はじめに
「スタンディングデスクが欲しい」
デスクワーカーなら一度は思ったことがあるはずです。
でも、会社でそれを言うとこうなります。
- 「本当に必要なの?」
- 「効果あるの?」
- 「前例あるの?」
つまり、欲しいだけでは通らない。
健康に良いは定性的。
生産性が上がるは証明困難。
比較対象がない。数値がない。だから判断できない。
そこで思いました。
見えないから判断できないなら、ITで無理やり見える化すればいい。
この記事は、社内SEである私が
「腰が痛い」という主観を数値化し、
スタンディングデスクの提案を通すまでの実録です。
課題:定性的な辛さは組織では弱い
課題は単純でした。
- 座りっぱなしで腰が痛い
- 午後になると集中が切れる
でもこれは全部主観。
組織が意思決定するには、
エビデンス(数値)
が必要です。
そこで私は定義を変えました。
「身体的負荷により姿勢を変更した回数」を、生産性低下のトリガーとみなす
これなら計測できます。
発想の転換:なんでも数値にすればいい
葛藤しながら考えているうちに、
逆転の発想に至りました。
なんでも数値にしてしまえばいい
腰が痛い → 姿勢変更回数
集中が切れる → 連続稼働時間の短縮
つまり、
見えないものをログに落とす
これが今回の本質でした。
実装について(コードは公開しません)
今回のツールはC#(WinForms)で作成しました。
ただし、
- 実装は業務時間内に生成
- 著作権は会社
- 実データは業務ログ
のため、コードおよび実データは公開しません。
代わりに、考え方と設計思想を共有します。
設計思想
① ボタンは1つ
「姿勢変更」ボタンのみ。
限界が来た瞬間に押すだけ。
UXは徹底的にシンプルに。
② 休憩時間は除外
純粋な連続稼働時間だけを取りたい。
- HH:mm〜HH:mm
- HH:mm〜HH:mm
は自動除外(実際はTimeSpan)。
③ CSV出力
分析はExcelで行う。
アプリ側でグラフ化しない。
工数を最小化することも設計の一部。
AI駆動開発という選択
今回は初めて、
設計 → ChatGPTに渡す → 生成コードを貼る
という完全AI駆動で実装しました。
- 設計は休憩時間に思考
- 実装は業務時間30分
設計さえ明確なら、
if文やTimeSpan計算はAIが一瞬で書いてくれます。
ここで重要なのは、
AIに渡す仕様を言語化できる力
でした。
データのイメージ例
| 時刻 | 姿勢変更回数 | 連続稼働時間(分) |
|---|---|---|
| 09:30 | 0 | 90 |
| 11:00 | 1 | 85 |
| 14:10 | 3 | 30 |
| 15:40 | 5 | 18 |
分析して見えたこと:
- 午後に連続稼働時間が急減
- 一度崩れると回復しない
- 1日合計で「集中が寸断された時間」が算出可能
これをグラフ化して提案資料に添付しました。
結果。
提案、通過。
本質は「技術」ではない
今回学んだことはこれです。
① 見える化は最強
人は感情では動かない。
数値で動く。
② DXは大規模でなくていい
自分の腰痛もDXできる。
③ 社内SEの強み
社内SEは「課題」と「IT」を強引に結びつけられる存在。
見えない → ログ化
曖昧 → 数値化
主観 → グラフ化
これができる。
まとめ
スタンディングデスクを手に入れた話ではありません。
これは、
「見えないから判断できない」を
「見えるから判断できる」に変えた話
です。
もし提案が通らないなら、
- 不足しているのは熱意ではなく
- 不足しているのは数値かもしれません
そして今は、
設計さえできればAIが実装してくれる時代です。
休憩時間に設計し、
業務時間30分で実装し、
ログを取って可視化する。
無理やりDX、ワクワクしました。
これだから、設計・開発は楽しい。