1. はじめに
この記事の結論(学習スタイル)
今回、AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA)に合格できました。
| 結果 | 合格 |
| スコア | 771点 |
| 学習期間 | 1ヶ月 |
| 学習時間 | 約30時間 |
この記事では、過去にUdemyで挫折した状態から、以下の戦略で短期合格した取り組みを振り返ります。
- Ping-t をメイン教材として徹底活用
- 出題を「5問単位」にして復習サイクルを高速化
- ノート作成を捨てて問題演習に全振り
- 試験を「知識問題」ではなく「要件整理ゲーム」として脳内変換
- 難解なサービス名はAIによる「語源の理解」で一発暗記
AWS未経験に近い方や、動画学習が続かなかった方の参考になれば幸いです。
挑戦の経緯
転職に伴い、Web・クラウド系の開発を行う企業へ移ることが決まったため、今後のバックボーンとなるスキルの習得を目的として受験を決めました。
数年前にUdemyの講座を購入したものの、途中で挫折した経験があります。
今回はモチベーションを維持するため、先に1ヶ月後の試験を予約して退路を断った状態から学習を開始しました。
AWSの試験申し込みは手順がやや複雑です。
- AWS Builder IDを作成
- AWS 認定試験ページから申し込み
試験ページからさらにPearson VUEという試験代行企業のページに遷移しますが、英語メインのUIにハードルを感じて諦めそうになったため、受験を思い立ったタイミングで一気に済ませてしまうことをお勧めします。
なお、受験場所は試験センターと自宅から選べますが、自宅受験での厳格なカメラ監視の体験談を読み、今回は試験センターを選択しました。
受験時のスキルセット
- 資格: 応用情報技術者 取得済
- メイン領域: 組み込み開発(コンテナの経験あり)
- AWS経験: SageMakerをユーザーとして1年ほど利用(裏側のインフラサービスはほぼ意識せず)+社内研修でLambdaを少し触った程度
※応用情報は取得済みですが、AWSサービスの知識はほぼゼロの状態
学習時間
おおよその学習時間は以下の通りです。
- 平日:30分~1時間
- 休日:3〜5時間
- 合計:約30時間
Studyplusで学習時間を記録しながら進めました。
2. 使用したツールと活用法
効率化とペース維持のために、役割を絞って以下の4つを活用しました。
-
Ping-t
- 用途: メインの問題演習(個別問題・模擬試験)
- 活用法: 最初に無料分を解き、自分の肌に合うか確認してから有料版へ移行
-
Studyplus(Web / App Store / Google Play)
- 用途: 勉強時間の記録・共有。モチベーションの維持に活用
-
Chill With You(Steam / App Store / Google Play)
- 用途: BGM再生およびポモドーロタイマー。後半の追い込み時の集中力維持に使用
-
『AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる本』
- 用途: 辞書・リファレンス。手書きノートの代替として活用
3. 学習ステップとタイムライン
初期計画:前半で個別サービスを2周、後半で模擬試験
Ping-tの対象問題が827問あったため、「1日120問やれば1週間で1周できる」と軽く考えていました。
1〜2週目:試行錯誤とスマホ完結のサイクル
通勤などの隙間時間を活用して、すべてスマホ上で以下のサイクルを回しました。
問題を解く ➔ 答え合わせ ➔ 解説確認 ➔ 解説AIに質問 ➔ 内容の落とし込み
実際に解き始めると初見のサービス名ばかりで、解説の理解を含めると10問に20〜30分かかることも珍しくありませんでした。
ここで重宝したのが、Ping-tが提供している解説AI(内部はClaude/GPTとのこと)です。
「この選択肢を選ぶポイントは?」「類似サービスとの使い分けのユースケースは?」といった疑問をその場ですぐに解決できました。
以下のようなMermaid形式で出力してもらった時にプレビューも出してくれるのがありがたい。
※解説AIは非常に便利ですが、使い倒すと有料会員でもトークン上限に達してしまうため、学習量が集中する日はGeminiも併用してカバーしました。
3週目:計画の大幅な遅れと、学習法の見直し
仕事と育児の忙しさもあり、3週目の時点で個別サービスの半分も終わっていないという、完全に計画倒れの状態に陥りました。
ここから巻き返すために、非効率だった学習方法を3点見直しました。
1. ノート作成の廃止とリファレンス本への切り替え
当初はNotionに自分なりのメモを残していましたが、力を入れると時間がかかりすぎ、効率を求めると単なるコピペになってしまうため中止しました。
代わりに『AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる本』を辞書として手元に置き、間違えたサービスを本で引いて重要箇所に蛍光ペンでマーキングしていく手法に切り替えました。
2. 出題単位を「10問」から「5問」へ変更
最初はデフォルト設定の「10問解く ➔ 答え合わせ」のサイクルでしたが、これだと知らないサービスを勘で解く割合が増え、答え合わせの際にも自分がなぜその選択肢を選んだのか忘れてしまい、効率が落ちていました。
「5問ずつ解く」設定に変えたところ、記憶が鮮明なうちに解説を確認できるようになり、学習のテンポがかなり改善されました。
- 参考記事:【教材は無料】AWS SAA合格体験記
3. AIを活用した「語源記憶」
前回挫折した最大の原因が「名前と役割が頭の中で結びつかないサービス名が多い」ことでした。
今回はAIに各サービスの語源や名前の由来を聞き、連想ゲーム的に腹落ちさせることで記憶に定着させました。
- Glacier ➔ 氷河 ➔ 長期保存・アーカイブ(カチカチに凍らせるイメージ)
- Beanstalk ➔ 豆の木 ➔ ジャックと豆の木 ➔ すぐ育つ・簡単にデプロイ
- Macie ➔ 聡明そうな女性の名前らしい ➔ S3の個人情報(メイシー/名刺を検知するイメージ)検知AI
- Polly ➔ オウムの名前らしい ➔ party_parrotっぽい ➔ テキスト読み上げ(オウム返し)
- パイロットライト ➔ 種火 ➔ 最低限のサービスは常時稼働し、障害時にリカバリ
最低限のアウトプットとして、これら技術選定の基準や語源のメモはPing-tの個人メモ欄に残していきました。
4週目:模擬試験
結局はラスト1週間でようやく模擬試験に移行し、ここで初めて試験の問題形式を把握しました。
最後の追い込みとして、集中力を引き上げるために Chill With You(ポモドーロタイマー) を導入。タブレットやPCで模擬試験を解き、スマホはBGM兼タイマーとして手元に置きました。
このアプリはバックグラウンド再生に非対応なため、スマホで他のアプリを開けない環境が強制的に作られ、結果として高い集中力を維持できました。
最終的には、
- 個別問題:100%消化
- 模擬試験:4回
- 模擬試験最高正答率:78%
の状態で本番に臨みました。
正直なところ十分に仕上がった感覚はありませんでしたが、「知らないサービスを減らす」ことを優先して試験日を迎えました。
4. 試験本番で役立つ、自分なりの「解法のコツ」と「暗記術」
AWS SAAの問題はサービス単体の知識を問うというより、「設問が求めている要件」を見極めを求められる問題が多数です。
どちらのツールでも実現できるときにどちらを選ぶか?という取捨選択は、業務のシステム開発での技術選定にも近しいものを感じました。
私が本番や模擬試験を突破する上で特に有効だったアプローチを共有します。
AWS SAAは知識問題ではなく「要件整理問題」である
個人的には、この考え方に切り替えてから問題の理解度が上がったと感じました。
多くの問題は、以下の3部構成に分解できます。
- 現状の構成(A): 現在のシステム環境や前提条件
- 課題・目的(B): 可用性を高めたい / 攻撃を受けている / クラウド移行したい など
- 選ぶ基準(C): コスト最適化 / 最も運用負荷が低い / 最も安全 など
解答の際は、 「課題(B)を満たせる選択肢」 を大前提として絞り込み、複数残った場合は 「選ぶ基準(C)」 に最も合致する(より適切な)方を選んでいくアプローチが有効でした。
頻出キーワードと判断基準の例
-
「コスト最適化」が基準の場合
- ストレージ選定の優先度:Amazon S3 > EFS > EBS(要件を満たせる中で最も安価なものを選ぶ)
-
「高可用性」が課題の場合
- マルチAZ構成、自動スケーリング(Auto Scaling)が含まれる選択肢を優先
-
「運用負荷が低い」が基準の場合
- マネージドサービスやサーバーレス(AWS Lambdaなど)が最優先
- ※ただし、「新たにLambda関数を実装する」といった選択肢は、開発・運用の工数が発生するため、文脈によっては誤答(運用負荷が高い)になりがちなので注意が必要
-
「セキュア(セキュリティ)」が課題の場合
- 要件に「インターネット経由不可」があれば AWS Site-to-Site VPN は除外
- 代わりに AWS Direct Connect が候補になるが、「コスト最適化」「素早い構築」を求められている場合はNG
5. 試験当日の所感
-
難易度:
全体的な難易度はPing-tと同程度という印象。ただし、2〜3回読み直しても頭に入ってこないような問題が数問ありました。
ここで活きたのが、直前に知った「AWS試験にはダミー問題(採点対象外)が含まれている」いう事実です。試験には、スコアに影響しない採点対象外の設問が 15 問含まれています。AWS では、これら採点対象外の設問における成績情報を収集し、これらの設問を今後採点対象の設問として使用できるかどうかを評価します。試験では、どの設問が採点対象外かは受験者にわからないようになっています。
理解できない問題に固執しすぎず、「ダミー問題かも」と一旦保留して先に進む判断がしやすくなりました。
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時間配分:
一通り解き終えた時点で約20分余りました。見直しフラグを付けた問題(5問程度)を優先的に見直し、全65問の半分ほどを見直したところで時間切れとなりました
6. まとめ
今回合格につながったポイントは以下の通りです。
- 退路を断つ: 動画講座で挫折した場合、先に試験日を決めてしまうのは有効な手段
- スマホのフル活用: 「問題を解く〜解説AIへの確認」までをスマホで完結させ、隙間時間を無駄なく活用できた
- 学習効率化: ノートを自作せず、市販の参考書を辞書代わりにしてマーキングしていく方法は時間短縮に効果的
- 要件整理ゲームとしての攻略: AWS試験特有の「課題」と「選ぶ基準」を切り分けて考える視点を持つことで、解答の精度が格段に上がった
今回の経験を踏まえると、次に私が別のAWS認定資格へ挑戦する場合も、
- 先に試験日を予約
- Ping-tなどで問題演習を中心に進める
- AIで疑問やサービスの使い分けを補完する
- 模擬試験で仕上げる
という流れを取ると思います。
動画学習が合わなかった方・これから受験される方の参考になれば幸いです。
補足:サービス名変更への注意とWeb教材の強み
AWSはサービスの名称変更が頻繁に行われます。特に古い書籍や教材の更新日には注意が必要です。
例えば、旧Kinesisファミリーは以下のように名称が変更(独立・変更)されています。
- Amazon Kinesis Data Firehose ➔ Amazon Data Firehose (2024年2月改称)
- Amazon Kinesis Data Analytics ➔ Amazon Managed Service for Apache Flink (2023年8月改称)
手元の『全部わかる本』(2022年初版、2025年第9刷)では旧称のままでしたが、Ping-tなどのWeb教材はタイムリーにメンテナンスされているため、表記のブレに惑わされずに済みました。
最新トレンドへの追従という点でも、Web教材の強みを実感した部分です。


