はじめに
2025年は、私にとって激動の1年になりました。
4月にメンバーからチームリーダー(以下TL) になり、その半年後の10月には グループリーダー(以下GL) になりました。
現在の体制は以下の通りです。
- グループ全体: 9名
- チーム構成: Aチーム(5名)、Bチーム(4名)
- 私の役割: グループ全体を見つつ、AチームのTLも兼務(プレイング含む)
肩書きが変わる中で、「1人のプレイヤー」から「エンジニアリングマネージャー」へと、求められる役割や視点が大きく変化していることを肌で感じています。
この記事では、短期間で役割が変わる中で、私がどういう壁にぶつかり、どう思考をアップデートしてきたのかを書き残します。 同じようにプレイングとマネジメントの間で揺れ動いている方や、リーダーとしてのキャリアを歩み始めた方にとって、一つの参考になれば幸いです。
第1章:メンバーから「TL」へ(4月〜9月)
4月からTLとなり、自分のタスク管理や成果だけでなくチーム全体のことを考える立場となりました。
これまでの社会人経験の中で初めての 脳の使い方のモードチェンジ に苦戦しました。
1. 頭の切り替えが追いつかない
メンバーだった頃は、自分のタスクに集中するのが仕事でした。しかしTLになると、自分の実装を進める時間と同じくらい、メンバーからの相談に乗ったり、レビューをして方針を示したりする時間も重要になります。
- 目の前のタスクについて深く思考する「実装モード」
- メンバーへの働きかけ(相談やレビュー)をする「対話モード」
どちらもチームにとって必要なことだからこそ、この性質の異なる業務を行き来するモードチェンジに苦戦する日々が続きました。
2. 「細かく全部見たい」という葛藤
TLになった以上、チームの品質や納期を守る責任は自分にあります。メンバーのミスは、私の確認不足です。
そうなると、どうしても 「できる限り自分でチェックしたい」「スムーズに進めるために助言したい」 という気持ちが出てきてしまいます。
でも、コードの1行1行、仕様の細かいニュアンスまで全部私が確認していたら、メンバーは窮屈ですし、チーム全体のスピードも落ちてしまいます。
- 「ここまで口出ししたら、インプットや試行錯誤の機会を奪ってしまうかな?」
- 「かといって任せきりにして、大きな遅延や失敗が生まれたらどうしよう」
「メンバーを信じて任せたい」 気持ちと 「責任者として怖い」 気持ち。
この2つの間で揺れ動きながら、ちょうどいい距離感を探り続ける半年間でした。
第2章:さらに「GL」へ(10月〜現在)
仕事のリズムが掴みきれないまま、10月からはグループ全体のことも考えるGLになりました。
ここでは、TL時代とはまた違う種類の悩みに直面しています。
1. プレッシャーをかけすぎず、生産性を上げるには
GLになると、上司からは「グループの生産性向上」「メンバーの育成」といった要望が降りてきます。
私のグループのメンバーはとても協力的で、期待に応えようと多少無理をしてしまうタイプが多い印象です。だからこそ、上からの要望をそのまま「こう言われたからやって」と伝えてはいけないなと感じています。
- いかに健全な危機感を持ってもらい、グループを前進させるか
- いかに過度な負担をかけず、みんなが働きやすい環境を守るか
このバランスが本当に難しいです。
上からの言葉をどう噛み砕いて伝えるか、どのくらいの温度感で話すか。「グループを守る」 ことと 「成果を出す」 ことの両立には、今も悩みながら向き合っています。
2. 時間軸の違い
もう一つの変化は、時間軸の違いです。
これまでは、目の前のタスクを中心とした「短期〜中期的な課題」に取り組んでいれば評価されました。
でもGLとしては、それらは他のメンバーに任せて、自分は 「急ぎじゃないけど、大事なこと=中長期的な課題」 に時間を使わなければいけません。
- グループの体制強化
- メンバーコンディションの管理
- グループ全体の雰囲気作り
つい、目の前のタスクを片付けたくなってしまうのですが、「半期後のグループの状態」 のために今の時間を使う。この頭の切り替えも、現在進行形で苦戦しているポイントです。
これからの目標
この9ヶ月を通して、エンジニアリングマネージャーとして見るべき景色が広がりました。
次のステップは、この視点に見合うよう 意識と行動を変える ことだと思っています。
意識
- 自分のタスクだけでなく、組織全体のリソースや効率を俯瞰して見る
- 目の前の課題だけでなく、中長期的な時間軸で物事を捉える
行動
- メンバーがより自律的に動ける仕組みや環境を整える
- チームとして高いパフォーマンスを出せる状態を目指す
プレイヤーとしての楽しさも残しつつ、組織のパフォーマンスを最大化できるリーダーになれるよう、これからも挑戦を続けていきます。