はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年10月にリリースされた、バージョン「2022.10」について「個人的に」 まとめたものです。
沢山あるので、何回かに分けて紹介します。今回は第5回として「その他」系のリリースを説明します。
これまでの紹介記事はこちら。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
その他 編 (カッコ内の文字はCommunityEditionでリリースされたバージョン)
# 1)[TestSuite] ライブラリとして抽出(ver22.10)
# 2)[TestSuite] モバイルデバイス系アクティビティ(ver22.10)
# 3)[TestSuite] 自動テスト作成(version2)(ver22.10)
# 4)[TestSuite] プロファイルパネル(ver22.10)
# 5)[Document Understanding] アルゴリズム強化(ver22.8)
# 6)[ComputerVision] 機能強化(ver22.8、22.10)
# 7)[ComputerVision] ローカルサーバーの登場(ver22.7)
# 8)[SAP] FioriUI対応(ver22.10)
1)[TestSuite] ライブラリとして抽出(ver22.10)
作成済みのプロジェクトを右クリックして「ライブラリとして抽出」を選択すると、ライブラリ化ができるようになりました。
※ TestSuiteの機能として紹介されていますが、Testプロジェクト以外でも使用できます。
2)[TestSuite] モバイルデバイス系アクティビティ(ver22.10)
モバイルデバイスの画面を直接操作するアクティビティが多数追加されました。「デバイスの向き」や「指紋センサー」「セッションID取得」などのモバイルデバイス特有の処理を操作できます。
3)[TestSuite] 自動テスト作成(version2)(ver22.10)
自動テスト作成は「Xamlファイルの内容を解析し、テストケースを自動作成する機能」ですが、機能が更に強化されました。
・「引数名」に応じたパターンでテストデータを作成
・テスト生成時にアセットも考慮
・時間(DateTime・TimeSpan)系の型サポート
・などなど
4)[TestSuite] プロファイルパネル(ver22.10)
「プロファイラ」パネルが追加され、Xaml内のドコで時間がかかってるか?が分かるようになりました。
※ TestSuiteの機能として紹介されていますが、Testプロジェクト以外でも使用できます。
プロファイルパネルを表示するには「デバッグ」タブの「」実行をプロファイル」メニューを押すと出てきます。
5)[Document Understanding] アルゴリズム強化(ver22.8)
文字の読み取りアルゴリズムが強化されたようで、PDF のデジタル化が以前よりも高速かつ正確になる
可能性があります。さらに、ML Extractor と ML Extractor Trainer に複数値フィールドのサポートを追加したため、Document Manager から送信された複数値フィールドをアクティビティで使用して使用できます。
Document Understanding は「AI-OCR」の機能で、PDFや画像から、文字データを抽出します。
「タクソノミー」と呼ばれる帳票定義と「ドキュメント分類」と呼ばれる帳票振り分けの機能を
使用し、データのデジタル化を行います。
6)[ComputerVision] 機能強化(ver22.8、22.10)
コンピュータビジョン(CV)にいくつかの機能強化がされています。
コンピュータビジョン(CV)とは、画面要素の認識をローカルPCではなく「Computer Vision」の
サーバー上で行う技術です。(※)
イメージ化した画像をサーバーに送信し位置情報を認識し、要素のクリック、入力などの
画面操作を実現します。
※ サーバーは基本的にUiPathが提供しますが、自身で立てることも可能です。
- 1)CV を利用する際に
スクロールしながら要素認識
が出来るようになりました。 - 2)UiPath Screen OCR をスタンドアロン アクティビティとして使用する場合、Automationクラウドログイン済みであれば、
アクティビティでCVのAPI キーを入力が不要
になりました。 - 3)CVクリックに
「クリックタイプ」と「マウスボタン」が追加
されました。 - 4)CV 抽出テーブルと CV 取得テキストに
「保存先」が追加
されました。 - 5)
中国語/日本語/韓国語対応のOCRエンジンが登場
しました。詳細はこちら - 6)
新しい CV AI モデル
が2022年9月5日に 登場予定で、テーブルとOCR データを操作する際のパフォーマンスが大幅に向上
します。 - 7)
CVクラウドサーバーの提供エンドポイントの物理的に増え
、特に西ヨーロッパで使用の際はルーティングが早く
なりました。
7)[ComputerVision] ローカルサーバーの登場(ver22.7)
CV用のサーバーを自分で立てることが出来るようになりました。
コンピューター ビジョン (CV) はクラウド上のUiPathサーバーに画像をアップし、解析しますが、
エンプラ環境で、クラウドサーバーの使用が許可されていない場合などは、こちらを使用できます。
UI 要素の検出精度は少し低くなるようですが、一般的なUi要素認識をする程度なら問題ないらしいです。中身的には、OpenCV(CV処理ライブラリ)とPyTorch(機械学習フレームワーク)で構成されています。
8)[SAP] FioriUI対応(ver22.10)
SAP Fioriで以下の機能が強化されたました。
- ツリー リストの要素認識・操作ができる
- 項目を選択アクティビティで選択できる
- ビジー インジケーターの要素認識
ツリー リスト | コンボ ボックス | ビジー インジケーター |
---|---|---|
終わりに
以上、バージョン「22.10」Community Stable リリースの「その他」編の紹介でした。
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