はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年3月にリリースされた「Studio Web」について「個人的に」まとめたものです。
※ 2022年3月26日時点では「コミュニティ版のみ」の「プレビューリリース」という扱いです。今後、機能変更・追加がされるはずなので、以下で紹介する内容と変わっている可能性があります。
公式リリース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
Studio Web とは
UiPath公式リリースノートでは、以下のように紹介されています。
・ブラウザベースの自動化開発ツールで、常に最新にアップデートされる
・GSuite、Office 365などのオンラインアプリの自動化向け
・実行は任意のブラウザウィンドウ、任意のOSで、クラウドで実行される
・スケジュール実行、手動実行、外部トリガー実行が可能
また今後のアップデートで、以下の機能が追加される予定みたいです。
・自動化の共有(ワンクリックで共有できるように)
・トリガーの強化
・自動化のテンプレート
・StudioWebからStudioDesktopへ変換(StudioX対応)
・StudioWebからの直接トリガを指定できる
・使用できるアクティビティの強化
以下で、具体的に内容を見ていきます。
Studio Webの起動
AutomationCloudの左メニューから「Studio」をクリックすると、画面が表示されます。
過去に作成したプロジェクトの一覧が表示され、右側の三点メニューを押すと「編集」などが出来ます。真ん中の「NewProject」を押すと、新規作成できます。
編集メニューには、以下の項目があります。
・Open project(編集)
・Edit properties(プロジェクト名とプロジェクト説明の編集)
・Publish history(パブリッシュ履歴)
・Pin(ピン止めして一覧で上に表示)
・Downloads project(Zip形式ダウンロード)
・Open in desktop(PC版のStudioで開く)
・Delete(削除)
※ 2022年3月26日時点では「コミュニティ版のみ」の「プレビューリリース」なので、製品版のAutomationCloudには、まだメニューがない可能性があります。
処理フローの作成
処理で使用するアクティビティは、+ボタンを押下して追加していきます。
アクティビティの種類は、以下のようになっています。クリックするとアクティビティが表示されます。
UiPathのデフォルトアクティビティは以下のようになっています。
変数を使用したい場合は、右上のDataManagerをクリックするとパネルが表示され、新規追加・編集できます。
試しに何か処理を作成してみます。
引数で「hashtag」を受け取り、noteのAPIから指定ハッシュタグの記事を取得し、ログ出力してみます。
Studio画面上部の「Run/Run step by step」を押すと、フローが実行されます。
プロジェクトをStudioで開く
「My project」で作成済みのプロジェクトの右側のメニューにある「Open in desktop」を押すと、ローカルのStudioで開くことができます。
開くと、Main.xamlの中に作成したフローが入ったプロジェクトになっていて、対応OS・プラットフォームが「クロスプラットフォーム」になっています。
プロジェクトのパブリッシュ
上部のPublishを押すと「プロセス」としてパッケージ化され、Studio画面以外からも実行させることができます。作成したプロセスは、Orchestratorのワークスペースに保存されます。(現時点では他の保存場所は選べません)
プロセスの実行1:Processesから
パブリッシュすると、AutomationHubの「Processes」にプロジェクトが表示されます。ここから手動で実行させることができます。
プロセスの実行2:IntegrationServiceから
IntegrationServiceでトリガを指定し、作成したプロセスを実行させることもできます。
プロセスの実行3:Orchestratorから
作成したProcessはOrchestratorのワークスペースに保存されているので、Orchestratorから起動させることができます。
感想・使いどころ
この Studio WEB は、以下の狙いで作られたものだと思います。
・クラウドファースト
・クラウドで全部完結したい(万人向け)
・より多くのクロスプラットフォーム自動化を可能にするため(非Windowsユーザー向け)
・Studioをローカルで開けない人向け?Macユーザー?
・API連携(IntegrationService)を広めたい
・トリガーを使って簡単にフローを開発できるように
動かしてみると、裏で動いているOrchestratorと実行する仮想マシンの存在を感じます。
つまり、StudioWeb で作成したものが、仮想マシン上でビルド&実行されている。Orchestratorが実行を仲介している感じ。
使いどころとしては
・Studioクライアントが用意できない(非Windows端末 or マシンスペックが低い)
・ローカルファイルを使用しないロボットの開発(個人開発)
等がありそうです。現時点ではMacユーザー向けか。
ただし、将来的に機能&アクティビティが充実して、メリットが増えてくれば(Studio開かなくても、同じようなことができるようになれば)、万人向けの機能になってきそうです。
Visual Studio Code の Webブラウザ版が出た時のような「クライアントだけでなく、WEBでも開発できる」という狙いにも見えますが、IntegrationServiceの拡大を踏まえた API連携を見据えつつ、Windowsに限らず自動化ユーザー・ロボットを広げていきたい
というUiPathの願いが見える気がします。
終わりに
以上、ざっくり概要の紹介でした。まだプレビュー版ですが、いろいろ試していきたいと思います。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。