note 版:mintototo1
Zenn 版:mintototo1
Claude Code に月$100、Cursor に月$20、合計3ヶ月で払った。
結論から言う。今は Claude Code しか使っていない。
ただし「Cursor が劣る」という話ではなく、用途が根本的に違うという話だ。
▼ 前提:俺のユースケース
個人開発でSaaSを複数本走らせている。スタックは Next.js + Supabase + Vercel で固定。1つのリポジトリのコード量はだいたい2〜5万行。外部API連携が多く、DBスキーマ変更が頻繁に発生する。
つまり「ちょっと補完したい」ではなく「大きな変更を一気に実装したい」という使い方がメインだ。一人開発だから、時間単価を最大化することが最優先になる。補完の気持ちよさより、タスク完了速度のほうが重要だ。
▼ Cursor の強みと限界
Cursor はエディタ統合が本質だ。VS Code ベースで動くから、既存の拡張や keybinding をそのまま使える。補完の精度も高く、特に「今まさに書いている関数の続き」を予測する Autocomplete は体験が良い。
Cmd + K でインライン編集、Cmd + L でチャット、使い分けが直感的。コードを選択して「このバグ直して」と言えば、そのファイルの文脈だけで答えてくれる。
ただし、ここが壁だった。
複数ファイルにまたがる変更に弱い。例えば「認証フローをメールOTPからClerkに移行したい」という作業をCursorに任せると、こうなる。
- app/api/auth/route.ts は直してくれる
- middleware.ts の修正を忘れる
- lib/supabase/server.ts のセッション取得ロジックは手動
- 環境変数の追加を教えてくれるが .env.example は更新しない
Cursor はファイル単位で考える。リポジトリ全体を俯瞰して「この変更が何に影響するか」を追う力が弱い。変更規模が大きくなるほど、「ここ直した?あそこも直した?」という確認コストが積み上がっていく。
もう一つの限界はコンテキストウィンドウの管理だ。長いチャットを続けると前半の文脈が抜け落ちる。「さっき言ったじゃないか」が発生する。途中でチャットをリセットして文脈を再注入する手間がある。
▼ Claude Code の強みと限界
Claude Code はターミナルで動く。エディタではない。最初はこれが違和感だった。「なんでVSCodeで動かないんだ」と思った。
使い込んでわかったのは、ターミナルであることが強みだということだ。
ファイルシステムへのアクセス、コマンド実行、git操作、全部ストレートにできる。「認証フローをClerkに移行して、関連するファイルを全部直して、マイグレーションを実行して、テストを通してくれ」と言うと、本当にそれをやってくれる。
# Claude Code が実際にやること
- リポジトリ構造を読む
- 影響範囲を特定する
- ファイルを順番に編集する
- npm install を実行する
- supabase db push を実行する
- npx tsc でエラーを確認する
- エラーがあれば自動で直す
これが Cursor との本質的な差だ。Cursor は「コードを書く補助」で、Claude Code は「タスクを実行する代理人」だ。
限界もある。
エディタ統合がないから、視覚的なフィードバックが薄い。コードを書きながら「ここのロジック、もうちょっと最適化できないか」と思った瞬間に試す、という体験は Cursor の方が速い。
あとコストが高い。Cursor は月$20固定だが、Claude Code は使えば使うほど課金される。大きなリファクタリングを一気にやると$10〜$20飛ぶ。月の合計で$50〜$100になることがある。
▼ 実コード比較:同じタスクをそれぞれに投げた
タスク:Supabase のユーザーテーブルにプロフィール情報を追加し、既存のAPIを全部更新する
Cursor でやった時のフロー:
1. チャットでスキーマ変更を相談 → SQLを提案してもらう
2. 手動で supabase/migrations/ にファイルを作成
3. migration を手動で実行
4. 影響するAPIファイルを一個ずつ開いてインライン編集
5. 型定義ファイルを手動で更新
6. 影響を見落としたファイルを後から発見して修正
合計時間:約90分
Claude Code でやった時のフロー:
1. 「プロフィールテーブルを追加して、関連API全部更新して」と言う
2. 待つ
合計時間:約15分
実際に Claude Code が実行したコマンド群:
# Claude Code の実行ログ(抜粋)
supabase migration new add_profile_fields
# → migration ファイルを生成・編集
supabase db push
# → マイグレーション実行
grep -r "users" app/api/ --include="*.ts" -l
# → 影響ファイルを特定
# → 各ファイルを編集
npx supabase gen types typescript --local > types/database.types.ts
# → 型定義を自動再生成
npx tsc --noEmit
# → 型エラーがないか確認・修正
これを手でやると90分かかる。Claude Code は15分でやる。この差は大規模変更になるほど広がる。
▼ 3ヶ月使って感じた細かい差
使い続けて気づいた、数値化しにくいけど重要な差をメモしておく。
CLAUDE.md の存在
Claude Code には CLAUDE.md というファイルにプロジェクトの文脈を書き込める。「このリポジトリはこういうスタック」「このコマンドでデプロイ」「このパターンは使わないで」といった制約を一度書いたら、以降のすべての会話に自動で適用される。
Cursor の System Prompt(.cursorrules)にも同じような機能はあるが、ファイルシステム操作やコマンド実行と組み合わさると Claude Code のほうが実際の制御精度が高い。
エラー自己修正
Claude Code にタスクを投げると、コンパイルエラーが出たときに自分でエラーを読んで修正を試みる。Cursor はエラーを「伝える」が「直す」は手動になることが多い。この差が積み重なる。
マルチタスク的な動き
Claude Code は同時に複数の worktree を走らせることができる。「こっちの機能を実装しながら、別のウィンドウで別のバグを直す」ができる。Cursor は基本的に1つのチャットスレッドで1つの作業だ。
コスト感覚が変わった
Claude Code を3ヶ月使って、「AIにどれだけ任せるか」の感覚が完全に変わった。以前は「この作業、自分でやったほうが速いかも」と躊躇していた。今は「時間 vs 課金コスト」で判断する。自分が1時間かける作業がAIなら10分で終わるなら、$5課金しても余裕で元が取れる。この感覚の転換が、使い続けて生まれた一番大きな変化だ。
▼ 価格・速度・DX・ロックイン:項目別評価
価格
Cursor: 月$20固定(Pro)、安定して予測しやすい
Claude Code: 従量課金、$20〜$100/月でぶれる
→ 軽い使い方なら Cursor が圧倒的にコスパ良い
速度
Cursor: 補完はリアルタイム、大きな変更は手動が多くトータル遅い
Claude Code: 補完なし、タスク実行は速い、待ち時間あり
→ 目的による。補完速度なら Cursor、タスク完了速度なら Claude Code
開発体験(DX)
Cursor: エディタ内で完結、視覚的、直感的
Claude Code: ターミナル、テキスト中心、最初は慣れが必要
→ エディタ派は Cursor、ターミナル派は Claude Code
ロックイン
Cursor: VS Code エコシステムに依存、他エディタへの移行コストあり
Claude Code: ターミナルベースでエディタ非依存、ただし Anthropic API に依存
→ どちらもロックインはある、性質が違う
シーン別推奨
| シーン | Claude Code | Cursor |
|---|---|---|
| 大規模リファクタリング | ◎ | △ |
| 新機能をゼロから実装 | ◎ | ○ |
| 小さなバグ修正 | ○ | ◎ |
| コードレビュー中の修正 | △ | ◎ |
| 補完ベースの入力補助 | ✗ | ◎ |
| DB マイグレーション | ◎ | △ |
| テスト自動生成 | ◎ | ○ |
| コードの意味を質問 | ○ | ◎ |
▼ 俺の最終的な使い分け
今は Claude Code をメインにして Cursor をたまに補助的に使っている。
Claude Code でやること:
- 新機能の実装(ゼロから)
- 大規模リファクタリング
- バグの根本原因特定と修正
- テストの追加
- ドキュメント生成
- CI/CD 設定
Cursor でやること:
- コードを読みながら「この行の意味教えて」系
- 補完ベースのちょっとした追加(10行以下の変更)
- 休憩中に軽く眺めるレビュー
比率でいうと Claude Code 9:Cursor 1 ぐらいに変わった。最初は半々だったのが、大きな変更を任せるたびに Claude Code への依存が増えた。
▼ 3ヶ月使って出た結論
「どっちが良いか」ではなく「何をしたいか」で選ぶべきだ。
補完と小さな変更が中心なら Cursor の$20は破格だ。Cursor は本当によくできたツールで、使いやすさではトップクラスだと思う。エディタの中だけで完結したい人には今でも真剣に勧められる。
でも「タスクを自律的に完了させたい」「複数ファイルにまたがる変更を一括でやりたい」「DBマイグレーションからデプロイまで一気にやらせたい」なら Claude Code しかない。今の個人開発のペースを作れているのは Claude Code があるからで、これなしに戻れる気がしない。
どちらも試せるなら、1ヶ月ずつ試すのが一番良い。自分の開発スタイルに合う方が圧倒的に良い体験になる。自分の「メインのタスク」が何かによって答えは変わる。
Build Log は毎週更新している。次は Vercel vs Cloudflare Pages を書く予定。
──
俺が運営してるプロダクト
VideoTracker — 不動産業者向け動画自動生成 SaaS
動画1本¥596。SUUMO 問合せ平均1.8倍。
→ https://komugi-ai.jp/realestate
Mint Agent — Slack で AI に話しかけて業務代行(近日リリース)
議事録投稿・メール返信・データ集計が Slack 内で完結
→ ベータ Waitlist:https://agent.komugi-ai.jp
Forge — 企業向け AI 実装・運用ファーム
構築 → 評価 → 運用まで一気通貫で請け負う
→ https://forge.komugi-ai.jp
業務効率化・SaaS 開発相談 → X DM @mintnekoneko0
過去記事まとめ:https://note.com/mintototo1