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公式サイトのLinux用salome-mecaバイナリをWindowsでネイティブ実行

Last updated at Posted at 2017-05-21

Windows版のバイナリが配布され始めました。
Code_Aster for Windows
したがって、ここに書かれている手順は既に古くなりました。

Linux用バイナリしか配布されていないソフトを実行するには、Linuxがインストールされたマシンを使っている場合問題ないですが、手元にWindowsマシンしかない場合、

  1. 空いているコンピュータにLinuxをインストール
  2. Hyper-V、VirtualboxやVMWareにLinuxをインストールした仮想マシンを用意

などしてLinuxの環境を整えなければなりません。

1.は大変ですし、2.はProバージョンのWindowsを必要であったり、仮想マシン上ではネイティブ実行の時と比べてパフォーマンス低下が気になります。

フランスのEDF社から配布されている構造解析ソフトsalome_mecaは、公式サイトからソースコードのほか、Linux用のバイナリをダウンロードすることができますが、Windows用のバイナリは用意されていません。

Windows Subsystem for Linux

Windows10は、Windows NTマイクロカーネルの上に、Win32APIサブシステムが動作しているOSです。

同じ要領で Linuxサブシステムを動作させようとしているのがWindows Subsystem for Linux(WSL もしくは bash on windows)です。

WSLでは、Linux等のバイナリフォーマットELFがロード出来るようになっています。原理的にはLinux用のバイナリを実行出来る筈です。

しかし、Xはサポートしていない用なので、Windows用Xサーバを用いてLinux用GUIアプリケーションを動かしてみようと思います。

WSLのインストール

今回は、Creators Updateが適用されているWindows10(Home、ProどちらでもOK)が手元にあるものとします。

Windowsを開発者モードへ

WSLを動作させるには、Windowsを開発者モードにする必要があります。

01.setting.png

「設定」を開きます。

02.update.png

「更新とセキュリティ」を開きます。

03.devel.png

左ペインにある「開発者向け」を開きます。

04.devel.png

右ペインの「開発者モード」を選択し再起動をします。

WSLを有効に

Windows Subsystem for Windowsを有効にします。

05.appli.png

同様に設定から「アプリ」を開きます。

06.appli.png

右ペインを下にスクロールしていき「関連設定」を見つけて、その下の「プログラムと機能」を開きます。

07.appli.png

左ペインの「Windowsの機能の有効化または無効化」を開きます。

08.appli.png

「Windows Subsystem for Linux (Beta)」のチェックボックスをオンにします。

09.bash.png

インストールが完了したら「ここに入力して検索」に「bash」と入力してbash を起動してください。

10.bash.png

初めてbashを起動すると、WindowsストアからUbuntuのダウンロードが始まり、インストールされます。

11.bash.png

初期設定を行うとbashが使える用になります。

Ubuntuをアップデートしておきましょう。bashの中で

% sudo apt update
% sudo apt dist-upgrade

とタイプして下さい。パッケージのアップデートが始まります。

アップデートが終わったら、exitと打って一旦bashを閉じます。

vcxsrvをインストール

vcxsrvはWindows用のX serverです。mobaxtermxmingwを既にインストールしている場合、改めてインストールする必要はありません。

VcXsrv Windows X Serverからインストーラをダウンロードしてインストールしてください。

13.vcxsrv.png

インストールされると、デスクトップにアイコンが現れます。

salome_mecaをインストール

salome_mecaをインストールします。先ほどインストールしたbashを起動してください。

salome_mecaで必要となるパッケージをあらかじめインストールしておきます。

% sudo apt install python libxft2  libxss1 libxmu6 libglu1-mesa
% sudo apt install fonts-noto-cjk fonts-noto-hinted

これらが終わったら、salome_mecaをダウンロードします。

% wget http://www.code-aster.org/FICHIERS/SALOME-MECA-2016-LGPL-1.tgz

ダウンロードしたsalome_mecaを展開してインストールします。

% tar xvf SALOME-MECA-2016-LGPL-1.tgz
% ./SMECA_V2016_LGPL.run
Creating salome_meca application in /home/michioga/salome_meca/appli_V2016 ...
chmod: '/home/michioga/.local/share/applications/salome_meca_V2016.desktop' にアクセスできません: そのようなファイルや ディレクトリはありません
Desktop directory not found.

Warning: the directory /mnt/c/Program is in a path variable but does not exist

色々なWarningが出ますが、無視してください。

プロンプトが戻ってきたらインストール完了です。

salome_mecaの起動

vcxsrvの起動

salome_mecaを起動する前に、vcxsrvを起動します。デスクトップにあるVcXsrvアイコンをダブルクリックしてください。

初めて起動したとき、Windows Firewallから

14.vcxserv.png

という警告がでますが「アクセスを許可する(A)」をしてください。

15.vcxserv.png

正常に起動すると「X」というアイコンが起動中のタスクの中に現れます。

salome_mecaの起動

bashからsalome_mecaを起動します。

少しおまじないをします。

% export DISPLAY=localhost:0.0
% export LIBGL_ALWAYS_INDIRECT=1

と打ってから

% cd
% cd salome_meca/appli_V2016
% ./salome &

とするとsalome_mecaが起動します。

salome_meca1.png

salome_meca2.png

安定して動くかは検証していませんが、試してみてください。

また、win32api用のバイナリが必要な場合、FrontISTRなども試してみてください。構築済みのバイナリがダウンロードできますし、

オープンソース大規模構造解析プログラム FrontISTR v4.5のインストール (Windows10 - MinGW-w64)でビルド方法を紹介しています。

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