業務として商用Webアプリを導入する際、試用版を用いて社内の運用上問題は無いか、使いづらいところはないかなどを調査することがあります。
ここでは導入検証にするにあたって詰まりがちなことを紹介します。
今回想定しているのは
- 社内で一部の利用者が利用するWebアプリケーション
- 認証はSAML
- 社内でサーバを用意しインストールする
Webアプリケーションとなります。
アカウントの権限
多くのWebアプリケーションのアカウントは
- 管理者
- 編集権限を持つユーザー
- 読み込み専用のユーザー
の3段階に分かれています。
多くのケースではこれで問題ないのですが、Webアプリによってはユーザーに渡す権限を想定よりも強いものにしなければならない場合があります。
想定する用途に対して適切に設定できるかを確認しましょう。
検証したとあるWebアプリケーションでは、プロジェクトごとにユーザーを関連付けるWebアプリケーションで、プロジェクトの外部リポジトリとの連携を設定変更するのにシステム全体の管理権限を必要だったので、想定以上に強い権限を渡さなければならなかったということがありました。
アプリケーションの試用に関しては、要望を出す以外にはマニュアルを手厚く書いて運用でカバーということが多くあります…
SAML認証
SAML認証対応と表記してあるWebアプリケーションでも、いざ実際にSAML認証を有効化しようとするとトラブルが起きることがあります。
- SAML認証設定自体のトラブル
- 属性のマッピング自体の説明が抜けている
- マッピングの対応関係が公開されていない
- SAML認証で作成されたアカウントのトラブル
- SAML認証で作成されたアカウントが削除できない
- SAML認証で作成されたアカウントが無効化できない
- アカウントの属性のバリデーションがSAML認証経由ではバイパスされて不整合が起こる
などがありがちです。
早めに検証環境を作り、開発元に問い合わせましょう。
ブラウザの言語設定
Webアプリによってはインタフェースやドキュメントが日本語化されていることがあります。しかしながら
- 日本語訳されている部分に誤訳がある
- 日本語訳のドキュメントが英語よりも古いバージョンしかない
など、英語版のインタフェースやドキュメントに切り替えたい場合があります。
各ユーザーのアカウント設定で、使用する言語を切り替えられる場合には問題ないのですが
一部のWebアプリではそのような設定が出来ません。
このような場合にはブラウザの言語設定を切り替えて、英語を優先的に使用するようにすると
英語版のインタフェースやドキュメントを手に入れることができます。
普段使いのブラウザとは別に、検証用に英語を優先的に使用する別のブラウザを用意しておくと便利です。