1.はじめに
こんにちは。
もう大学は卒業してるので若干タイトル詐欺になってしまい申し訳ありませんが、
私は学生時代に文系でIT未経験から半年で応用情報に合格しました。
今回はその勉強法や戦略について書いていこうと思います。
1.1. 経歴
時期 | 出来事 |
---|---|
2020年4月 | 早稲田大学教育学部国語国文学科に入学 |
コロナ禍でバイトと作曲に明け暮れる日々を送る | |
2022年4月 | ITパスポートの学習開始→5日後に合格(750点) |
2022年5月 | 基本情報技術者試験に不合格(午前67.5、午後58.5) |
2022年6月 | 情報セキュリティマネジメント試験に合格(午前70、午後78) |
2022年10月 | 基本情報技術者試験に合格(午前81.25、午後61) |
2022年10月 | 応用情報技術者試験に合格(午前60、午後68) |
2023年6月 | 某大手事業会社のSEとして内定 →翌年4月に入社 |
※補足:2022年当時は基本情報とセキュマネは通年ではなく年2回開催でした。
1.2. 対象読者
- 基本情報技術者試験のA問題で合格点を取っている
- プログラミングとかよくわからん
- 会社の昇進や就活のためにとにかく資格がほしい
2. 応用情報技術者試験とは
応用情報技術者試験(AP)は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、「ITエンジニアとして中級レベル」の知識と実務能力が問われます。試験は年2回(春・秋)実施され、IT業界ではキャリアアップや昇進のための登竜門として扱われています。
試験の概要
区分 | 内容 |
---|---|
試験方式 | 午前・午後の筆記試験(マークシート+記述) |
午前試験 | 80問マーク式(2時間) |
午後試験 | 11分野から5問出題(うち情報セキュリティは必須、残り4問選択)記述式(2時間30分) |
合格基準 | 午前・午後ともに60%以上の得点 |
試験範囲
- テクノロジ系(ハードウェア・ネットワーク・DBなど)
- マネジメント系(プロジェクト管理、サービス管理など)
- ストラテジ系(企業経営、法務、戦略立案など)
特に午後問題では「実務で遭遇するケーススタディ」的な問題が多く、単なる暗記よりも応用力と読解力が求められます。
3. 応用情報技術者試験の勉強法
3.1. 全体の戦略構想
戦略構想は最も重要な部分です。
本試験の合格基準は、午前午後どちらも60点を取ることです。
午後試験では情報セキュリティの他に4問大問を解く必要があります。
ここから逆算し、まずは午後問題で選択予定の分野を中心に午前の対策を重点的に行うという戦略を立てました。捨て分野を作っても午前で60点を取ることは可能です(当時SQL捨ててたのでSELECT文すら知りませんでした。今思うと信じられない...)。
次に、午後の選択問題の選定です。
午後は以下の問題から必修の情報セキュリティに加えて4問選択する必要があります。
1.情報セキュリティ(必修)
2.経営戦略
3.プログラミング
4.システムアーキテクチャ
5.ネットワーク
6.データベース
7.組込みシステム開発
8.情報システム開発
9.プロジェクトマネジメント
10.サービスマネジメント
11.システム監査
どの問題が簡単・どの問題が難しいとか色々言説が流れていますが、
正直どれ選んでも難しい時は難しいので運ゲーだと思います(ただし大問7の組込みは簡単な傾向)
私のおすすめは、あらかじめ6分野対策しておき、本番で問題を見て4分野選択することです。
では、どの問題を選択すべきなのでしょうか。
このような分け方はあまり良くない気がしますが、私の解釈では以下の通りです。(あくまで主観です)
↑文系寄り(文章読解力が求められる)
11.システム監査
10.サービスマネジメント
2.経営戦略
9.プロジェクトマネジメント
7.組込みシステム開発
5.ネットワーク
4.システムアーキテクチャ
6.データベース
8.情報システム開発
3.プログラミング
↓理系寄り(論理的思考力が求められる)
文系は上から6つ、理系は下から6つ選んでおけば間違いないと思います。
ネットワークは難しいってよく聞きますが、必修分野の情報セキュリティと相性が良いため相乗効果が生まれるので意外とおすすめです。
つまり、私が午前対策した分野は以下の通りとなります。
1.情報セキュリティ→情報セキュリティ
2.経営戦略→ストラテジ系全範囲
5.ネットワーク→ネットワーク
7.組込みシステム開発→コンピュータ構成要素・ソフトウェア・ハードウェア
9.プロジェクトマネジメント→プロジェクトマネジメント
10.サービスマネジメント→サービスマネジメント
11.システム監査→システム監査
その他:AI用語など単純暗記でいけそうなところ
この他の範囲は基本情報の知識で戦うことになります(意外といける)
※補足:ちなみに私が本番で選んだのは以下の4つでした。
5.ネットワーク
7.組込みシステム開発
9.プロジェクトマネジメント
11.システム監査
3.2. 午前の勉強法
まず使用した教材についてです。
インプット教材は「応用情報技術者 合格教本(技術評論社)」を使いました。
とても分厚いですが、先述の通り範囲を絞ってやれば全範囲読む必要はありません。
アウトプット教材はみなさんお馴染みの「過去問道場」を使いました。
次に勉強法についてです。
唐突ですが、フランスの哲学者・デカルトはこう言いました。
「困難は、分割せよ」 ーーーRené Descartes
全ての分野を学習してから一気にアウトプットするのは困難です。
分野ごとに参考書でインプット→過去問道場でアウトプットのサイクルを回していきましょう。
過去問道場には分野指定という非常に優れた機能があります。
例えばネットワーク分野の勉強をする場合、具体的な勉強法は以下の通りです。
① 参考書でネットワークの章を通読する(時間をかけすぎない!)
② 過去問道場の「分野指定」でネットワークの問題だけひたすら解きまくる
③ 復習ノートに間違えた用語や意味・考え方をメモしていく
④ メモした用語について自分の言葉で説明できるようにする
⑤ 過去問道場の復習機能で間違えた問題を解く(全問正解まで持っていく)
ここまで行なってようやく次の範囲...かと思いきやそうではありません。
知識がホヤホヤなうちにさっさと午後対策までしてしまいましょう。
3.3. 午後の勉強法
実は午後で求められる知識は午前ほど多くはありません。
午後のアウトプット教材は「応用情報技術者 午後問題の重点対策」を使いました。
勉強法の前に、午後試験で最も重要な考え方から説明します。
客観的に読む。本文中から根拠を探す。主観で答えない。
とにかくこれに尽きます。文系受験生なら必ず叩き込まれる受験現代文の鉄則ですが、意外と理系ではこれを意識できていない人が多いです。
午後試験の解答方法は主に下記の2パターンです。
①本文中に解答が明記されていてそれをコピペするパターン
②本文中の記述をもとに知識を用いて解くパターン(主観ではなく「知識」です)
どちらにも共通しているのは、本文中に根拠があるということです。この意識を徹底してください。
本文中に根拠がないパターンも稀にありますが、明らかに簡単か明らかに難しいので気にする必要はありません。
次に、勉強法についてです(お待たせしました)。
午後も午前と同様、復習がとても大事です。
正解しなかった問題については、先ほど説明した①②のどちらかを分析し、参考書で説明されている解答の根拠を再現できるようになるまで読み込んでください。
この際に、『重点対策』だけでなく『合格教本』や復習ノートも一緒に見返すと復習効率が爆上がりします。
正解していた問題についても解答の根拠が参考書の通りになっていたか確認してください。
※補足:どうしても読解が苦手な人へ
次のどちらかの参考書をやっておくといいかもしれません。
2冊とも入試現代文の初級レベルの参考書です。文章を客観的に読むとはどういうことか理解できると思います。
自分語りで申し訳ないですが、高校時代国語の偏差値30台だったところから早稲田の国文科に入りました。文章読解力はセンスではなく努力で伸びます。 センスなくても安心してください。
4. その他
4.1. 模試について
応用情報はじめ、IPA試験には資格予備校が開催している模試があります。
CBTの基本情報までとは異なり、応用情報からはPBTになるので、本番に近い臨場感やメンタルマネジメントを経験しておきたいという場合は受けてもいいと思います(必須ではないと思いますが)。
私は一応TACの模試を受けました。
午後はもう反省点だらけですが、午前で戦略通りに点数が取れなかった(取るべき分野が低く捨て分野の基礎理論がたまたま高得点)ことも反省点として実感できました。
学べるものは大きかったと思います。
4.2 学習スケジュールについて
5月の時点で基本情報午前合格レベルの知識はありましたが、応用情報の対策を始めたのは実は9月でした。
ただし、9月は大学の夏休みだったため応用情報の学習に毎日6時間×丸々1ヶ月ほど時間を割くことができました。
夏休み明けに演習の発表が控えていたため、夏目漱石『夢十夜』の発表資料を作りながら応用情報の勉強をする、というわけのわからない生活をしていました。
午前と午後の勉強の割合としては8:2くらいだったと思います。
4.3.合格したメリット
就活で圧倒的に差別化できました。 未経験ながらにもIT業界への適性と熱意は相当に伝わったと思っています。
入社後周りに聞いたところ、基本情報を持っていた人はそこそこいましたが応用情報まで持っていたのは私だけでした。
5. おわりに
今回は応用情報技術者試験の勉強戦略と勉強法について解説しました。
次回受ける人はぜひこの記事を参考に頑張ってください。