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Nomad Sculptでオリジナルキャラを3Dモデル化!

Last updated at Posted at 2025-12-04

この記事は レコチョク Advent Calendar 2025 の5日目の記事となります。 

🤝はじめに

こんにちは!株式会社レコチョクでUI/UXデザインを担当している児玉です。
最近は11月に発売されたRADWIMPSのトリビュートアルバムがエモすぎて青春すぎて最高すぎて、、、リピートしてずっと聴いています。音楽も香りのように当時の記憶が鮮明に出てくるものですよね。。。

さてさて、本題ですが今年9月に開催された MakerFaireTokyo 2025 では、「カメレオンノーツ2」のデザインを担当しました。
昨年誕生したキャラクター レオンくん を、今回は iPad アプリ Nomad Sculpt を使って 3D モデル化しています。

今回の大きな進化点は、

AIで“下絵”を作るところからスタートしたこと

です。これにより、制作フローが変わり、効率もクオリティも大幅にアップしました。

🤖「Maker Faire Tokyo」について

2023年よりこれまでとは異なる分野への挑戦を通じ、レコチョクに対する新しいイメージを持ってもらうことを目的とした「新しい音楽体験研究所」プロジェクトが立ち上がりました。 NX開発推進部では、「新しい音楽体験」を提供する取り組みの一環として、一昨年から「Maker Faire Tokyo」へ出展をしてきました。 詳しい内容は 以下の記事 で紹介しています。

🦎 カメレオンノーツ2とは?

「カメレオンノーツ2」は、前作「カメレオンノーツ」の続編として制作した体験型作品です。
AIによる作詞体験をゲーム感覚で楽しめるプログラムです。このゲームでは、まず手元のコントローラーを使い、的当てゲームを行います。この結果から、季節や感情を表すキーワードが決まります。その後、AIはこれらのキーワードをもとに作詞を開始し、たったの30秒でオリジナルの歌詞付き楽曲が生まれます。

今回の記事では、コントローラーに印刷するレオンくんの3Dモデリング制作にフォーカスして紹介します。

📱使用したもの

  • iPad Pro(第1世代)
  • Apple Pencil(第2世代)
  • Nomad Sculpt
  • Google AI Studioで生成した3Dモデル用の下絵(正面図)
  • レオンくんの2D設定資料

🎨 制作フロー

1. AI下絵生成

去年は手描きイラストを見ながら手探りでモデリングしましたが、今回はまず Google AI Studio(Gemini 2.5)で2Dのレオンくんの写真を読み込ませてそれを3D化した正面図を描いてもらうところからスタート。

生成に使ったプロンプト:
アセット 34@280x.png

「添付した画像の個性を踏襲して丸いフォルムのカメレオン“レオンくん”の3D正面図を作成して。子ども向けのゆるキャラ風。立体化しやすいように左右対称。くるんとしたしっぽ、柔らかい表情。白背景でシンプルに。」

AIの下絵をガイドにすることで、作業効率と再現度が大幅に向上しました。

下絵に使う画像は白黒の方が私はやりやすかったです。

2. ブロッキング

3Dモデリングの最初の工程である “ブロッキング”(大まかな形をざっくり組む工程) では、プリミティブ(球・円柱)を組み合わせ、まずシルエットを優先して作りました。

工夫ポイント

  • 頭は大きめ、体は円柱、手足は短め
  • 手足・しっぽ・胴体・顔の角度を決める

💡 去年との違い:以前は完全に手探りでしたが、AI下絵があることで迷いがほぼゼロになりました。

3. スカルプト

次に “スカルプト”(粘土のように形を盛ったり削ったりする作業) を行います。
Nomad Sculpt のブラシ(Clay / Smooth / Inflate など)を使い、丸みを出していきました。

工夫ポイント

  • 丸み優先でエッジをほぼ消す
  • 背中とお腹の体格差で“かわいい厚み”を出す
  • しっぽの太さ変化は丁寧に
  • 目の位置は0.5mm単位で慎重に

つまずきポイント

  • しっぽのメッシュ荒れ → リメッシュで対応
  • 頭と体の接続バランス
  • 口元や目の凹凸 → 気を抜くと恐ろしいエイリアンに…👽

💡 Nomad Sculpt の魅力:プリミティブの組み合わせや直感的ブラシ操作で、複雑な形も迷わず作れました。

4. 着色・レンダリング

  • ベタ塗り中心で“とろん”とした玩具風の質感
  • 影を最小限、ハイライト少しだけ
  • ライト設定を調整して雰囲気を演出

💡 去年との違い:以前は色付けで立体感が安定しなかったですが、今回はAI下絵をベースにすることで再現度が高いです。

👀去年との比較

去年のモデルと、今回のモデルを並べてみると違いは一目瞭然です👇

IMG_1668.jpg

IMG_1667.jpg

IMG_1669.jpg

去年 今回
イラストを見ながら手探りで形を探す AIの下絵で迷いが減り、作業効率UP
造形が人間寄りになったり、表情が安定しなかった 下絵ベースのためキャラの“軸”がブレない
図形を組み合わせて成形 AIの線画をもとに粘土のように造形

まとめると、今年の制作では AIがガイドを作り、Nomadが立体化する流れが非常に相性が良い と感じました。

💡 AI活用のメリット・デメリット

メリット

  • 下絵生成で形の迷いがほぼゼロ
  • キャラクターらしさが安定
  • 作業効率が大幅アップ
  • 3D初心者でも破綻しにくい

デメリット / 注意点

  • AIだけでは納得いく絵にならない場合がある
    → 納得いくまで生成を繰り返す必要あり
  • 細かい表情や角度は手作業で調整必須
  • 過信すると“個性”が出にくくなる可能性

🚀今後やりたいこと

  • レオンくん・レコチョクマの様々なポージング制作
  • Webで回せる3Dビューア対応
  • 色違い&表情違いのバリエーション展開

🦎おわりに

3D制作はかなりハードルが高かったですが、「AIが下絵を作る」×「Nomadが直感操作できる」という組み合わせのおかげで、想像以上にスムーズに進みました。
表現したいレオンくんが3Dのリアルな世界に飛び出していく感覚は、世界がさらに広がるようで、本当に楽しい制作でした。
今後の作品でも積極的に3Dを取り入れていきたいと思います!

明日の レコチョク Advent Calendar 2025 は6日目「「RecoChoku Engineering Blog」をフルリニューアルしました!」です。お楽しみに!

この記事はレコチョクのエンジニアブログの記事を転載したものとなります。

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