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TL;DRは用法・用量を守って正しくお使いください

Last updated at Posted at 2019-12-29

要約

  • 今読んでいるところがTL;DR。すなわち要約。
  • TL;DRはネットスラング。フォーマルには使えない。
  • TL;DRに限らず、なんとなくで使わない。

TL;DRとは

Qiitaの記事序盤によく見かける言葉の1つです。
Too Long ; Don't Readの略で、訳すと「(この記事は)文章が長すぎて読めなあぁい(半ギレ)」となります。これが転じて「要約」という意味あいで使われるようになりました。

もともと非難の意味がある

TL;DR自体、インターネット上のスラングに位置付けられている言葉です。直訳でわかるように、冗長な文章を投稿したユーザーに対する非難の意が込められています。
これを、「これからちょっと長い文章を書くけれど、はじめにまとめを書いておくから許してね」という自戒の意とした利用法が転じて、現在の要約にたどり着いたものだと推測します。
とはいえ、スラングであること、もとはネガティブな言葉であることの2点から、少なくとも公的な場、ドキュメントで利用するものではないことがわかります。

こんな使い方はやめて

なんとなくTL;DRで始める

意味を知ったうえで使ってほしいです。
どう言う意味でTL;DRを使っているのかな?という記事をたまに見かけます。Qiitaでは冒頭にTL;DRを記述する記事がそれなりに存在するため、それらに右ならえで使っているような感じでしょうか。
分からない言葉は調べて、自分で意味を理解した上で使用するようにしましょう。これはTL;DRに限った話ではなく、一般的なことです。コンセプト、コンセンサス・・・などといったカタカナ言葉を、意味を理解した上で使用できているでしょうか。

Too Longって言ってるのにLong

なんとなくTL;DRで始めるに当てはまるのかもしれませんが、TL;DRの項目なのに、何行にも文字が連なっている記事もちらほら目にします。完全な自己矛盾に陥っています。せめて5行以内におさめてほしいです。

アヤしい使われ方

概要か、要約か

勝手な感覚ですが、QiitaでのTL;DRは概要の意味合いで使われていることの方が多いように思います。
スラングなので、概要として記述しているから誤りだとは断言できません。そもそも概要要約は類義語であり、似たような言葉であることに違いないです。とはいえニュアンスの違いとして、以下が挙げられます。

  • 概要全体感を簡潔に示すもの。「これから話すことをおおざっぱに言うとこんな感じ」
  • 要約:重要な要素を抜き出したもの。「私の言いたいことはコレとコレ!」

もう少し具体的には次のようになります。

  • 概要から話す:A案とB案の違いを述べた上で、どちらを採用するかについて話します。
  • 要約から話す:A案を採用しようと思います。そこに至った経緯や理由をこれから話します。

聞き手の印象は全然違いませんか。
概要から話す場合は、結局どっちなのかは終盤まで分からないため、もし説明が長かったら、「もういいから結論だけ教えてよ」という言葉が飛び交うかもしれません。
他方で要約から話す場合では、結論自体は述べているので、説明が長かったとしても、「分かった、とりあえずA案でいくということでいいね」というような運びになります。1
以上をふまえて、TL;DRの項には要約を書いて欲しいというのが個人的な想いです。結論から話し/書き始めて、本題に入る方が、より短時間で伝わるでしょうし、Too Long;Don't Readという元の言葉に対しても、要約概要に比べて適していると思います。

  1. やや極端な流れです。現実的に必ず結論から入ればよい場合ばかりではありませんし、結論だけで経緯を理解してもらわないということも危険です。

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