はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2021年9月にリリースされた、バージョン「21.10」の「Community Preview」について、個人的にまとめたものです。
沢山あるので、前編後編に分けて紹介します。今回は「後編」として「Studio系以外」のリリースを説明します。
「前編」の記事はこちら。
「プレビュー」ではなく「正式製品」としてのバージョン「21.10」の正式リリースは後日ありますので、別途、記事を書きます。
公式リリース
紹介する情報は、以下の「UiPath 公式リリース」を元にしています。
2021年10月現在では「バージョン21.10」は、まだ「Preview」版なので、試してみたい場合は以下の「更新チャネル」でプレビューを選択する必要があります。
目次
今回の後編で紹介する内容は下記になります。
# 1)Assistant
- 1.1)StoreWidget(StoreアプリInstall)
- 1.2)AutomationHubへのアイデア提出
- 1.3)TaskCaptureが起動可能に
- 1.4)Publish時に指定したiconを一覧表示
- 1.5)マケプレのアプリUpdateボタン追加
# 2)TestSuite
- 2.1)テストエクスプローラー
- 2.2)Executionテンプレート
# 3)ComputerVision
- 3.1)AutomationCloudにログインしていればAPIキーが不要に
- 3.2)テーブルの認識向上
# 4)SAP Automation
- 4.1)TransactionとProgramの変更検知トリガーの追加
- 4.2)ALVツリーリストの認識改善
- 4.3)SAP Business ClientのChromiumサポート
# 5)Task Capture
- 5.1)同一アクションの検出とマージ
- 5.2)ワード出力時にテンプレートを指定可能に
1)Assistant
1.1)ストアウィジェット
Assistant で マーケットプレイスの「ready-to-go automations(すぐに使える自動化コンポーネント)」を表示・インストールできるようになりました。
Automation Opsポリシーで「Automation Store」が有効に設定する必要があります。
エンタープライズ ライセンス(トライアルライセンス含む)でのみ利用可能です。(コミュニティ ライセンスでは利用不可)
1.2)AutomationHubへのアイデア提出
Assistant から AutomationHub に自動化のアイデアの提出画面に遷移出来るようになりました。
エンタープライズ ライセンス(トライアルライセンス含む)でのみ利用可能です。(コミュニティ ライセンスでは利用不可)
1.3)TaskCaptureが起動可能に
Assistant から 「TaskCapture」を起動できるようになりました。TaskCaptureがインストールされていない場合は、ホームタブの「Home横の三マーク」をクリックするとインストール画面が表示されます。
TaskCapture は、業務の可視化/レコーディングツールです。
手作業の業務を記録し、docまたは UiPath ワークフローで出力できます。
1.4)Publish時に指定したiconを一覧表示
Assistantでプロセスの横にパブリッシュ時に指定したアイコンが表示されるようになりました。プロセスを探すときに、直感的に探せるようになります。
1.5)マケプレのアプリUpdateボタン追加
Assistant で インストール済みの「ready-to-go automations(すぐに使える自動化コンポーネント)」を更新できるようになりました。更新が利用可能になると、Updateボタンが表示されます。
2)TestSuite
2.1)テストエクスプローラー
テストエクスプローラーが新しくなり、プロジェクト内のテストケースを把握しやすくなりました。上部の入力欄でフィルタリング/検索でき、アクティビティカバレッジも一覧で確認できます。
2.2)Executionテンプレート
TestSuiteに「バージョン2021.6」でリリースされたFileテンプレートに加えて、Executionテンプレートが提供されました。Executionテンプレートを使用すると、テストケースのメンテナンス・再利用が楽になります。
テストケース作成時に Executionテンプレート を指定すると、テストケースで作成した処理は、Executionテンプレート内の「プレースホルダアクティビティ」の中で実行されます。
3)ComputerVision
3.1)AutomationCloudにログインしていればAPIキーが不要に
ComputerVision は、UiPath Robotsがコンピュータ画面上のすべての要素を認識できるようにするAI技術で、
ComputerVisionのCloudサービスを使用するために、APIキーが必要でした。
Studioバージョン21.10 以降は、Automation CloudにログインしていればAPIキーは不要になります。
3.2)テーブルの認識向上
ComputerVisionでセルターゲティング方法が改善され、今まで難しかった「空のセルの多いテーブル(表形式)」も認識できるようになりました。新しい方法では、各行/列は「番号・名前・行内容」のいずれかで定義できます。
4)SAP Automation
4.1)セッション属性の変更検知トリガーの追加
SAPセッション属性を監視するアクティビティが作成されました。
操作によりセッションの値が変化したときに、トリガーが起動します。
4.2)ALVツリーリストの認識改善
SAPのALVツリーリストを展開するアクティビティが作成されました。
展開する必要があるノードを選択し、ノードが開かれたあとで、クリック、ダブルクリック、要素の色の取得など、他のアクティビティを使用して要素を操作できます。
4.3)SAP Business ClientのChromiumサポート
SAP Business Clientでブラウザに「Chromium」を選択した場合でも、UiPathStudioから操作ができるようになりました。
これにより、SAPFiori要素が正しく認識されるようになります。
5)Task Capture
5.1)同一アクションの検出とマージ
タスクキャプチャは、マウス操作などのアクションをキャプチャし、スクリーンショットを生成しますが、同じ処理を重複してキャプチャすることがあります。重複している操作がある場合、Task Captureが自動的に識別し、マージするかを選択できるようになりました。
5.2)ワード出力時にテンプレートを指定可能に
キャプチャした操作をワードに出力する際に、出力するテンプレートを作成できるようになりました。出力位置は プレースホルダ で場所を指定します。
終わりに
今回は「Studio以外」のアップデートを中心に紹介しました。
新バージョンの理解に少しでも役立てば幸いです。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。
閲覧ありがとうございました。