はじめに
プロジェクトマネージャーの重要な役割の1つに、
クライアントとのミーティングを適切に運営する(ファシリテーション) という業務があります。
しかし現場では、
- 会議が散らかる
- 議論が脱線する
- 宿題が宙に浮く
- “誰がやるのか” が曖昧になる
- 認識ズレが解消しない
といった問題が起きがちです。
私は PM として 7 年以上、
大小のプロジェクトでクライアントミーティングを行ってきましたが、
その中で効果が高かった
「事前 → 本番 → 事後」 の一連の流れ を紹介します。
現場の習慣として使える内容です。
1. ミーティング前:必ずインナー(内部)MTGを行う
クライアントとの会議前に、
内部だけで15〜20分のインナーMTG を必ず行います。
ここでやることは大きく3つ。
1. スケジュール進捗の確認
遅れが出ていないかを確認し、
遅延がある場合は原因とリカバリ案を内部で決めておきます。
確認ポイント
- 今週の予定に対して進捗はどうか
- 遅延の原因は何か
- リカバリできるのか、できないなら代替策は何か
2. 内部課題の洗い出し
クライアントに見せるべき課題と、
内部で整理すべき課題は分けます。
分けることで
- クライアントに余計な不安を与えない
- 内部のボトルネックが見えやすい
- 頭の中がクリアな状態で会議に臨める
という効果があります。
3. クライアントMTGのアジェンダ決定
本番前に “会議のゴール” を強制的に明確化します。
アジェンダは短くても良いので、必ず明文化して事前共有します。
例:
- 進捗共有
- 懸念点・課題の確認
- 今週の作業内容
- 決めるべき事項
アジェンダがあるだけで会議は安定します。
2. ミーティング中:記録・進行・認識合わせの徹底
クライアントとの会議中に PM が行うべきことは
「議事録を取る」ではなく、
- 会議の構造を保つ
- 議論の目的からズレさせない
- 認識ズレを残さない
この3つです。
具体的には次の習慣を徹底します。
1. 会議は必ず録画する
録画しておくことで
- 発言の確認
- 引き継ぎ
- 記憶違いの防止
- 新しいメンバーへの共有
が正確になります。
録画されているだけで、参加者の集中度も上がります。
2. AIで議事録を自動生成しておく
Zoom・Notta・Teams などで
会議直後に自動で要約議事録ができるようにする。
PMは“議事録の作成者”ではなく
“議論の構造管理者”であるべきなので、
議事録はAIに任せるのが効率的です。
3. 会議の最後に「まとめ」を必ず行う
これをやらないと認識ズレが残ります。
必ず、PMが1分でまとめます。
・今日決まったこと
・宿題事項
・担当者
・期限
この4つが揃っているだけで、会議は成功します。
3. ミーティング後:すぐ振り返りのインナーMTGを行い課題を整理する
クライアントMTGが終わったら、そのまま内部だけの振り返りMTGに移行します。
ここでやることは2つ。
1. 内部課題とクライアント課題を分ける
会議の中で出た課題は「内部の問題」と「クライアント側の問題」が混ざります。
これを混ぜたままにすると作業の優先順位が狂います。
例:
| 内部課題 | クライアント課題 |
|---|---|
| コードのリファクタ検討 | 仕様の追加確認 |
| テスト環境の調査 | UI案の再レビュー |
こうして分けるだけで、タスクが自然と整理されます。
2. 宿題を明確化し、期限と担当を割り当てる
ミーティング後の数分で決めてしまいます。
- 何を
- 誰が
- いつまでに
- どうする
これが決まっていないと、結局また次回ズレが起きます。
4. まとめ:PMの役割は「会議を正しく構造化すること」
PMのファシリテーションで重要なのは会議を上手く回すことではなく、
- 準備ができているか
- 目的が揃っているか
- 構造が崩れていないか
- 認識ズレを残さないか
という 会議の“土台”を作ること です。
派手なテクニックではありませんが、
これらを丁寧に行うだけでプロジェクト進行は大きく安定します。