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【Amazon Bedrock #1】AWSの生成AI基盤「Amazon Bedrock」とは?

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Last updated at Posted at 2026-03-02

はじめに

こんばんは、mirukyです。
Amazon Bedrock シリーズ第1回です。

これまでAmazon Connectシリーズの中で何度か登場してきたAmazon Bedrockですが、今回からはBedrock自体を主役にしたシリーズを始めようと思います。

生成AIを業務に導入したいけど、「どのモデルを使えばよいかわからない」という方は多いと思います。実際に、自分がそうでした。

Amazon Bedrockは、この悩みをまるっと解決してくれるAWSのフルマネージド生成AI基盤サービスです。

第1回となる今回は、Bedrockの概要・主要機能・利用できるモデル・料金体系・最新動向を一気に解説します。2026年3月時点の情報をもとにしており、料金やリージョン対応状況などは変更される可能性がありますので、必ず公式ドキュメントも併せてご確認ください

出典:Amazon Bedrock - AWS

目次

  1. Amazon Bedrockとは
  2. Bedrockで利用できるAIモデル
  3. Bedrockの主要機能
  4. 料金体系
  5. 東京リージョンでの利用状況
  6. 2026年の最新トピック
  7. おわりに

1. Amazon Bedrockとは

Amazon Bedrockは、AWSが提供するフルマネージドの生成AI基盤サービスです。

一言でいうと、「複数の最先端AIモデルを、単一のAPIで安全に使えるプラットフォーム」 です。

スクリーンショット 2026-03-02 22.09.36.png

従来の生成AI導入の課題

生成AIを自社サービスに組み込もうとすると、通常は以下のような課題に直面します。

  • GPUサーバーの調達・管理が必要
  • AIモデルごとにAPIの仕様が異なる
  • セキュリティ・データプライバシーの担保が難しい
  • モデルの更新・切り替えに大きなコストがかかる

Bedrockが解決すること

Amazon Bedrockを使えば、これらの課題を以下のように解決できます。

課題 Bedrockによる解決
GPUサーバーの管理 フルマネージドなのでインフラ管理不要
APIの違い 統一されたAPI(Converse API等) で複数モデルを利用可能
セキュリティ IAM連携・VPCエンドポイント・データ暗号化が標準装備
モデル切り替え modelIdを変えるだけで別モデルに切替可能
データプライバシー 入出力データはモデルの学習に一切使用されないことを保証

データプライバシーの保証
AWSは契約上、Bedrockに送信されたデータがモデルのトレーニングに使用されないことを保証しています。エンタープライズで生成AIを導入する際の最大の懸念であるデータ流出リスクを、サービス設計レベルで排除しています。

出典:データ保護 - Amazon Bedrock - AWS

2. Bedrockで利用できるAIモデル

Bedrockの最大の特徴は、複数のAIプロバイダーのモデルを1つのサービスから選んで使えることです。

2026年3月時点で、Bedrock上では多数のモデルが利用可能です。主要なモデルを整理します。
スクリーンショット 2026-03-02 22.10.54.png

主要モデル一覧

プロバイダー モデル名 対応タスク 特徴
Anthropic Claude Sonnet 4.6 テキスト生成・分析・コード 100万トークンのコンテキストウィンドウ(ベータ)。コーディング・エージェント用途に強み
Anthropic Claude 3.5 Sonnet テキスト生成・画像理解 バランス型。エンタープライズ用途で安定
Anthropic Claude 3 Haiku テキスト生成 高速・低コスト。大量処理やFAQ向き
Amazon Nova Pro テキスト・画像・動画 高精度マルチモーダル。複雑な分析に最適
Amazon Nova Lite テキスト・画像・動画 コストパフォーマンスに優れたマルチモーダルモデル
Amazon Nova Micro テキスト 低コスト・低レイテンシ
Amazon Nova Canvas 画像生成 テキストから高品質画像を生成
Amazon Nova Reel 動画生成 テキスト/画像から動画を生成
Meta Llama 3 8B / 70B テキスト生成 OSSベース。ファインチューニング可能
Mistral Mistral Large テキスト生成 高い推論能力。多言語対応
Amazon Titan Embeddings V2 テキスト埋め込み RAG用ベクトル検索に最適
Amazon Titan Image Generator 画像生成 透かし付き画像生成
OpenAI GPT-OSS 等 テキスト生成ほか Responses API経由で利用可能

モデルの提供状況は変動します
利用可能なモデルやリージョン対応は頻繁に更新されます。必ず以下の公式ドキュメントで最新状況をご確認ください。

出典:Amazon Bedrock でサポートされている基盤モデル - AWS

モデル選びの指針

用途に合わせて、以下のように選ぶのがおすすめです。
スクリーンショット 2026-03-02 22.06.47.png

Converse APIで統一的に利用

BedrockではConverse APIを使えば、どのモデルも同じリクエスト形式で呼び出せます。モデルを切り替えたい時はmodelIdを変えるだけです。Amazon Connectシリーズ#4で紹介したConverse APIの強みがここにあります。

import boto3

client = boto3.client("bedrock-runtime", region_name="ap-northeast-1")

response = client.converse(
    modelId="anthropic.claude-sonnet-4-6-20260214-v1:0",  # ← ここを変えるだけでモデル切替
    messages=[
        {
            "role": "user",
            "content": [{"text": "Amazon Bedrockの主な特徴を3つ教えてください。"}]
        }
    ]
)

print(response["output"]["message"]["content"][0]["text"])

Converse API
従来はモデルごとにリクエスト形式が異なっていましたが、Converse APIによりどのプロバイダーのモデルでも同一のインターフェースで呼び出せます。modelIdを差し替えるだけでClaude → Nova → Llamaと切り替えられるため、モデルの比較検証やコスト最適化が容易になります。

出典:Converse API を使用する場合 - AWS

3. Bedrockの主要機能

スクリーンショット 2026-03-02 22.09.04.png
Bedrockは単なる「AIモデルのAPI」ではありません。生成AIを安全に、実用的に活用するためのエコシステムを丸ごと提供しています。

機能の全体像

スクリーンショット 2026-03-02 22.02.39.png

以下、特に重要な機能を解説します。

3-1. Knowledge Bases(ナレッジベース)

スクリーンショット 2026-03-02 22.16.21.png

RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成) を実現する機能です。

S3に格納した社内文書・FAQ・マニュアルなどを自動でベクトル化し、ユーザーの質問に対して関連する情報を検索してからAIが回答を生成します。

これにより、AIが学習していない情報であっても、社内データに基づいた正確な回答が可能になります。

Amazon ConnectシリーズではBedrockナレッジベースを活用
Amazon Connect #3では、このKnowledge Basesを使って自然言語×RAGによるAIコンタクトセンターを構築しました。

3-2. Agents(エージェント)

AIが自律的にタスクを分解・実行する機能です。

例えば「○○のデータを取得して、集計して、レポートを作成して」のような複合的な依頼を、AIが自動で以下のように処理します。

  1. タスクを分解(データ取得 → 集計 → レポート作成)
  2. 必要に応じてLambdaやAPIを呼び出す
  3. 結果を統合してユーザーに返す

3-3. Guardrails(ガードレール)

生成AIの安全性を担保する仕組みです。入力・出力の両方に対して以下のようなフィルタリングが可能です。

フィルター種別 内容
コンテンツフィルター 暴力・差別・性的表現などの有害コンテンツをブロック
拒否トピック 禁止したい話題(例:投資助言)を自然言語で指定
機密情報フィルター 個人情報(PII)を自動検知してマスク・ブロック
コンテキストグラウンディング ハルシネーション(事実と異なる回答)を抑制
プロンプト攻撃対策 Jailbreakやプロンプトインジェクションを検知

エンタープライズで生成AIを導入する際には欠かせない機能です。

3-4. Structured Outputs(構造化出力)

2026年2月にGA(一般提供開始)された機能です。

JSONスキーマを指定することで、モデルの出力を厳格にフォーマット制御できます。「AIの出力をそのままAPIレスポンスにしたい」「後続の処理に渡しやすい形式で出力してほしい」といった実務ニーズに直接応える機能です。

出典:Amazon Bedrock で構造化出力が使用可能に - AWS

3-5. AgentCore

AIエージェントを本番環境で安全・安定的に運用するための基盤です。

コンポーネント 役割
AgentCore Runtime サーバーレスでエージェントをホスティング
AgentCore Memory エージェントに短期・長期記憶を付与
AgentCore Gateway API / Lambda連携のゲートウェイ
AgentCore Identity エージェントのID・権限管理
AgentCore Observability ログ・監視・トレーシング

AgentCoreはフレームワーク非依存(CrewAI、LangGraph、LlamaIndex、Strands等に対応)で、Bedrock以外のモデルとも組み合わせて利用可能です。

出典:Amazon Bedrock AgentCore - AWS

4. 料金体系

Bedrockの料金は完全従量課金制で、初期費用は一切かかりません。

3つの課金モデル

課金モデル 特徴 おすすめの用途
オンデマンド 使った分だけ支払い。入出力のトークン数で課金 PoC・小規模利用・検証
プロビジョンドスループット 処理能力を事前予約。時間単位の固定料金で割引 本番環境・大量リクエスト
バッチ推論 大量データを一括処理。オンデマンドより割安 夜間の大量データ処理

主要モデルの料金目安

以下は記事執筆時点(2026年3月)での参考価格です。
スクリーンショット 2026-03-02 22.20.20.png

モデル 入力(100万トークンあたり) 出力(100万トークンあたり)
Claude Sonnet 4.6 $3.00 $15.00
Claude 3 Haiku $0.25 $1.25
Nova Pro $0.80 $3.20
Nova Lite $0.06 $0.24
Nova Micro $0.04 $0.14

料金は変更される可能性があります
上記はAWS公式Pricingページおよび各プロバイダーの公式情報をもとにした執筆時点の参考値です。リージョンやモデルバージョンによって異なる場合があります。必ず以下の公式ページで最新料金をご確認ください。

また、日本語は英語に比べてトークン消費量が多くなる傾向があります(目安として日本語1文字 ≒ 1〜3トークン程度)。コスト見積もりの際は余裕を持たせることをおすすめします。

出典:

5. 東京リージョンでの利用状況

日本から利用する際に「東京リージョンで何が使えるのか」は気になるポイントです。

東京リージョン(ap-northeast-1)について

Amazon Bedrockは2023年10月から東京リージョンで利用可能になっています。ただし、利用可能なモデルはリージョンによって異なり、頻繁に更新されます

2026年3月時点では、以下のような傾向が見られます。

  • Anthropic Claude系やAmazon Nova/Titan系の一部モデルは東京リージョンで直接利用可能
  • 最新モデルや一部プロバイダーのモデルは、東京リージョン単独では利用できず、クロスリージョン推論(後述)での利用となる場合がある
  • Knowledge Bases、Agents、Guardrailsといった主要機能は東京リージョンで利用可能

必ず公式のリージョン対応表を確認してください
モデルごとのリージョン対応状況は頻繁に変わります。以下の方法で最新情報を確認することをおすすめします。

方法1:公式ドキュメント
Amazon Bedrock の AWS リージョンでのモデルサポート - AWS

方法2:AWS CLIで確認

aws bedrock list-foundation-models --region ap-northeast-1

このコマンドで、東京リージョンで利用可能なモデルの一覧を取得できます。(出力は非常に長くなります)

クロスリージョン推論とは

東京リージョンで直接利用できないモデルでも、クロスリージョン推論を使えば、リクエストが自動的に対応リージョン(バージニア北部、オレゴン等)にルーティングされて利用可能になります。

推論プロファイルの注意点
東京リージョンでクロスリージョン推論を利用する場合、一部のモデルでは推論プロファイルのプレフィックスが他のAPACリージョンと異なる場合があります(例:jp.anthropic. プレフィックス)。利用時はAWSコンソールまたはCLIでモデルIDを確認してください。

6. 2026年の最新トピック

最後に、2026年に入ってからの注目トピックをまとめます。以下はいずれもAWS・OpenAI・Anthropicの公式発表に基づいた情報です。

6-1. Amazon × OpenAI 戦略的提携(2026年2月27日発表)

スクリーンショット 2026-03-02 22.24.35.png

AmazonとOpenAIが戦略的パートナーシップを締結しました。Amazonの公式プレスリリースおよびOpenAIの公式発表によると、主な内容は以下の通りです。

  • Stateful Runtime Environment:OpenAIとAWSが共同開発した、AIエージェント向けのステートフルランタイム環境がAmazon Bedrockで提供される
  • OpenAI Frontier:OpenAIのエンタープライズ向けAIエージェントプラットフォーム「Frontier」がAWSを通じて配信される
  • 投資:AmazonがOpenAIに対し投資を行い、OpenAIはAWSのTrainiumチップを活用する

出典:

6-2. Claude Sonnet 4.6 リリース(2026年2月17日)

スクリーンショット 2026-03-02 22.25.02.png

Anthropic社の公式発表によると、Claude Sonnet 4.6は以下の特徴を持つモデルとしてリリースされました。

  • 100万トークンのコンテキストウィンドウ(ベータ)
  • コーディング・コンピューター操作・エージェント用途での性能向上
  • API利用料金は入力 $3 / 出力 $15(100万トークンあたり)で、Sonnet 4.5と同等
  • Amazon Bedrockでも利用可能

出典:

6-3. Structured Outputs GA(2026年2月)

スクリーンショット 2026-03-02 22.25.19.png

JSONスキーマによる出力フォーマットの厳格制御機能が一般提供開始(GA)されました。Converse API、InvokeModel API等で利用可能です。

出典:Amazon Bedrock で構造化出力が使用可能に - AWS

6-4. AgentCore

スクリーンショット 2026-03-02 22.26.02.png

AIエージェントの本番運用基盤「AgentCore」が提供されています。サーバーレスランタイム、メモリ機能、ゲートウェイ、ID管理、監視機能を統合的に提供します。

出典:Amazon Bedrock AgentCore - AWS

6-5. OpenAI Responses API対応

スクリーンショット 2026-03-02 22.26.27.png

BedrockがOpenAIのResponses APIに対応し、OpenAI SDKからBedrockのモデルを呼び出せるようになりました。既存のOpenAI向けコードからの移行が容易になっています。

出典:Amazon Bedrock で OpenAI の Responses API をサポート - AWS

7. おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回は、AWSの生成AI基盤サービスAmazon Bedrockの概要を解説しました。

Amazon Bedrockは、「生成AIを安全に、手軽に、スケーラブルに使いたい」というニーズに対する、現時点で最も包括的な解答の一つです。AWSの豊富なサービス群(Lambda、DynamoDB、S3、Connect、Lexなど)との連携がネイティブに行えるのも、AWSユーザーにとっては大きなメリットといえます。

次回#2では、実際にAWSコンソールからBedrockを触り始めるハンズオンを行います。Anthropicモデルの利用申請からプレイグラウンドでの対話体験まで、手を動かしながら進めていきましょう。

ではまた、お会いしましょう。

参考リンク

Amazon Bedrock 公式ドキュメント(日本語)

2026年の公式発表

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