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AIエージェント設計完全ガイド②-Graph Engineering入門

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Last updated at Posted at 2026-07-23

AIエージェントを「一直線」から「グラフ」へ進化させる設計思想

「AIエージェントを作れる人」は増えました。

しかし、AIエージェントを"設計"できる人はまだ多くありません。

2026年、AIエージェント開発で最も注目されているキーワードが Graph Engineering です。

本記事では、Graph Engineeringとは何かを、図を交えながらわかりやすく解説します。


はじめに

前回は

  • Prompt Engineering
  • Loop Engineering
  • Agent Engineering

について解説しました。

AIエージェントを作ることは、以前より簡単になりました。

しかし、実際の開発では別の問題が発生しています。

それは

Agent同士をどう組み合わせるのか

という問題です。

この問題を解決する考え方が

Graph Engineering

です。


従来のAIエージェント

多くのAIエージェントは

このような構造になっています。

入力

↓

Planner

↓

Researcher

↓

Coder

↓

Reviewer

↓

出力

非常に分かりやすい構造です。

しかし

この構造には大きな問題があります。


本当に待つ必要があるのか?

例えば

Researcherが

  • Web検索
  • PDF解析
  • GitHub検索

を行うとします。

多くの実装では

Web検索

↓

PDF解析

↓

GitHub検索

のように

順番に実行しています。

しかし

これらは

互いに依存していません。

つまり

同時に実行できます。


Graphという考え方

Graph Engineeringでは

仕事を

一直線

ではなく

グラフ

として考えます。

例えば

          Web検索

         /

Planner

         \

          PDF解析

           \

            GitHub検索

              │

              ▼

         情報統合

              │

              ▼

          レポート

になります。

これだけで

実行時間は大きく短縮されます。


Graphとは

Graphには

たった2つしかありません。

  • Node
  • Edge

です。


Node

Nodeとは

仕事

です。

例えば

Planner

Researcher

Reviewer

Coder

Writer

すべて

Nodeです。

Nodeは

「入力」

「処理」

「出力」

だけを持ちます。

つまり

一つの責務だけを担当します。


Edge

Edgeは

データの流れです。

例えば

Planner

↓

Researcher

ではありません。

重要なのは

Plannerの結果

↓

Researcherが利用

という

データ依存です。

Graphでは

順番ではなく

データの流れ

だけを考えます。


Graph Engineeringで最初に覚えること

「そして(Then)」

という言葉に騙されないことです。

例えば

ファイルを要約してください。

そして

天気を調べてください。

この2つは

関係ありません。

つまり

要約

天気

同時実行できます。


Parallel(並列実行)

Graph Engineering最大の特徴です。

例えば

100社を調査するとします。

従来は

会社①

↓

会社②

↓

会社③

↓

……

でした。

Graphでは

会社①

会社②

会社③

会社④

会社⑤

・・・

全部同時

になります。

Claude Codeでも

Dynamic Workflowは

この考え方を採用しています。


Fan-out

仕事を

分割します。

例えば

会社分析

↓

財務分析

市場分析

競合分析

AI導入分析

のように

複数Agentへ

仕事を配ります。


Fan-in

最後に

統合します。

財務

市場

競合

AI導入

↓

統合Agent

↓

提案書

これを

Fan-in

と呼びます。


Diamond Pattern

Graphで最もよく使われる形です。

        Planner

            │

     ┌────┼────┐

     ▼    ▼    ▼

Agent Agent Agent

     └────┼────┘

          ▼

      Synthesizer

つまり

分割

↓

並列

↓

統合

です。

Deep Research

コードレビュー

市場調査

ほぼすべてが

この構造になります。


Router

Graphは

途中で分岐できます。

例えば

重要案件

なら

詳細レビュー

へ。

軽微案件

なら

簡易レビュー

へ。

AIが判断し

コードが分岐します。


Verifier

Graph Engineeringでは

複数AIで

確認します。

例えば

SQLインジェクションがあります

という結果が出たら

別Agentが

本当に?

と確認します。

さらに

第三のAgentも確認します。

これだけで

誤検出は大きく減ります。


Pipeline

Pipelineは

待たない構造です。

例えば

100件のデータなら

A

↓

B

↓

C

ではなく

A①→B①→C①

A②→B②→C②

A③→B③→C③

のように

流し続けます。

Graphでは

Barrier(全員待ち)

より

Pipeline

を優先します。


Barrier

Barrierは

全員が終わるまで待ちます。

例えば

100件の検索

↓

全部終わるまで待つ

↓

統合

です。

Barrierは

必要な場所だけ使います。


Graph Engineeringのメリット

高速

並列実行できます。


高品質

Verifierを置けます。


安価

軽量モデルと

高性能モデルを

使い分けられます。


スケールする

Agentを

100個

1000個

へ増やせます。


Claude Codeとの関係

Claude Codeでは

workflow

と書くだけで

Graphを

自動生成できます。

例えば

workflow

src/routes配下を全部監査してください。

と書くと

Claudeは

  • タスク分解
  • Parallel
  • Verifier
  • Synthesizer

まで自動で設計します。

つまり

Graphそのものを

Claudeが設計する時代

になっています。


実践例① Deep Research

質問

↓

調査項目へ分解

↓

Web検索

論文検索

GitHub検索

ニュース検索

↓

重複除去

↓

Verifier

↓

レポート生成

実践例② AIコンサル

企業分析

↓

財務

競合

市場

AI導入

↓

提案書

↓

レビュー

実践例③ 教材作成

テーマ

↓

台本

画像

スライド

問題集

↓

レビュー

↓

動画生成

Graph Engineeringは次の時代

Prompt Engineeringでは

「何を聞くか」

が重要でした。

Agent Engineeringでは

「誰にやらせるか」

が重要になりました。

Graph Engineeringでは

「どうつなぐか」

が最も重要になります。


まとめ

Graph Engineeringとは

AIエージェントを

一直線ではなく

グラフ

として設計する考え方です。

重要なのは

  • Node
  • Edge
  • Parallel
  • Fan-out
  • Fan-in
  • Router
  • Verifier
  • Pipeline

です。

AIエージェント開発では

プロンプトを書く能力よりも

AIシステム全体を設計する能力

が今後ますます重要になるでしょう。


次回予告

次回は

Graph Engineering実践編

として

  • Failure Isolation
  • Loop until Dry
  • Judge Pattern
  • Model Tiering
  • Topology
  • Claude Code Dynamic Workflows

まで詳しく解説します。


シリーズ

  • 第1回:Prompt EngineeringからAgent Engineeringへ
  • 第2回:Graph Engineering入門(この記事)
  • 第3回:Graph Engineering実践
  • 第4回:Claude Codeで実践するDynamic Workflows
  • 第5回:OpenAI Agents SDK・LangGraph・Google ADK比較
  • 第6回:Monadoで作るAgent Operating System
  • 第7回:AIエージェント実践事例
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