この記事は、「架空プロジェクトを通してシステム開発とドキュメント作成を体験してみる(2022 Late)」の記事の一部です。
リリース判定基準(書)の概要
リリースしてもよいかを判定する条件を設定・記述した書類になります。
リリース判定基準書という言葉はあまり一般的ではないと思います。実践ガイドブックでは「移行判定」、「稼働判定」という言葉を使っているようです(リリース判定という言葉も文中にはありますが)。
概要
資料の概要は下記の感じです。
項目 | 内容 |
---|---|
作成目的 | リリースを判定する条件を記述 |
記述すべき内容 | リリース判定基準、判定合否時の対応 |
作成タイミング | リリース判定まで |
対象者 | プロジェクトメンバー(非技術者、技術者) |
ファイル形式 | パワーポイント、Excel、Word |
備考 | リリース判定基準書というような言葉が一般的にあるわけではない |
一般的にはどうなのか?が気になる人は後半にある「一般的には(参考)」に先に目を通してもらったほうがいいかもしれません。
サンプルダウンロード
サンプルのダウンロードはこちらから。
要点解説(抜粋)
では、資料作成における要点について簡単に說明します。
先行資料(作成準備)
リリース判定基準のメインコンテンツはテスト結果なのでテスト結果報告書が先行書類の代表かと思います。一方、リリースの判定には単にテストがOKだったかということではなく、運用を含めた周辺準備ができているかという総合的な視点が必要です。
- テスト結果報告書
- 運用テスト結果報告書
作成のポイント
テスト結果のみではなく周辺要素も含めて検討
先行資料でも書きましたが、リリース判定のメインコンテンツが「テスト結果」であることは間違いありませんが、技術だけでなく、運用、営業、マーケティング等の周辺状況も考慮した上で基準を設定する必要があります。
もちろんその結果、「テスト結果がOKならリリース」というのもありです。
記述内容(アウトライン)
今回は下記のような項目を記述してみました。
- リリース判定基準(概要)
- リリース判定会議
- リリース判定項目対応状況
- リリースについて
記述例(サンプルから抜粋)
では、サンプルの主要なページについて少し解説したいと思います。
表紙
特に補足することはありません。
目次
こんな感じ。
リリース判定基準(概要)
まずはリリース判定条件の一覧です。
各種テスト結果に加え、その他の条件も追加しています。
リリース判定会議
リリース判定会議をいつ、誰の出席で開催するか記述。予備日も設定しておくほうが無難。
リリース判定項目対応状況
リリース判定の条件を満たしているか記述。もちろんこれが記述できるのはテスト結果報告後。
リリースについて
リリース判定承認、否決時の対応について明確にしておきます。
一般的には(参考)
実践ガイドブックでは?
実践ガイドブックにはリリース判定に関するテンプレートはありませんが、受入テスト計画書の「合否判定基準」がある程度参考になります。
合否判定基準の記述は下記の通り。品質基準、合否判定基準に加え、不合格時の対応などもありますね。
また、リリース判定という言葉ではなく、(本番への)移行判定・稼働判定の基準についての說明が本編(第3編7章 設計・開発 P58)に存在しており、それぞれについて「いつ」、「誰が」、「何を判定するために」、「どのような条件で」、「どのように」判定するのかを決定・合意しておくべきとしています。
なお、移行判定と稼働判定の差は以下としています。
- 移行判定:リリースしてもいい状態かを判断
- 稼働判定:実際に稼働させる判断
という感じのようです。