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CYBIRD Advent Calendar 2024Advent Calendar 2024

Day 25

UUID、ULID、SQID、Snowflake IDのユニークIDの選び方

Last updated at Posted at 2024-12-24

はじめに

CYBIRD Advent Calendar 2024の最終日担当の@dave_cです。
24日目は@cy-seiyanさんの「MacでブータブルUSBの作成に挑戦した話」でした。


概要

システム設計において、データやエンティティを一意に識別するためのIDは非常に重要です。適切なIDの選択は、システムのパフォーマンスやスケーラビリティ、セキュリティに大きな影響を与えます。本記事では、以下の4つのID方式について比較・解説します。

  • UUID (Universally Unique Identifier)
  • ULID (Universally Lexicographically Sortable Identifier)
  • SQID (Sequential ID)
  • Snowflake ID

UUID

概要

UUIDは、128ビットの一意な識別子です。主に以下のバージョンが使われます。

  • UUIDv1: タイムスタンプとMACアドレスを組み合わせた方式
  • UUIDv4: ランダム値を使用して生成

特徴

  • ユニーク性: グローバルに一意で、複数のシステム間で競合しません。
  • 汎用性: 多くのプログラミング言語やデータベースで標準サポートされています。
  • 順序性: UUIDv4はランダム値で順序性はありませんが、UUIDv1はタイムスタンプを含むため部分的な順序性を持ちます。

利点

  1. 標準化: 多くのシステムやツールと互換性があります。
  2. 設定不要: 中央管理なしで生成可能。

欠点

  1. サイズ: 128ビットの長さがストレージやインデックスに負担をかけます。
  2. 可読性: 人間にとっては理解しづらい長い形式(例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000)。
  3. 性能: 順序性がないため、データベースでのインデックス性能が劣る場合があります。

ULID

概要

ULIDは、UUIDと同様に128ビットですが、タイムスタンプとランダム値を組み合わせることで、ソート可能な特性を持つ識別子です。Base32でエンコードされており、人間が比較的読みやすい形式になります。

特徴

  • ソート可能: タイムスタンプに基づくため、時間順に並べ替えが可能。
  • ユニーク性: ランダム値部分により衝突を防ぎます。
  • 可読性: Base32により、UUIDより短く人間に優しい(例:01F8MECHZX3TBDSZ7A3Q2T8YZM)。

利点

  1. 順序性: タイムスタンプでのソートが容易。
  2. ユニーク性: 分散システムでも安全に利用可能。
  3. 可読性: UUIDよりも短く扱いやすい。

欠点

  1. ライブラリ依存: UUIDほど広く標準化されておらず、生成に専用ライブラリが必要。
  2. ストレージサイズ: UUIDと同様に128ビットでやや大きい。

SQID

概要

SQIDは、シンプルな連番IDです。データベースのオートインクリメント機能やカウンターを用いて生成されます。

特徴

  • 順序性: 完全に連続した順序を持つため、挿入順が明確。
  • ユニーク性: 単一のデータベース内でユニーク。

利点

  1. 簡単: 実装が非常に容易。
  2. 順序性: 完全な時間順を保証。
  3. コンパクト: 小さなサイズ(4〜8バイト)で効率的。

欠点

  1. スケーラビリティ: 分散システムでは利用が困難。
  2. 予測可能性: 次のIDが簡単に予測可能で、セキュリティリスクになり得る。
  3. ボトルネック: 高並列性環境で競合が発生しやすい。

Snowflake ID

概要

Snowflake IDはTwitterが開発した分散ID生成アルゴリズムで、64ビットの識別子を生成します。以下の要素で構成されます。

  • タイムスタンプ: ミリ秒単位での生成時刻。
  • マシンID: 分散環境での一意性を保証。
  • シーケンス番号: 同一ミリ秒内の衝突回避。

特徴

  • ユニーク性: 分散システム間での一意性を保証。
  • 順序性: 時間に基づくおおよその順序性。

利点

  1. スケーラビリティ: 高並列性環境に対応。
  2. 効率性: 中央管理なしでの高速生成。
  3. 順序性: 時間順に近い順序性を持つ。

欠点

  1. 複雑性: 実装がやや難しく、設定ミスで衝突のリスク。
  2. サイズ制限: 64ビットであるため、極端に長期間の運用には非適切。

比較表

特徴 UUID ULID SQID Snowflake ID
ユニーク性 グローバルに一意 グローバルに一意 単一インスタンスで一意 グローバルに一意
順序性 無(v4) 時間順にソート可能 完全な順序性 時間順(近似)
スケーラビリティ 高い 高い 低い 高い
可読性 低い 中程度 高い 中程度
サイズ 128ビット 128ビット 小さい(4〜8バイト) 64ビット
用途 分散システム全般 時間順が必要な分散システム シンプルなアプリ 高並列な分散システム

まとめ

利用シーンに応じた選択

  • シンプルなデータベース: SQID
  • 高スケーラビリティが必要な分散システム: Snowflake ID
  • 標準化された環境や相互運用性が重要: UUID
  • 時間順ソートや読みやすさが必要: ULID

ID方式の選択は、システムの規模、性能要件、データ特性に応じて慎重に行いましょう。

最後に

今年もCYBIRD Advent Calendar 2024ご覧いただき、ありがとうございました!2024年、お疲れ様でした!

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