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scrollイベントを用いずに「topから〇〇pxスクロールしたらどうのこうの」する

Last updated at Posted at 2022-04-15

やりたきこと

scrollイベントを用いることなく、「topから〇〇pxスクロールした」瞬間を検知したい。

結論

IntersectionObserverdocument.bodyを監視し、observerrootMargin.topに境界となる値を設定する。

Typescript
const border = 100; // 100pxスクロールしたらどうのこうのする

const option = {
    root: null,
    // rootMargin.topに境界を、rootMargin.bottomにbodyの高さを設定
    rooMargin: `${border}px 0px ${document.body.clientHeight}px 0px`,
    threshold: 1
};

const callback = (entries: IntersectionObserverEntry[]) => {
    // IntersectionObserverEntryはundefinedの可能性があるので型ガード
    if (typeof entries[0] === 'undefined') return;

    if (!entries[0].isIntersecting) {
        // isIntersecting === false のとき、100pxスクロールした瞬間
        doNanyaKanya(); // なんやかんや
    }
};

const observe = new IntersectionObserver(callback, option);
observe.observe(document.body); // body全体を監視

IntersectionObserver とは

IntersectionObserverAPIは、あるターゲット要素を監視し、ビューポートまたは特定の親要素から出たり入ったりした時、あるいは両者が交差する量が要求された量だけ変化した時に、登録されたコールバック関数を実行するというAPIです。

交差オブザーバー API - Web API | MDN

基本的なIntersectionObserverの使い方

基本的にはある要素をターゲットとして監視し、画面(viewport)に入ったらどうの・出たらこうのする、という使い方が基本かと思います。
スクロールしていくとふわっ…と現れる要素なんかによく使われます。

See the Pen IntersectionObserver Demo by MenTori (@MentTori) on CodePen.

本題: IntersectionObserverで「〇〇pxスクロールしたかどうか」を監視する

「スクロール量に応じて」という実装はできない

特定の要素を監視してviewportに入ったか・出ていったかを判定して関数を実行するAPIなので、スクロールしたら関数を実行、ということはできないです。
ターゲット要素をtopから100pxの位置に配置すればもちろん可能ですが、そういうことじゃない….

rootMarginでviewportを上部に拡張して、topにある要素を監視する

IntersectionObserverAPIにはオプションを色々設定できるのですが、その中にrootMarginという設定項目があります。こちらはviewportの拡大・縮小をさせることができる設定で、cssのmarginプロパティのような値を指定します。
rootMargin: 100px 0px 0px 0px;と指定するとviewportが上部に100px拡張され、画面上端から100px上部に境界を設定できます。

この設定により、rootMargin: 100px 0px 0px 0px;でviewportを拡張してヘッダーなどのページ最上部に位置する要素を監視すれば、下方向にスクロールしてヘッダーが画面上端から100pxの位置に来た瞬間をオブザーバーで検知することができます!
これはつまり「100pxスクロールした瞬間」に他ならないのです!!やったぜ解決!!👏

より汎用的にbodyを監視する

上記の実装で100pxスクロールした瞬間の検知はできました。しかしページ最上部に必ず要素があるとは限りません。そこで、絶対に画面上部に接しているDOM要素を監視するようにすればいいのではと考えました。
そう、body要素です

しかし、bodyは大体画面(viewport)より高さがあるため常にisIntersecting === falseとなってしまっていることが問題になります。
上記の100pxスクロール検知は境界を画面上端より100pxにまで拡張してそのviewportから要素が少しでも出た瞬間を検知しているのですが、bodyは大きすぎて常にviewportから出てしまっているため検知ができないのです。

そこで再びrootMarginを用いて、今度は下方向にviewportを拡大します。どれくらい拡大するかというとbodyの高さ分だけ拡大します。
こうすることによりbodyがviewportにすっぽり入るため、スクロールしていない時点ではisIntersecting === trueとなり、100pxスクロールしてbodyの上端が境界から少しでも出た瞬間にisIntersecting === falseとなります。
これで汎用的に100pxスクロールした瞬間を検知することができました!!💪
(なんだかめっちゃ裏技じみている気がしますが…)

以下が完成形のコードです。

const border = 100; // 100pxスクロールしたらどうのこうのする

const option = {
    root: null,
    // `rootMargin.top`に境界を、rootMargin.bottomにbodyの高さを設定
    rooMargin: `${border}px 0px ${document.body.clientHeight}px 0px`,
    threshold: 1
};

const callback = (entries: IntersectionObserverEntry[]) => {
    // IntersectionObserverEntryはundefinedの可能性があるので型ガード
    if (typeof entries[0] === 'undefined') return;

    if (!entries[0].isIntersecting) {
        // isIntersecting === false のとき、100pxスクロールした
        doNanyaKanya(); // なんやかんや
    }
};

const observe = new IntersectionObserver(callback, option);
observe.observe(document.body); // body全体を監視

ちなみに画面下部からdocument.body.clientHeight分viewportを拡張しているため、画面の高さwindow.height分だけ余分に広げてしまっています。別に問題ないとは思いますが、気になる方は${document.body.clientHeight - window.height + 1}pxみたいにギリギリを攻めるといいと思います。✍🏻

さいごに

もちろんscrollイベントを使えば簡単なことはわかっております、一応。使いたくないから頑張ったんです、一応。
完全に独自実装ですのでおかしな点多々あるかと思いますし、「いやそもそもそんなややこしいことしなくてもコレでできるが??」ってのがありましたら是非に教えていただきたいです...👀

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