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Auto Increment ID, UUID, ULIDの比較と選択ガイド

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はじめに

アプリ開発において、切っても切り離せないIDですが、
本記事では、以下の 3 つの ID 生成方式について、その特徴、メリット、デメリットを説明します。

  • Auto Increment ID
  • UUID (Universally Unique Identifier
  • ULID (Universally Unique Lexicographically Sortable Identifier)

また、各方式の違いを理解し、どのIDを使用するのかの選択基準を解説します。

Auto Increment ID(自動採番ID)

概要

  • 仕組み
    データベースがレコード追加時に連番(整数値)を自動的に付与する方式。
    例:MySQL や PostgreSQL の INTBIGINT 型を用いる。

メリット

  • シンプルで高速
    連番のため、クラスタインデックスに適しており、挿入性能が高い。
  • 順序性が保証
    レコードの挿入順に値が増加するため、時系列性が保たれる。

デメリット

  • 分散システムでの課題
    単一ノード向けのため、複数のデータベース間で採番を合わせると衝突リスクが発生する。
  • 予測可能性
    連番は容易に次の値が予測可能なため、セキュリティ上の懸念がある場合がある。

UUID (Universally Unique Identifier)

概要

  • 仕組み
    128 ビットの一意な識別子で、様々なバージョンがある。主に UUID v4(ランダム生成)が利用される。
    例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000

メリット

  • グローバルな一意性
    各システム間での衝突リスクが非常に低く、中央管理不要。
  • 分散環境向け
    各ノードで独立して生成できるため、スケーラビリティが高い。

デメリット

  • サイズが大きい
    16 バイト(文字列表現では 36 文字)と Auto Increment よりもストレージやインデックスに負担がかかる。

UUID v4

メリット

  • 高いランダム性を持ち、衝突の可能性が極めて低い。
  • 事前の調整なしに分散システムで一意性を確保できる。

デメリット

  • ランダム生成のため、順序性がなく、B-treeインデックスでの挿入効率が低下する可能性がある。
  • 可読性が低く、デバッグや手動管理が難しい。
  • 生成コストが比較的高い。

UUID v7

メリット

  • タイムスタンプベースで生成されるため、時系列順に並びやすく、B-treeインデックスの効率が向上する。
  • UUID v4と同様に分散環境での一意性を確保できる。

デメリット

  • システムの時刻が適切に同期されていない場合、順序の不整合が発生する可能性がある。

ULID (Universally Unique Lexicographically Sortable Identifier)

概要

  • 仕組み
    ULID は 128 ビットですが、先頭 48 ビットにミリ秒単位のタイムスタンプ、残り 80 ビットにランダム値を割り当て、Base32 でエンコードする。
    例:01ARZ3NDEKTSV4RRFFQ69G5FAV

メリット

  • 時系列順ソート可能
    タイムスタンプ部分により、生成順にソートできるため、インデックスの効率が向上。

デメリット

  • 標準化の進行状況
    UUID ほど広く標準化されていない。

まとめと利用シーンの考察

利用シーンに応じた選択

  • シンプルなシングルノード環境
    Auto Increment 型は、シンプルかつ高速なため、単一データベースや小規模なアプリケーションに最適。
  • 分散システム
    分散システムでは、各ノードで独立して一意な ID を生成できる UUID(特に v4)や ULID がいい。
    UUID v7、ULID は、タイムスタンプによる順序性があるため、インデックス効率が向上する。

参考文献

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