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組織のみんなでナレッジをアウトプットし続けたら見えてきたもの

Last updated at Posted at 2022-12-16

初めてのQiita投稿です…お手柔らかに…

わたしは

普段はエンジニアとデザイナーが所属する組織のマネジメントをしてる者なのですが、同時に 「みんなが仕事で得た知見、アウトプットしようぜ!インターネット上で!!」 という組織活動の旗振り役をしています。
Fintan というサイトです。

どんなアウトプットしてる?

仕事の中で使ったナレッジ/得られたナレッジを、使った人/得た人がアウトプットする という方針でやってます。
単に特定個人の知識ではダメです。仕事で実践したことという鉄の掟を敷いています。

えっ?それって出していいの?

いいんです。
正確に言うと、出しちゃいけないものはきちんと隠してます。隠してもナレッジとしてわかるように対処して出してます。
あと、出す内容をちゃんと関係者と確認・合意して出してます。

そういうのってどんどん出てくるものなの?

出ません!!
まず、前述の鉄の掟があることで、アウトプットする側の壁が一気に高くなっています。
また個人ブログではなく、会社のサイトという点でさらに心理的障壁があがります。

え。。。むず。それって実際どうやって出してるの?

我々がアウトプットしているものは大きく2つに分かれます。

①会社の中で色んな開発プロジェクトのために作ったツールやガイド
②開発プロジェクトの中で実践した開発技術事例

まず、①

従来社内サーバーに置いて社内公開していたものを、「(社外秘要素をきちんと手当した上で)インターネット上に置くよ!」としました。

最初はみんな戸惑いまくりました。
公開範囲が一気に広がることで、前提が変わり同じアウトプットでも説明難易度があがります。また一般・・・特にSNSでの反響を恐れる気持ちもありました。

しかし、「これから作るガイドやツールは基本的には全て公開前提!」「社内はもちろんいろんな人に使ってもらうことを考えて作る」 という号令を組織内で発し続けることで、少しづつ組織の文化が変わってきました。

感覚的には3~4年かかってようやく、公開前提の文化になってきたと感じています。

次に②

こちらは顧客開発や自社サービス開発の中でエンジニアが実践した技術事例です。
まず大前提ですが、開発プロジェクトはめちゃくちゃ忙しいです。開発しながら事例をアウトプットするなんて、むりむりむり
また様々なビジネスに直結する中でやってる開発なので、きちんと然るべき関係者の合意を得る必要もあります。
なんかもう・・これでアウトプットしろ!って言われたら、無茶ですね・・・。

そこをどうすすめているかというと。

  • 我々が開発に携わるとき、あらかじめ「我々が実践したことを発信したいです」と関係者へ宣言
  • 開発が始まるとき・始まってから「技術事例としてイイ感じのネタだな」と思うテーマがあったらば、チェック
  • 開発終了後・もしくは開発が落ち着いた頃、振り返りを兼ねてアウトプットの時間を取って書いた内容の承認を得て公開
    ざっくりこういう流れです。

ここで大事なのは、アウトプットするのはエンジニア個人であっても、周囲の協力と理解が必要不可欠ということです。
然るべき関係者との合意・アウトプットするネタの抽出・時間の確保・・・この辺りは上位権限を持たないと出来ないこともあります。

これを組織的に取り組みました。そうすることで現場からナレッジはたくさんでてきました。
正直まだそれらをしっかりアウトプットしきるまでには至っていませんが、年々アウトプットできる量は増えてきました。

めっちゃ大変じゃないですか・・・

そうなんです。大変なんです。
でも。こういうアウトプットをし続けて、日々感じていることがあります。

(1) どこからでも使える/いつでも使えることの有益さ

あたり前ですが、ナレッジを社内環境に置けば、社内環境からしかアクセスできません。
でもエンジニアの仕事って昨今いろんなところでやりませんか?やるんです!
客先環境、リモートワークで自宅から、スマホで調べながら・・・etc どこでも見れる便利さよ・・・。

あとこの形式で業務ナレッジ(特にツールやガイド)をアウトプットすることで、今の組織を離れた後でも使えます。全然使っていいんです。
あたり前なんですが、便利だなと思います。

(2) 我々が実践で踏みならしたナレッジが誰かのお役にたつ

私たちがアウトプットしているものは鉄の掟があるとお伝えしました。そう、仕事で実践したことでないとだめなのです。

でも仕事で実践したものって踏みならされているものが、ままあるんですよね。
誰かにレビューされて、そして使われてダメなところは改善をして、そしてまた使われて。

そういった踏み鳴らしたものは一定の質が担保されていますし、使いやすい状態になっています。
例えばこの辺りなどのガイドやツールは、社内開発でも使っているものです。
アジャイル・スクラム開発ナレッジ
モバイルアプリケーション開発ノウハウ
全体テスト計画ガイド
外部からも使っていただいている様子を感じるのですが、完全フリーで公開しているので実態は把握できていません。

また技術事例が、再現可能な手順を記すことで同じテーマで困る人の役に立つというのは言うまでもありません。
活動する中で、周囲の協力体制を敷けば若手メンバが担当している仕事の中にも有益なナレッジが潜んでいることがわかってきました。

例えばこれらは↓当時1年目~3年目だったメンバによるアウトプットなのですが、多くの人に参考にされたり、一般にあまり知見が広まっていないことから注目されたりという反響を呼びました。
Dockerコンテナ上のJenkinsでコンテナをたててテストを実行する
Storybookを導入してみてわかった、導入おすすめプロジェクトの特徴
新人がAzureAppServiceを利用してWebサイトを作った話

(3) 我々の事を知ってもらえる

ここまで社名は出していませんが、私が老舗SIerな会社に属していることはうっすらお気づきかもしれません。
SIerではあるのですが、私たちはいわゆるSI開発だけでなく最近いろんなことに取り組んでいるのです。が、普通に過ごしているとそういうことはなかなか伝わりません。

しかし、発信し続けることで少しずつ、「あれ?SIだけじゃない??」という点が認知されてきている気がします。
新規事業を立ち上げるためのプロセス定義
新規事業に特化したエンジニアリングへの取り組み
XR開発事例
量子コンピュータ研究成果

結局、組織でアウトプットしている目的って何なんですか?

あっ。まさに、さっきの(1) (2)(3) です!(言うの遅い)

正確に、内部で掲げている文章を紹介すると、これです。

  • 共有・再利用による全社の開発競争力強化
  • ステークホルダーとの共通認識の深化・拡大によるWin-Win関係の構築
  • 外部から見た組織の技術力・開発力の評価向上

これを掲げるからこそ、インターネット上でアウトプットすることにこだわって活動しています。

さいごに

最初の方に「仕事の中で使ったナレッジ/得られたナレッジを外に出していいのか?」に対して「いい!」と書きましたがこれって決して一般的にあたりまえではないと思います。
でも今、完全とは言いがたいですが、私たちの中ではあたりまえになりつつあります。

この違いは何か?「アウトプットする文化が醸成されつつある」状態と感じます。

最初は本当に、私も含めてみんなに抵抗がありました。文化醸成は本当に試行錯誤しました。

組織で数値目標を立てて取り組んでみたり、「一度、事例書いてみようよ!」と手取り足取りして書いてもらったり。。
アウトプットの反響を展開して「すごいぞ!」と盛り上げてみたり・・・

ここも語り始めると長いストーリーがありますが(こっちの方がQiitaっぽい気がしてきた:sweat_drops:ニーズがあればいつか)、ひとまずこの辺りで。

前述したとおり、今のところ情報をオープンにしたことによる悪いことは見当たりません。

ということでアウトプットはいいぞ!

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