骨太のBedrock & AgentCore本が出た!!
クラスメソッドの神野雄大さんが書かれた『Amazon Bedrock実践ガイド 〜RAGとAIエージェントで進める業務効率化』が、技術評論社から出版されます。
10月23日から都内の書店を中心に先行販売が始まっていて、11月4日に全国で発売です。
神野さんといえば、このスライドでご存じの方も多いのではないでしょうか。
私もAWSコミュニティでBedrockやAgentCoreの勉強会を開いたり登壇したりしてきましたが、その中で神野さんとは何度もコラボさせていただきました。
そんな神野さんから、ありがたいことに本書をご恵贈いただいたので、いち早く感想をみなさんに共有します!
どんな本?
ブログやハンズオンでRAGやAIエージェントをうっすら触ってきた人が、業務で本格的に使うための一冊としてぴったりの本です。
基本的な考え方も最低限きちんと押さえられています。これから触り始める人でも、置いていかれずに読み進められます。
ハンズオンも、画面のスクリーンショットを1枚ずつ並べる形ではなく、CLIとコードを中心にサクサク動かしながら深いところへ進んでいきます。
RAGやエージェントがひととおり普及した今、AWSエンジニアが次に読みたかった内容がまさにこれで、とてもタイムリーな本だと感じました。
題材は、架空のSaaS企業の問い合わせ対応です。最初にKnowledge BasesでRAGを作り、精度を改善し、AgentCoreでエージェントにして、評価の仕組みを整え、本番環境で運用するところまで、章をまたいで1つのシステムが育っていきます。
読んで個人的に刺さったところ
本書は、第1章でBedrockの全体像を押さえたあと、第2章から第6章にかけて問い合わせ対応システムを作り込んでいく流れです。章ごとに、読んでいて特に刺さったところを紹介します。
第1章 Bedrockの全体像を図解で整理
コントロールプレーンとデータプレーン、それぞれに属する機能群が図解で整理されています。公式ドキュメントでも体系的にはまとまっていない最新の変更まで含めて整理されていて、読者がBedrockのメンタルモデルを作るのにとても役立ちます。
Bedrock経由でモデルのAPIを呼ぶとなぜ安全なのか、という裏側の仕組みも図で説明されています。お客さまに説明する立場にいるベンダーのエンジニアには、特にありがたい章だと思います。
第2〜3章 業務の流れに沿ってRAGを作り込む
本書の白眉は、個人的にはここだと思っています。 RAGの概念や機能をカタログのように並べるのではなく、問い合わせ対応の実務の流れに沿って、手を動かしながら主要な機能を順番に紹介していく構成がとても分かりやすいです。
特に、データの前処理やチャンキング、図表を含むドキュメントのパーサー選びなど、データソースと埋め込みの運用面まで詳しく書かれているのが良かったです。RAGアプリをリリースしたあとに運用していくエンジニアの目線で読んでも、そのまま現場で使えるノウハウが詰まっています。
第4〜6章 AgentCoreでエージェントを作り、評価して本番運用へ
第4章では、いまエンタープライズで最も現場導入されがちな問い合わせ対応エージェントを例に、AgentCoreの最新機能で組み立てていきます。AgentCore GatewayとMCPサーバーによるツール連携など、企業で必要になる機能の実装の流れがかなり丁寧に紹介されています。
第5章と第6章は、RAGとエージェントの評価と運用です。LLM-as-a-JudgeやAgentCore Evaluationsを使った評価サイクルから、本番環境のセキュリティやオブザーバビリティの設計まで、機能紹介で終わらずに具体的な運用方法まで踏み込んで解説されています。
ひとつだけ補足するなら
第4章では、フロントエンドを含むアプリ全体をAmplifyでデプロイしています。私も半年ほど前まではAmplify中心で作っていて、5月に出した『Amazon Bedrock AgentCore 実践入門』でもAmplifyのハンズオンを紹介していました。
ただ、コーディングエージェントで開発するのが当たり前になったここ2〜3か月は、デプロイ待ちの長さやマネジメントコンソールを触る手間が気になるようになり、CDKとS3、Lambda Web Functionsを使ったもっと軽いサーバーレス構成へ移り始めています。
とはいえ、まずはAmplifyでGUIも含めて丁寧に構築してみて、全体の仕組みを自分の頭に入れることにも大きな価値があります。そのうえで、コーディングエージェント向けに最適化する方法を自分で見つけていけば十分だと思います。
こんな人におすすめ
コードやコマンドが多く、ぱっと見は中上級者向けに見えますが、BedrockやAgentCoreを現場の業務でどう使うかが高い解像度で語られているので、じっくり入門したい初心者の方にもおすすめです。
企業の問い合わせ業務の効率化などで、これからRAGやAIエージェントの検討や実装をするエンジニアやプリセールスの方は、本書を読んでハンズオンを一通り実践しておくと、最新のBedrockの知識を即戦力として身につけられます。
私もいろんな人にお勧めしていこうと思います!


