はじめに
GMOコネクト三浦です。
前回の記事では、天秤AIの「壁打ち機能」を使い、複数モデルの回答をマージする方法を紹介しました。
しかし、マージされた膨大な情報の中から、「結局、どの視点を優先して意思決定すべきか?」 という最終判断には、まだ人間のリソースが必要でした。
2026年1月29日にリリースされたばかりの天秤AIの 「天秤ジャッジ」 機能は、この「判断」の工程をAIがサポートしてくれる画期的な機能です。今回は、ジャッジ役に Gemini を指名し、Nginxセキュリティ設定の「最強の意思決定」を行うフローを解説します。
参考:公式リリースページ
【New Release】複数AIの回答をAIが比較して判定!「天秤ジャッジ」機能
1. 今回使用する「天秤ジャッジ」の評価フロー
天秤ジャッジは、複数のAIが生成した回答をさらに別のAIが分析・評価する機能です。今回は以下の5つのアウトプットを重視して進めます。
- 各モデルの回答評価: 各AIの提案内容を客観的にスコアリング。
- 抜けている視点・盲点の指摘: 全AIが見落としていたリスクの特定。
- 意思決定のための“判断ポイント”整理: 採用にあたって考慮すべき軸の明確化。
- 最適解の提示: 状況に合わせたベストな回答の選定。
- 最終的なチェックリストの生成: すべてを踏まえた完成版の出力。
2. 実践:Geminiをジャッジ役に指名する
天秤AIで複数モデル(ChatGPT, Claude, Gemini自身など)にNginxの設定案を出させた後、画面上の「天秤ジャッジ」をクリックします。
なぜジャッジ役に「Gemini」を選ぶのか?
Geminiは最新のドキュメント参照能力が高く、論理的な構造化に長けています。セキュリティのように「正確な構文」と「最新の攻撃トレンド」の両方が求められる分野では、非常にシビアで的確なジャッジを期待できるからです。
3. 天秤ジャッジによる分析結果の読み解き
ジャッジを実行すると、Geminiから以下のような鋭い分析が返ってきます。
① 回答の評価とおすすめ
- Geminiの評価例: 「ChatGPTの回答は初心者にも分かりやすいが、Claude 3.7の回答はよりHSTSやCSPの細かなパラメータ設定に踏み込んでおり、本番環境にはClaudeの案をベースにすべきです。」
② 抜けている視点・盲点(ここが重要!)
- 盲点の指摘例: 「全てのAIモデルが『デフォルトファイルの削除』や『非標準ポートの使用』に触れていません。また、2026年現在の最新のOpenSSL脆弱性に対する回避設定が欠落しています。」
- 気づき: 人間や単一のAIでは見落としがちな「全員が言っていないこと」を炙り出せます。
③ 意思決定のための“判断ポイント”
複雑な設定を導入するか迷った際の基準を整理してくれます。
- 保守性 vs 強固さ: 「この設定は堅牢ですが、運用の手間が増えます。小規模ならA案、大規模ならB案を推奨します。」
以下は実際の実行結果です。
ここまでの分析をボタンひとつで実施してくれるのは優秀ですね。
4. 最適解と最終的なチェックリストの完成
天秤ジャッジは、分析だけで終わりません。各モデルの良いとこ取りをし、盲点を補完した 「最終的なチェックリスト」 をその場で再構成してくれます。
得られた最終アウトプット(抜粋)
5. スプレッドシートへのエクスポート
この「ジャッジ済み」の高品質なリストをコピーし、スプレッドシートへ貼り付けます。
AIが「なぜこれが必要か」という判断ポイントまで言語化してくれているため、チーム内での合意形成が圧倒的にスムーズになります。
まとめ:おすすめの使い方
- まずは天秤AIで広範なアイデアを出す。
- 壁打ち機能で大枠をまとめる。
- 天秤ジャッジ(評価役:Gemini) で、客観的な評価と盲点の補完を行う。
- 最終的に得られた 「最適解」 をスプレッドシートで管理する。
このフローにより、単なる「AIの回答のコピペ」から脱却し、「根拠のあるセキュリティ対策」 を爆速で構築できるようになります。
最後に、GMOコネクトではサービス開発支援や技術支援をはじめ、幅広い支援を行っておりますので、何かありましたらお気軽にお問合せください。
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