はじめに
先日、職場の上司にHPE ProLiant DL20 Gen9を譲っていただきました。
折角なので、自宅の検証環境としてESXiをインストールして使ってみることにします。
今回使用するDL20 Gen9には、HDDが2台搭載されており、内蔵のDynamic Smart Array B140iを利用してRAIDを構成できます。
そこで、HDD2台でRAID1を構成し、その論理ドライブ上にESXiをインストールすることを目標にしました。
ところが、最新のESXi8.0.3(2026/08時点)のインストールメディアから起動してみると、インストール先の選択画面にRAID1の論理ドライブが表示されません。
(個別の物理ドライブしか見えていない↓↓)
そこで今回は、この問題に対してPowerCLIのImage Builderを使用してカスタムiSOを作成し、RAID1の論理ドライブへESXiをインストールするまでの手順をまとめます。
原因:B140iにはhpdsaドライバが必要
DL20 Gen9に搭載されているDynamic Smart Array B140iは、サーバ内蔵のSATAポートを使って、ソフト寄りの方式でRAIDを組む仕組みという認識です。ESXiにB140i配下のRAIDを認識させるには、HPEが提供する専用ドライバhpdsaが必要になります。
ところが、このhpdsaはESXi7.0以降で新しいバージョンがサポートされていません。
そのため、現状のESXi8.0.3+B140iという構成では、そのままでRAID1の論理ドライブを認識させることができません。
方針
今回はhpdsaが対応しているESXiの中で、できるだけ新しいバージョンを使用するため、ESXi6.7を採用することにしました。
本来であればhpdsaがあらかじめ組み込まれているHPEカスタムイメージを使いたいところですが、必要なESXi6.7のイメージは既に公式配布が終了していました。
一方、hpdsa自体はオフラインバンドルとして入手できます。
そこで今回は、現時点で入手可能だったDell Custom ESXi 6.7U3をベースに、そこへhpdsaを追加したカスタムiSOを作成することにしました。
カスタムESXi ISOの作成
カスタムiSOの作成には、VMware PowerCLIに含まれるImage Builderを使用します。
VMware Image Builderとは?
VMware Image Builderは、ESXiのインストールイメージをカスタマイズするための仕組みです。
ESXi本体や追加したいドライバなどのソフトウェアパッケージSoftware Depot(部品置き場)に登録し、それらを組み合わせたイメージプロファイルを作成することで、用途に合わせた自分用のESXiインストールイメージを作成できます。
今回は、DellのカスタムESXiイメージにHPE製サーバ向けのドライバを追加するため、VMware Image Builderを使用します。
事前準備
PowerCLIおよびImage Builderの導入には、以下を参考にしました。
・PowerCLI Installation Guide
・VMware.ImageBuilder
また、本記事ではバージョン差によるエラーを回避するため、実際にISO作成まで確認できた以下のバージョンを明示的に指定して使用しています。
| 1 | 2 |
|---|---|
| VMware.ImageBuilder | 7.0.3.19599828 |
| Python | 3.11 |
カスタムISO作成手順
まず、以下のオフラインバンドルをダウンロードします。
・Dell Custom ESXi 6.7U3
・VMware vSphere 6.7用HPE Dynamic Smartアレイコントローラードライバー(バンドルファイル)
オフラインバンドルをSoftware Depotに登録します。
> $esxiDepot = Add-EsxSoftwareDepot ".\VMware-VMvisor-Installer-6.7.0.update03-19195723.x86_64-DellEMC_Customized-A17.zip"
> $hpdsaDepot = Add-EsxSoftwareDepot ".\hpdsa-6.0.0.76-1-offline_bundle-18283990.zip"
ESXiイメージプロファイルとhpdsaが登録されていることを確認します。
> Get-EsxImageProfile -SoftwareDepot $esxiDepot
Name Vendor Last Modified Acceptance Level
---- ------ ------------- ----------------
DellEMC-ESXi-6.7U3-19195723... Dell 2022/04/18 1... PartnerSupported
> Get-EsxSoftwarePackage -SoftwareDepot $hpdsaDepot
Name Version Vendor Creation Date
---- ------- ------ -------------
scsi-hpdsa 6.0.0.76-1OEM.600.0.0.2494585 HPE 2021/07/01 17...
登録したイメージプロファイルをベースに、カスタム用のイメージプロファイルを作成します。
> $custom = New-EsxImageProfile -CloneProfile DellEMC-ESXi-6.7U3-19195723-A17 -Name "ESXi-6.7U3-Dell-hpdsa" -Vendor "Custom"
hpdsaをイメージプロファイルに追加します。
> $hpdsa = (Get-EsxSoftwarePackage -SoftwareDepot $hpdsaDepot).Name
> Add-EsxSoftwarePackage -ImageProfile $custom -SoftwarePackage $hpdsa
Name Vendor Last Modified Acceptance Level
---- ------ ------------- ----------------
ESXi-6.7U3-Dell-hpdsa Custom 2026/08/28 1... PartnerSupported
カスタムイメージプロファイルにhpdsaが追加されていることを確認します。
> $custom.VibList | Where-Object {$_.Name -match "hpdsa"}
Name Version Vendor Creation Date
---- ------- ------ -------------
scsi-hpdsa 6.0.0.76-1OEM.600.0.0.2494585 HPE 2021/07/01 17...
最後に、作成したイメージプロファイルをISOファイルとして出力します。
> Export-EsxImageProfile -ImageProfile $custom -ExportToISO -FilePath ".\ESXi-6.7U3-Dell-hpdsa.iso"
ESXiのインストール
ここからは、作成したカスタムISOを使用して、通常のESXiインストール手順に沿って進めていきます。
まず、作成したISOファイルを使用してESXiのインストールUSBを作成します。今回はRufusを使用して、USBメモリへ書き込みました。
次にDL20 Gen9のBIOS設定から、[システムオプション] > [SATAコントローラーオプション] > [Dynamic SmartアレイRAIDサポートを有効]とします。
続いて、内蔵アプリケーションであるIntelligent Provisioningを起動し、RAIDの設定を行います。
今回は、2本のHDDを使用してRAID1の論理ボリュームを作成しました。
作成したインストールUSBをサーバーに挿し、USBからESXiインストーラーを起動します。
インストール先を選択する画面まで進めると...
無事、RAID1の論理ボリュームがインストール先として表示されました。
おわりに
今回の検証では、当初VMware Image BuilderおよびPythonに最新バージョンを使用していましたが、実行時に複数のエラーが発生し、ISOイメージを正常に作成することができませんでした。
試行錯誤した結果、ESXi 6.7が利用されていた世代に合わせて各ツールのバージョンを明示的に指定したところ、今回紹介した手順でISOイメージを作成できました。
なお、本記事ではすべてのバージョンの組み合わせを検証した訳ではありませんので、実際に試す際は適宜読み替えてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
動作環境
HPE ProLiant DL20 Gen9
HDD1TB×2
Dynamic Smart Array B140i
VMware.ImageBuilder 7.0.3.19599828
Python 3.11







