポリシーを設定

まず事前に作成した、アプリケーションにてSAML認証ができるように設定します。

Authenticationタブにて、作成した認証を選択する。
JumpCloudのみ認証可能とするため、Accept all available identity providersはチェックを外しておき、Instant Authにチェックをつけておく。

image.png

次に、アクセス許可したいグループのみ認証ができるように設定します。
Policiesより、作成したポリシーアイテムを選択し、Create additional rulesで以下画像のようなアクセス許可したいSAMLグループに所属しているユーザのみ認証するように設定します。

image.png

検証

実際に外部より、オンプレWebサーバのURLにアクセスするとJumpCloudの認証画面にリダイレクトされました。
ここで、アクセス許可したいグループに所属しているユーザでログインすると再度リダイレクトされて、Webページが表示されました。

image.png

今度は、アクセス許可したいグループに所属していないユーザでログインをします。
すると、認証後Cloudflare側で権限がない旨表示されてアクセスが拒否されました。

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おわりに

JumpCloudでCloudflareのSAMLテンプレートがあったため、思ったより簡単にSAML連携をすることができました。

今回は、ユーザ、パスワードのみの認証ですがJumpCloudはスマホアプリなどによる二要素認証も用意されており、とても高機能です。
(高機能すぎて、まだ全機能を把握しきれていない...)

Cloudflare、JumpCloudともに無料から始めることができるので個人でZero Trustを試すにはピッタリなサービスだと思います。

今後も自宅環境で検証していき、自宅ゼロトラスト化を進めていきます!

参考URL

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