はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年10月にリリースされた、バージョン「2022.10」について「個人的に」 まとめたものです。
沢山あるので、何回かに分けて紹介します。今回は第4回として「UiAutomation 」系のリリースを説明します。
これまでの紹介記事はこちら。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記です。
UiAutomation 編 (カッコ内の文字はCommunityEditionでリリースされたバージョン)
# 1)[UIAutomation] .NET6へのアップグレード(v22.10)
# 2)[UIAutomation] Chromium ウィジェット/Electron のHTMLセレクター解析(v22.8)
# 3)[UIAutomation] カスタムリモートデスクトップのサポート(v22.7)
# 4)[UIAutomation] VB6アプリプルダウンをSelectItem アクティビティで操作可能に(v22.8)
# 5)[UIAutomation] Kinaxis Java サポート(v22.8)
# 6)[UIAutomation] Javaアプリ画面要素のプロパティ追加(v22.10)
# 7)[UIAutomation] Qt フレームワーク のUI要素サポート(v22.10)
# 8)[UIAutomation] Web セレクターの改善(v22.?)
# 9) [UIAutomation] リモート ブラウザを開く(v22.10)
# 10)[UIAutomation] ブラウザー拡張機能のインストール方法選択(v22.10)
# 11)[UIモダン] テーブル スクレイピング(v22.10)
# 12)[UIモダン] オブジェクトリポジトリの改善(v22.10)
# 13)[UIモダン] 「キーボードショートカット」の「キー入力待機時間」オプション(v22.8)
# 14)[UIモダン] DefaultSystemBrowserでの操作(v22.10)
# 15)[UIモダン] アンカーの検出の改善(v22.10)
# 16)[UIモダン] 監査ログレベルの制限(v22.10)
# 17)[UIモダン] 「スクリーンショットを撮影」で「範囲選択」指定が可能に(v22.8)
# 18)[UIクラシック] クラシックアクティビティとレコーダーの最新の選択画面(v22.10)
# 19)[UIモダン] ブラウザ移行ツールでのオブジェクトリポジトリ対応(v22.7)
# 20)[UIモダン] ブラウザー移行ツールの属性書き換え(v22.10)
1)[UIAutomation] .NET6へのアップグレード(v22.10)
UIAutomationのエンジン/中身の話ですが、「.NET 6」に移行されました。
.NET 6 は.NET Frameworkが.NETに統合されて初めてのLTS(Long Term Support)リリースで、今後のサポートや機能追加も踏まえると、移行は必須でした。
2)[UIAutomation] Chromium ウィジェット/Electron のHTMLセレクター解析(v22.8)
Chromium ウィジェットや Electron 等の「Webベースのアプリ」を操作する場合に、今まではUIA等のセレクター (wnd、ctrl) で要素認識していましたが、今後はWeb セレクター (html、webctrl) で認識できるようになり、Chromiumウィジェットを介して、すべての操作が可能になります。
3)[UIAutomation] カスタムリモートデスクトップのサポート(v22.7)
PictureInPictureのような、カスタムリモートアプリのUi操作自動化もサポートされるようになったようです。中身的には ActiveX control を使用して、操作しているようです。
(具体的な操作例までは、記載なく、検証も出来ていません)
4)[UIAutomation] VB6アプリのプルダウンをSelectItem アクティビティで操作可能に(v22.8)
2000年より前に作られた、かなり古いアプリで「VB6」で作られたものがありますが、そのドロップダウンを「項目を選択」アクティビティで操作できるようになりました。
合わせて、VB6の「MSFlexGridWndClass、ListView20WndClass、MSHFlexGridWndClass」のグリッドデータ抽出もサポートされたようです。
5)[UIAutomation] Kinaxis Java サポート(v22.8)
Kinaxis(キナクシス)は、製造業向けのSCM(サプライチェーンマネジメント)/SOP(セールスオペレーションプランニング)システムで有名です。(トヨタも採用しているらしいです)
そのJavaで出来たUiの中で「グリッド テーブル セルの識別とデータ抽出」が強化されたようです。
6)[UIAutomation] Javaアプリ画面要素のプロパティ追加(v22.10)
Javaアプリ画面で要素を取得する際に、backgroundColorおよびforegroundColorプロパティが追加されました。また、ツールバー ボタンのセレクターにデフォルトで 'name' 属性を追加されました。
7)[UIAutomation] Qt フレームワーク のUI要素サポート(v22.10)
Qt(キュート)で作られたアプリのUi操作がサポートされました。Qtとは、クロスプラットフォームアプリの開発フレームワークです。有名所でいうとBIツールの「Tableau」がQtで実装されています。
8)[UIAutomation] Web セレクターの改善(v22.10)
Webセレクターで以下の改善がされました。
- 「aria-label」等の新しい属性を認識
- webctrlタグで使用可能「title」属性を削除
- 「visibleInnerText」属性がセレクター属性に追加
9) [UIAutomation] リモート ブラウザを開く(v22.10)
リモート デスクトップ (Citrix または RDP) の操作が、「アプリケーション/ブラウザーを使用する」アクティビティを使用して自動化できるようになりました。(ネイティブ リモート オートメーションを使用する場合)
10)[UIAutomation] ブラウザー拡張機能のインストール方法選択(v22.10)
拡張機能インストール時の細かい設定を、Studio画面で指定できるようになりました。(現在のユーザーにインストール or すべてのユーザーでインストール など)
11)[UIモダン] テーブル スクレイピングの改善(v22.10)
表抽出で以下のデザイン/機能改善がされました。
1)確認された一連の要素の新しい強調表示のオン/オフ オプション
2)要素レベルでプレビュー オプション
3)複数ページ抽出のトグルスイッチ
4)テキスト/URL を抽出する新しいメニュー
12)[UIモダン] オブジェクトリポジトリの改善(v22.10)
以下のデザイン/機能改善がされました。(以下原文のまま。まだ検証できてません。)
1)空のオブジェクト リポジトリに新しい要素を追加するときに画面を自動的に作成
2)ブラウザーの編集画面で引数の使用が可能に
3)オブジェクト リポジトリ に登録されている UI 要素 表示および編集メニュー
4)オブジェクト リポジトリ ターゲットが 複数ある場合、事前入力した アイテムの選択をセット
5)ファイルパス、引数、URL の式エディターを使用したオブジェクト リポジトリの画面編集
13)[UIモダン] 「キーボードショートカット」の「キー入力間の待機時間」オプションが登場(v22.8)
キー入力の一つ一つの間に「待機時間」を入れることが出来るようになりました。早すぎる操作で反応しない場合に、少し待機時間を入れることで反応するようにする、などで活用できます。
14)[UIモダン] 既定のブラウザ での操作(v22.10)
規定のブラウザを使用して自動化を実行できるようになりました。例えば「DefaultSystemBrowser.xxx」を指定すると、規定のブラウザの値が参照できます。
15)[UIモダン] アンカーの検出の改善(v22.10)
1)Salesforceで「for」属性を使用する要素の自動アンカー検出改善(約 4 秒 が約 1 秒に)
2)選択要素重複時の自動アンカー追加 (最大 3 つのアンカーに達するまで)
3)プロジェクト設定から「アンカーを有効にする」を削除
16)[UIモダン] 監査ログレベルの制限(v22.10)
「プロジェクト設定 > UIAutomation Modern > ロボットログ > 監査情報をログに出力」で指定できるログレベルを
ワークフローアナライザーの「UI-PST-001:プロジェクト設定の監査レベル)で制限できるようになりました。
場所 | 内容 |
---|---|
プロジェクト設定 | |
ワークフローアナライザ |
17)[UIモダン] 「スクリーンショットを撮影」アクティビティで「範囲選択」指定が可能に(v22.8)
モダンアクティビティの「スクリーンショットを撮影」アクティビティで要素を指定する際に、範囲選択 (F3) を使用でき、範囲指定してのキャプチャが可能になりました。
18)[UIクラシック] クラシックアクティビティとレコーダーにモダンの選択画面を提供(v22.10)
ちょっとこれ、具体的によく分かっていません。訳・意図が違うのかも。詳細説明がなく不明です。
19)[UIモダン] ブラウザ移行ツールでのオブジェクトリポジトリ対応(v22.7)
ブラウザ移行ツールでの、「オブジェクトリポジトリ」の中身まで一括で変更できるようになりました。
20)[UIモダン] ブラウザー移行ツールの属性書き換え(v22.10)
「IE」と「Chrome/Edge/Firefox」では、以下の「innertext」セレクタに微妙な差異があり、移行ツールでは変換できていませんでしたが、オプションで指定された場合は変換してくれるようになりました。(IEの「aaまたはinnertext」を「visibleInnerText」に変換)※UiAutomationのv22.4以降を使用している場合に有効)
終わりに
以上、バージョン「22.10」Community Stable リリースの「UiAutomation」編の紹介でした。
次回は「その他」編を紹介します。
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