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独自形式 3D データ用のタイルローダーを作った(deck.gl+MapLibre 用)

Last updated at Posted at 2025-03-23

はじめに

先の年末年始に地理院地図Vector/最適化ベクトルタイルに標高値を与えて、deck.gl+Mapbox GL JS/MapLibre GL JS で表示させるという取り組みをしていました。

こちらの記事で紹介しているサイトは、その場で 3D 用データを作成して表示することにフォーカスしていましたが、今回は、その 3D の表示を予め タイル分割 された 独自形式 のデータ(JSON)として作っておいて、それを読み込むためのローダーを作ったのでメモしておきます。

なお、以前(4年前)も同じような試行をしていましたが、今回は、ChatGPT を活用し、自分が考えるよりも性能のいいやつをすぐに作ってもらえました。

デモサイトはこちら

※神戸市新開地駅~谷上駅付近のサンプルデータを表示可能(ZL13 以上で表示)

サンプルイメージ(神戸市すずらん台付近).png

機能等の説明

前提とする情報

今回のサイトでは、ZL 14 のタイル単位に分割した独自形式の JSON を、地図の動きに合わせて読み込み、deck.gl の PathLayer 等へ設定の上、MapLibre 上で表示させています。

利用しているライブラリは、MapLibre v5+deck.gl v9 の組み合わせです。

参考ですが、独自形式のデータは、GeoJSON を拡張したようなものとなっています。以下の通り、3次元座標を持つ GeoJSON を、データ種別ごとにメンバーとしてまとめています。(※ Polygon のみ各頂点は2次元で、高さは属性値で代用しています。)

(参考)今回利用する独自形式の 3D 用 JSON
{
  "road": [
    {
      "type": "Feature",
      "geometry": {
         "type": "LineString",
         "coordinates": [
           [135.08746, 34.75884, 290],
           ...
           [135.08721, 34.75875, 320]
         ],
      },
      "properties": {...}
    },
    ...
  ], // 道路の Line 型の GoeJSON (Feature の配列)
  "railway": [...], // 鉄道の Line 型の GoeJSON (Feature の配列)
  "symbol": [...], // 記号・注記の Point 型の GoeJSON (Feature の配列)
  ...
  "building": {...} // 建物の Polygon 型の GoeJSON (FeatureCollection)
}

タイルローダー

今回のメイン機能である、地図の動きに合わせてタイルを取得するためのローダーの機能については、地図の動きが止まった時(moveend イベント発生時)に使われることを想定し、以下のような流れになっています。

  • 地図の範囲から必要なタイル番号を割り出し、
  • JSON データを必要な分だけ取得してい、
  • 一式データをマージして次の工程へ渡す

これは、MapLibre v5+deck.gl v9 の組み合わせでは、deck.gl の MapboxOverlay と Mapbox GL JS/MapLibre GL JS の addControl() を用いる必要があるのですが、MapboxOverlay を更新するには、いったん削除する必要があるので、ローダーにおいても、データを都度追加するのではなく、一式取得してマージしなおす形に割り切っています。

なお、タイルデータ一式を取得しなおすのは無駄であるため、キャッシュ機能も有しています(ChatGPT にオーダーした結果をそのまま実装しています……)。

高縮尺用差分データ

また、デモサイトにおいては、3D 表示におけるちょっとした工夫として、ズームを上げると詳細なデータの差分がロードされるという工夫もしています。これは、3D Tiles の実装なども参考にしています。

具体的には、今回のデモサイトでは、基本的に「多くの建物が省略されているデータ」(最適化ベクトルタイル ZL14 由来)を表示していますが、一部地域(すずらん台駅周辺)については、ZL 16 以上にズームした際に、「詳細な建物データ」(最適化ベクトルタイル ZL 16 由来)を 差分として追加 で読み込み、表示するようにしています。既に ZL 16 未満から表示されている等高線や道路等のデータは差分データには含まれておらず、ZL 16 未満用のものをそのまま流用することで全体のデータ量を抑えています。

  • ZL 16 未満では、建物データは省略している
    ZL14のデータのみ.png
  • ZL 16 以上では、詳細な建物データを差分として追加で読み込み、表示している(建物データ以外は、ZL 16 未満用で読み込んだものをそのまま用いている)
    ZL14に加えてZL16の建物データの追加表示.png

課題

いったん解消しました(2025/03/25)。

以下のような課題を認識しています。

  • 注記の文字が、建物(MapLibre のネイティブレイヤ(fill-extrusion)使用)よりも下に表示されてしまう
  • 動くたびにレイヤを一式作成しなおしているため、動かすたびにデータが一瞬消えてしまってうるさい

レポジトリ

メインのローダー機能は TileLoader クラスに集約されています。

感想

ChatGPT の力を借りることで、タイルローダーをかなり簡単に実装できました。デモサイトのパフォーマンスとしては、データ形式がかなり雑で肥大化したものでありながら、(データの重さを考慮すれば)意外とさくさく動いているような気がします。

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