記事概要
IBM iの統合開発環境であるMerlinの初期セットアップ手順をまとめました。
こちらは管理者(Admin)権限を持つユーザーのセットアップをご紹介した記事です。
手順 | 管理者(Administorator) | 開発者(Developer)/ ビルド管理者 |
---|---|---|
① Merlin初期設定 |
Vaultサーバーの初期化 ユーザーの作成 ロールの管理 プロジェクトの作成 IBM i CI/CDのインストール インベントリ情報の登録 テンプレートの設定 |
- - - プロジェクトの作成 IBM i Developerのインストール インベントリ情報の登録 テンプレートの設定 |
② IBM i Developer セットアップと初期設定 | - - - |
ワークスペースの作成 Gitの連携 IBM iとの連携 |
③ IBM i CI/CD セットアップと初期設定 |
Jenkinsサーバーの構成 権限の付与 - |
- - タスクの作成と実行 |
開発者/ビルド管理者ユーザーのセットアップについてはこちらの記事をご参照ください。
また、IBM i Merlinに関する記事の目次ページはこちらです。こちらのページは、記事が追加され次第更新されます。
また、この記事ではMerlinインストール後からのセットアップを扱っています。Merlinをインストールするまでの部分に関しては、こちらのマニュアルをご参照ください。
*現在のMerlinの最新バージョンは1.4.2です。1.4.0では、IBM i Developerのインストール時にエラーとなる場合がありますので、最新版をお使いください。
初期設定
Vaultサーバーの初期化
まず、Vaultサーバーを初期化します。
Vaultサーバーの構成 -> Vaultの初期化 -> (デフォルトの設定で)Vaultの初期化
最後にシークレットとトークンが表示されます。Merlinをrestartしたタイミングなどで聞かれることがありますので、これらは必ず控えておいてください。
ユーザー作成とロールの管理
次にユーザー作成をして、さらにそのユーザーにのロールを設定します。
ユーザー管理 -> ユーザー -> 追加
の画面で、任意のユーザー名・Eメールアドレス・パスワードを入力して追加。
IBM i Developerを使うにはメールアドレスは必須なので忘れずに入力してください。
ユーザーの追加ができたら、ロールを設定します。
許可 -> ロールの管理 -> ASSIGN
の画面で、ユーザーとその役割を選択します。IBM i Developerを使うユーザーにはCREATOR権限を与えます。
プロジェクト作成とCI/CDツールのインストール
CI/CDツールをインストールします。
ツール -> カタログ
にツールがあるので、右クリックをして「アプリケーションのインストール」をクリック。
インストールの際にはプロジェクトが必要になります。新しくプロジェクトを作成してインストールすることをお勧めします。
プロジェクトは、「アプリケーションのインストール」の操作の過程で、プロジェクトを選択する画面にて「作成」をクリックして新規に作成することができます。
ツール -> デプロイ済みツールでCI/CDツールがAvailableになっていることを確認できたらインストールは完了です。
(AdminもIBM i Developerを使用する場合、同様の手順でそちらもインストールをしてください。なお、途中で作成するプロジェクトはそれぞれのツールで別に作ることをお勧めします。)
インベントリ情報の登録とテンプレートの設定
次に、IBM iへの接続の設定をします。
接続 -> 在庫
から名前(任意)・タイプ名(IBM i)・ホスト名(該当のもの)を追加。
接続 -> Credentials
から名前(任意)・IBM iにサインオンする際に入力するユーザー名・パスワードを追加。(SSHでも可)
接続 -> テンプレート
から、名前(任意)・先ほど追加した在庫(Inventory)・資格情報(Credentials)を追加し、在庫と資格情報を紐づけます。
テンプレートの作成ができたら、該当のテンプレートを選択 -> 実行
として、6項目全てを実行します。
テンプレートの実行がすべて完了したのを確認します。
CI/CDのセットアップ
Merlinの画面にて、ツール -> デプロイ済ツールでCI/CDを見つけます。
CI/CD上で右クリックをして、アプリケーションの起動を選択するとCI/CDに入ることができます。
Jenkinsサーバーの構成
Jenkinsの構成 -> Jenkinsサーバー -> Jenkinsサーバーの初期化
で接続されているJenkinsのインスタンスを初期化します。
続いて、内部のJenkinsを使うか外部のJenkinsを使うかを選びます。内部のJenkinsを選択します。
次に、ユーザーネームとパスワードを入力します。このユーザーとパスワードは、Merlinのユーザーとパスワードではありません。ここで新しく作るようにしてください。
完了をクリックし、終了まで待てば完了です。
権限の付与
Jenkinsの構成 -> 権限の管理 の画面で追加を選択
CI/CDを使うユーザーを選択し、OKを選択します。
すると、該当ユーザーがCI/CDを使用できるようになります。
以上で、管理者(Admin権限保有者)が行う初期設定とセットアップは終了になります。
お読みいただきありがとうございました。