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新卒エンジニアの「AI利用禁止」は悪手である。今考えるこれからのOJT

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はじめに

私は大手メーカーでソフトウェアエンジニアをしており、4月から新卒の教育も担当します。
3月末となり、新入社員を迎えるにあたりOJTの教育方針が議論される時期です。一部で「基礎が身につかないから新卒にはAIを使わせない」という方針を耳にしますが、私は「AI全面肯定派」です。本記事では、新卒のAI利用を禁止すべきではない理由と、現場での実践的な活用法について述べます。

1. 開発および「調査」の生産性が著しく落ちる

現代の開発環境において、AIを利用しないことは単純に生産性の低下を招きます。コードの実装だけでなく、エラー原因の特定や未知の技術・仕様の調査速度においても、AIの有無で圧倒的な差が生まれます。実務で利用できる強力なツールを縛ることは、チームとして本来出すべき成果とスピードを意図的に下げる行為であり、合理的ではありません。

2. 高度なAI活用スキルの習得機会を損失する

AIは単なる質問ボットではありません。最大の生産性を引き出すための高度な手法(複数AIエージェントの連携や、AIの性能を引き出す環境構築など)を学ぶ機会が失われます。これらの経験が遅れることは、次世代のエンジニアとしての価値向上を大きく阻害します。

3. 「AI前提の世界」への適応が遅れる

今後の開発現場は「AIを上手く使いこなすこと」が前提です。その環境を早期に体験しなければ、AI利用によって生じる特有の問題点への対処や、今後エンジニアとしてどう社会にインパクトを与えていくのかというイメージを描くのが遅れてしまいます。

現場での実践:AI・新卒・先輩による「モブワーク」

新卒には、AIで最大限の生産性を出させつつ、「なぜその判断やコード設計にしたのか」をAIに問いかけ、調べさせ、新卒自身に深く理解させることが大前提です。

しかし、それだけでは新卒の理解が不十分になるケースがあることも事実です。その解決策として、定期的な「モブワーク」の導入を提案します。

ただし、生産性向上の目的と矛盾しないよう、無制限には行いません。「アーキテクチャ設計などの重要な意思決定時に限定する」「1日1時間のタイムボックスを設ける」といった運用ルールを定めます。

その限られた時間の中で、AIに設計や実装を任せた箇所について、AI・新卒・先輩エンジニアの複数人で議論の場を持ちます。その都度「あなたはどう考えるか?」と新卒の意見を引き出しながら、AIの提案内容を検証し、全員で学習しながら進めていくスタイルです。

おわりに:AI前提のOJTにおける「評価軸」の再定義

AIをフル活用させる以上、従来の「自力でゼロからコードを書けたか」という評価軸は通用しません。今後のOJTでは、成果物そのものよりも「プロセスと理解度」を評価する必要があります。

具体的には、「AIの提案に対して適切なファクトチェックを行えたか」「モブワークの場で、AIが生成したアーキテクチャの意図を自分の言葉で論理的に説明できるか」を重視します。

AIという強力な武器を持たせた上で、その手綱を握る「エンジニアとしての思考力」を測り、育成すること。「AIを上手く使いながら、チームで考える」ことこそが、これからのエンジニアにとって最高の成長アプローチです。

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